先日出張で国際線に乗った際の機内エンタメで発見して、そういえばこれ観たいと思いつつスルーしてたんだったな…というのを思い出して Netflix で視聴しました。
モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンという名優ダブルキャストによる終活映画です。終活といっても相続とか生前葬とかいう最近の流行りのやつではなくて、「死ぬまでの間にやりたいことリスト」をやり尽くして思い残すことがないようにしよう!という豪気な話。現代はまさにその死ぬまでにやりたいことリスト(The Bucket List)で、キラキラ感ある邦題とは趣がちょっと違います。ちなみに日本でも近年これを元ネタに吉永小百合と天海祐希主演で邦画化されていましたね。
自動車整備工として長年家族のために真面目に働いてきただけのカーター(モーガン・フリーマン)と、病院の経営をはじめとして実業家として大成功したエドワード(ジャック・ニコルソン)。全く別の人生を歩き、接点などないと思われた二人が共に末期ガンを煩い、余命六ヶ月の宣告を受けた病室で出会います。最初は反目し合いながらも次第に意気投合し、最終的にはお互いのやりたいことリストを片っ端から実現していくために世界中を旅します。余命なんて関係ないと言わんばかりの二人のはしゃぎっぷりが楽しい。「余命もの」って日本映画だと掃いて捨てるほどありますが、本作はそういう泣かせようという作りではなくてむしろ「生きる喜び」を感じられるところが良いですね。
渋い役どころが多いモーガン・フリーマンの、他の作品ではまず見られないこの笑顔がいい!
私も父が二度のがんサバイバーだったり、母が現在闘病中だったりして嫌が応にも意識せざるを得ない昨今なのですが、本作はそういう人間やその家族にとって「人生の残り時間」をどう過ごすべきか、というのをしみじみ感じさせてくれる映画でした。やりたいことを全てやり切ったと思えたときに、最後の時間を誰とどう過ごしたいか。誰にどんな言葉を伝えたいのか。
ラストシーンもまた良いんですよね。あからさまに泣かせに来るわけじゃなく、温かい気持ちになった上でホロリと涙がこぼれる感じ。こういう余韻を残してくれるのが、良い映画なんだと思います。
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