VAIO が六年ぶりにフラッグシップモデル「VAIO Z」の新製品を発表しました。
ついに復活の「VAIO Z」。約958gのフルカーボン仕様、Core H35搭載で34時間動作 – PC Watch
先代 VAIO Z の製品発表イベントに運良く当選して参加してきたのがちょうど六年前の今頃。あれから六年、私の人生もぐるっと一周するくらいにいろんなことがありましたが、それを考えるととても長い時間が経ったように思えます。
Tiger Lake 世代の TDP35W クラスのクアッドコア CPU、14inch 4K ディスプレイ、USB PD、Thunderbolt 4、5G WAN などを搭載しながら筐体を 4 面フルカーボンで成型することで 1kg を切る軽さ(5G 非搭載時)を実現したハイパフォーマンスなモバイル PC です。値段のことさえ考えなければ、ゲーミング用途を除いて現時点での Windows ベースのモバイル PC で最高峰のスペックと言って良いでしょう。発表されるまでは失礼ながらこれほどの製品が出てくるとは思っていなかったので、正直驚いています。
近年の VAIO はビジネス需要に特化することで、レガシーインターフェースの充実やメンテナンス性の向上など商品性を質実剛健に振っていました。それはそれで仕事マシンとして扱いやすいメリットはあったのですが、イマイチときめかなかったのも事実。またソニー時代に比べて生産台数が大幅に縮小したことでデバイスの調達力も落ち、他社に比べると周回遅れの仕様で出てきがちだったのも残念なところでした。それがこれほどゴリゴリに尖った製品を仕込んでいるとは思わないじゃないですか。
先代 VAIO Z は私も仕事で一時期使っていましたが、性能が高いのはいいけどアルミ筐体とフリップ液晶のせいで重く(1.34kg)、当時外出や出張が多かった私の肩こりの主要因になっていました。当時は MacBook の影響か質感の高い PC といえばフルアルミ筐体が全盛で、軽さよりも「アルミでなければ売れない」的な空気がありました。CNC(コンピューター制御による切削加工)の進歩と普及によって質感の高いアルミ筐体が比較的低コストで製造可能になったのが主な理由でしょうが、私としては軽さと堅牢性を両立するならフルアルミじゃなくてアルミ/マグネシウム/カーボン/プラスチックを適材適所のほうが良いというのが持論でした。軽さだけならフルカーボンが理想的だけど高価いし加工は難しいし…と思っていたところ、今回の新 VAIO Z は 4 面フルカーボンとか頭おかしい(誉め言葉
個人的にはカーボン素材にはひとかたならぬ思い入れがあって、
↑の左側は VAIO C1VJ(2000 年)、右側が VAIO X505/SP(2003 年)です。2000 年当時一部の VAIO ファンの間で天板にカッティングシートを貼り込んでカーボンルックにするのが流行っていたのですが、その数年後に X505 が発売されて某氏に「今度はカーボン『ルック』じゃなくてリアルカーボンですよ」と煽られ、悔しくなって X505 をフルスイングで買ってしまったという(ぉ
それ以来私が使ってきた VAIO は大半がカーボン仕様だったわけですが、CFRP(カーボン繊維強化プラスチック)は曲げ加工が非常に難しく、X505 より後に出てきたモデルはカーボンを平板のまま使うか、強度確保のために縁をちょっと曲げただけのものが大半でした。それが今回の Z では F1 マシンもビックリの変態的な 3D 曲げ加工だから相当強そうだし、これは高価いのも仕方ないわ…。それくらい、ここ数年鬱積されていたエンジニアたちのフラストレーションを解放して技術を叩きつけたような PC に仕上がっています。
こんなの出されちゃったらもう買うのが使命みたいなものじゃないかとも思うわけですが、今の私の生活にコイツが入り込む隙がないんですよね。自宅では自作機だし、外出や旅行でもちょっとしたことはもうタブレットで済ませるようになってしまったし。外でガッツリ文章を書いたり写真を現像するならハイパワーなモバイル PC が一台欲しいところだけど、そもそも外出も旅行も激減している昨今。本当は 12inch くらいのバリエーションがあったら即買いしていたかもしれませんが、それくらいのサイズの用途こそ最近 iPad に奪われていることを考えると、14inch で超高性能というのは良い落としどころだとは思います。
昨年家族共用 PC として VAIO SX14 を購入して、今年は高校に上がる長女に専用 PC を買い与えようかと考えていたところなので、この VAIO Z を買うとしても順番的にはその後かなあ。まあ買ったところで今は元を取るほど使う用途がない、というのが悩ましいところです。というわけで「欲しい」と「買ってもしょうがない」が激しくせめぎ合っています。こういうときに買っておかないと、本当に必要になったときにこんな製品が出てきてくれなくなっちゃうんですよね…。
今すぐに買うことはない、けど、実物を見たら喉から手が出てしまいそうな気もしています。
コメント
来年、VAIOブランド25周年でZの勝色モデルが出ると思うので、
今年はスルーです。(なんか毎回こんなこと言ってるな)
いま使っているのが、VAIO Z勝色クラムシェルなんですが、
そのスペックでやってることはネットとメール……お布施感…。
高スペックの持っていき場がほしい今日この頃です。
それだ!!!
SX14/12 のような勝色をまとった Z…これは欲しすぎますね。
いずれにしてもすぐには買えないので、ちょっとお金貯めながら様子見ようと思います。
私もハイスペックを持て余しそうなんですが、最近手元に 4K が撮れるカメラが増えてきたことだし、久しぶりに編集でも始めてみるかな(笑