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F1 モナコ GP 2022

レッドブルのペレス、感涙のモナコ初優勝。サインツJr.との激闘を制す|F1モナコGP決勝

伝統のモナコ GP。事前の予想では低速コーナーに強いフェラーリ有利だと思ったら、実際にはフリー走行からフェラーリとレッドブルの 4 台が最速タイムを出し合うがっぷり四つの戦いに。かと思えば、予選 Q3 では集中力を発揮したルクレールが一段抜けた速さを発揮、タイムアタック終盤でのペレスのクラッシュに伴う赤旗もあってフェラーリがフロントロウ独占。しかし日曜日の天気予報は雨、これは荒れる展開が予想されます。

決勝は予報通りヘビーレイン、スタート遅延してセーフティーカーランからのローリングスタートで、序盤 10 周はほぼ隊列走行に。しかし路面は徐々に乾きはじめ、下位のマシンから順にインターミディエイトタイヤに交換するギャンブルに出てからはレースが大きく動きます。一旦インターミディエイトに換えるのか、それともフルウェットのまま粘って一気にスリックタイヤに換えるのかが判断の分かれどころ。結果的に最も早くインターに履き替えたペレスの選択が最善でした。ペレスの 2 周後にインターに交換したルクレールも、ウェットタイヤで粘ってスリックに換えたサインツもペレスのペースには及ばず。ドライタイヤに交換後、終盤にはペレスのタイヤは完全に終わっていてサインツに迫られるシーンはありましたが、ここまモナコ、モンテカルロ。30 年前のセナ対マンセルを思わせる攻防を守り切り、ペレスがメキシコ人として初めてモナコのポディウム中央に立ちました。

今回のレースは半分はフェラーリの自滅と言えます。ペレスのピットインにあと一周早く反応できていたら違う結果になっていたことでしょう。それでもルクレールが無線でチームにブチ切れたのはいただけない。チャンピオンを目指すならああいう場面でもある程度の冷静さを保てるようにならなくてはなりません。
一方でペレスはこの勝ち方こそペレスらしい。過去の 2 勝も荒れたレースで気がつけばペレスが首位だったという展開だったし、昔のザウバーやフォースインディア時代もそういう荒れたレースでちゃっかり表彰台、というのが多かった。他車のアクシデントをくぐり抜けてポジションを見つけるのがうまいドライバーなんですよね。前戦スペインでの事実上のチームオーダーに「That’s very unfair…but OK(すごくアンフェアだよね…でも了解)」という無線のやりとりがありましたが(レースの流れを見ればチームオーダーは正しかったと思うけど)、ペレスがこういう形で結果を得られたことは素直に喜ばしい。

フェルスタッペンは 3 位表彰台、ルクレールが 4 位に終わったこともありドライバーズ/コンストラクターズともにレッドブルがその差を広げる結果になりました。そして気がつけばペレスもドライバーズチャンピオンシップで 3 位、ルクレールに 6pt 差・フェルスタッペンに 15pt 差。ペレスにもまだまだチャンピオンの可能性はあるということです。このままレッドブル内のチームメイトバトルに発展するシーズンが見たいような、見たくないような(笑

アルファタウリは散々でしたね。予選は赤旗後のタイムアタックに送り出すタイミングのアヤでガスリーがラストアタックに間に合わず Q1 落ち。その最初の原因を作ったのは角田のクラッシュですが、ガスリーを送り出すのが遅れたのは完全にチームのミスでしょう。決勝ではガスリーに真っ先にインターミディエイトタイヤでのギャンブルを行わせ、それ自体はうまく行ったように見えたけど直後に角田にも同じ戦略を取らせたのが間違い。せっかく入賞争いできるポジションで戦っていたのにピットインでミック・シューマッハーに引っかかる位置に戻したことで角田のレースは終わってしまいました。結果、二台ともにノーポイントレース。角田自身はいい形で週末を過ごせるようになってきているし、触発されるようにガスリーも今回はいい走りを見せていただけに残念です。こういうチーム力の弱さがアルファタウリ最大の弱点なんだよなあ…。

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