先日銀座方面に行く用事があったので、以前から行ってみたいと思っていたお店でビーフシチューを食べてきました。
東銀座の「銀之塔」です。
歌舞伎座の裏手にある、一見ビーフシチューを出しているとは思えない佇まいのお店。銀座の老舗らしい風格があり、むしろ日本料理の店と言った方がしっくりくる雰囲気。
銀の塔…というよりは蔵っぽい、和を感じる店内。
椅子の品格が高くて、いかにも東銀座で食べているという感じがします。
メニューは至ってシンプルで、シチュー四種類（ミックス、ビーフ、野菜、タン）およびグラタンとそれらのセットだけ。
グラタンの味も気になるけど、この暑い中でシチューとグラタンというアツアツセットを食べて汗だくになりたくはなかったので、今回はとりあえずシチューだけいただいてみます。
オーダーを終えるとお茶と一緒に小鉢三品が運ばれてきました。漬物、なます、きんぴらごぼうの三品。
こう暑いと冷たい前菜がありがたくてパクパク食べそうになるけど、後でシチューの合間に挟んで食べたいから少し抑えめにいただきます。
そしてシチュー。いろんな具材を味わいたくてミックスシチューを選んでみました。
どどんと土鍋になみなみと注がれたシチューがグツグツ言っています。もっと寒くなってから来るべきだったかと少し後悔したけど（笑）、それは置いておいてもおいしそう。
ゴロゴロと入った大ぶりのビーフ。ナイフがなくても箸やレンゲで切れてしまうほど柔らかく、口に入れるととろける。
シチューは濃厚…なんだけどあっさりしている、という不思議な味。出汁を感じる和風の味付けなのが良いんでしょう。洋風のビーフシチューはそんなに頻繁には食べられないけど、このビーフシチューなら毎日食べても飽きなさそう。そういう日本人の味覚に染みこんでくるおいしさがあります。
ミックスシチューだからジャガイモやタマネギなどの野菜もゴロゴロと入っているんだけど、それらがとても美しい形に切りそろえられているのが感動的。
こういうシチューだとジャガイモは少し溶けて崩れていそうなのに、ここのは敢えて火を通しすぎないようにしているのか。この野菜の形ひとつとっても、それぞれの仕事が丁寧に行われていることが伝わってきます。
白ごはんに合う、おいしいビーフシチューでした。
これはまた食べたい。次は寒くなった頃にグラタンとセットで食べてみようと思います。
ごちそうさまでした。
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