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シン・仮面ライダー [IMAX] @T・ジョイ PRINCE 品川

今日から本格公開された『シン・仮面ライダー』をさっそく観に行ってきました。

シン・仮面ライダー

シン・仮面ライダー

庵野秀明/カラーが手がける『シン』シリーズとしては四作目。エヴァを除いても日本を代表する特撮作品を版権の枠を超えて庵野秀明がリブートしたという意味でも注目のシリーズです。

本作はストーリー的には初代『仮面ライダー』を基に再構成した脚本になっています。調べてみたところテレビシリーズの設定やシナリオをベースとしつつ、一部で石ノ森章太郎が描いた漫画版の要素を(即に物語の後半において)混ぜ込んだ構成のようですね。オリジナルに基づきつつ派生作品等の要素を取り入れるのは『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』でも見られた手法で、それぞれの作品について日本を代表するオタクである庵野秀明らしい作り方と言えます。

私は昭和生まれとして昭和ライダーの名前は一通り挙げられる程度の知識はあるけど、世代的に初期のライダーは観たことがありません。リアルタイムで『BLACK』を断片的に観ていた程度。というわけで人生においてほとんど仮面ライダーを通ってきていません。だから本作は仮面ライダーシリーズのファンというよりも庵野作品かつ『シン』シリーズだから、という理由で観に行きました。
そういう前提知識があまりない身としては、初代ライダーのリブートとしてはアクションにスピード感があってカッコ良く、まあ面白い。でもシン・ゴジラやシン・ウルトラマン並みに没入できるほどでもない、という印象。オリジナルを知っている『BLACK SUN』の方が私には刺さったくらいです。『シン・仮面ライダー』は、映像を見ながら「ああ、このシーンはオリジナルのオマージュっぽいからリアタイ世代にはたまらないんだろうな」と感じる場面は多々あったので、そういうバックグラウンド次第で刺さり度合いが変わってくるのではないでしょうか。
ただ、今にして思えば私としてはシンゴジもシンウルも群像劇としての面白さが良かったのだと思います。それに対して本作はほぼ仮面ライダーとショッカー周辺の登場人物に限られていて、群像劇的な側面やライダーやショッカーと社会との関わりがほとんど描かれなかったのが物足りなかったのではないかと自己分析しています。これまでの『シン』シリーズを経て本作にも群像劇を期待していた部分はありました。まあ仮面ライダーは悪の組織に改造された超人がその組織と人知れず戦っていく話だから、冷静に考えれば群像劇にはしづらい題材ではあります。

映像的にはとにかく庵野監督の仮面ライダー愛が溢れているのが伝わってきました。アクションシーンであえて古い特撮的な表現を入れていたり、盛り上がるシーンで必ずオリジナルの仮面ライダーのテーマがかかったり、「俺は仮面ライダーがこんなに好きなんだー!!!!!」というのを 121 分間にわたって推され続けている感覚(笑。シンゴジやシンウルでもそういう表現はあったけど、今回はその比じゃなかった。クリエイターとして大成すればこうやって自分の「好き」を好き勝手にやれるいいお手本だと思いました(誉めてます)。

そういえばシンウルに引き続いて「あの人」が出てくるかなと期待していたのですが、それを上回る豪華出演陣でした(笑。俳優の起用法が『シン』シリーズをまたぐスターシステムのような形になっていて、知っている顔がスクリーンに映し出される度にニヤついてしまう。そういえばシンウル劇中でマルチバースに言及した台詞がありましたが、もしかしたら本作に登場した彼らは他の『シン』シリーズに登場するキャラクターたちの並行同位体だったりするのかもしれません。

シンエヴァで見られたような生っぽいカットの作り方といい、ラスボスの目的がエヴァ的なところといい、作品全体を通して「やっぱり庵野秀明だったなあ」という映画でした。
個人的には劇場でのリピートは別にいいかなという感じですが、『シン』シリーズ四作を全部映画館で観れた、という不思議な満足感があります。

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