フェルスタッペンが圧巻の今季16勝目! リカルドが大金星の7位。角田裕毅は入賞圏内走行も無念の接触で無得点|F1メキシコシティGP決勝
時差の辛い米大陸三連戦、メキシコは深夜というより早朝だからアメリカやブラジルに比べれば少し楽。というわけで FP2・予選・決勝はリアルタイム観戦しました。
■レッドブル
フェルスタッペンが今シーズン 16 勝目。自身が今シーズン樹立した年間勝利数記録を更新しました。
予選はフェラーリがまさかの(彼ら自身も驚いていた)フロントロウを独占しましたが、マックスは例によって「レースで抜けばいいや」という感覚だったのでしょう。決勝では実際にスタートダッシュでフェラーリの二台をパスしてそのまま独走態勢に。ピット戦略がマックスは 2 ストップ、追うフェラーリとメルセデスが 1 ストップと思われたため最終的にはタイムレースになりそうだったのですが、絶妙なタイミングでセーフティカーが導入されマックスがほぼタイムロスなしで 2 回目のタイヤ交換を済ませた時点で実質的には終戦。こういうときにレース展開まで味方するのがチャンピオンの強さですね。今季残り 3 レース、年間勝利数記録 19 というのも現実的な目標として見えてきました。
対する僚友ペレス。予選 5 番手というのはここ最近のグリッドよりは良いように見えますが、4 番手が来季のシートを争っているリカルドというのが痛い。そして決勝ではスタートダッシュこそ良かったものの、ターン 1 でルクレールと接触してそのまま試合終了。リカルドに負けたくない以上に母国レースで勝ちたいという欲が出たのでしょう。が、最もやってはいけないことを今回もやってしまいました。39pt あったハミルトンとの点差も今回で一気に 20pt まで詰まり、残り 3 戦でランキング 2 位を守れるか微妙なライン。アメリカ GP 決勝でのハミルトンの失格がなければ既に逆転されていたわけで、もはや 2 位陥落は時間の問題だと思います…。
■アルファタウリ
骨折からの復帰戦だったカタールではあまり印象がなかったリカルド。今回は予選での角田の援護も得て Q2 突破、までは順当な感じがあったけどまさかの Q3 で 4 番手グリッド獲得。ルノー~マクラーレンという苦悩の時代を経たリカルドがついに復活した、とみていいんですかね。
決勝ではいくらなんでもポジションキープはできないだろうし 7~8 位フィニッシュで御の字だろうと思っていたらその通りになりました。ベテランらしい安定感はさすがですね。これでアルファタウリはコンストラクター最下位から一気に 8 位に。これからウィリアムズを逆転することは難しそうだからこのまま 8 位でシーズン終了が現実的な目標になりますね。
で、角田。
FP1 は若手ドライバーテスト枠でハジャーに譲り、さらにパワーユニット交換ペナルティーで最後尾スタートが前提条件という週末でした。だから自分自身の予選は捨てて Q2 までリカルドにトウを与える牽引役。リカルドが P4 獲得したことを考えれば角田の予選全力アタックを見てみたかったところではあります。
決勝はスタートでうまく順位を上げ、その後タイヤにフラットスポットを作って予定より早めのタイヤ交換はあったもののハードタイヤとの相性が良く、入賞を狙えるポジションまで上げます。そんなときにハースのマグヌッセンがクラッシュしたことで SC 導入、多くのチームがマシンをピットに呼び戻す中で角田はなんとステイアウト。その直後にレースは赤旗中断(つまり再スタート時にタイヤ交換可)となり、結果的に角田は労せず 8 番手に。この判断、なんと角田側からのチームへの提案だったようですね。
とここまでは理想に近いレース展開で、リスタート以降は 7 位のピアストリを追い立てるレースに。角田はハードタイヤ、ピアストリはミディアムだからじっくり時間をかけて攻略すれば良い…と思っていたら角田がアウト側から仕掛けた際に接触、角田はそのままコースアウトして下位転落。角田的にはリスタートからずっとバトルしていて早く抜きたかったんだろうしクルマ的にも自信あったろうしあのコーナーで行けると踏んでのことだったんでしょうが、ピアストリのタイヤが消耗するまで待ってからでも良かったのでは。あの接触がなければ少なくとも 8 位フィニッシュは堅かったのに、逸ったアタックで自らフイにしてしまいました。リカルドと比較される大事な時期にそれはダメでしょう角田…。今回のレースで言えば「最後尾スタートだったはずの角田が、4 番手スタートで 7 位入賞したリカルドのすぐ後ろでフィニッシュ」で十分評価されただろうし二人で大量ポイントをチームに持ち帰れたはず。
ただチームもチームで、ドライバーよりもピットの方が全体を見渡せるんだからチェッカーまでをどういう戦略で戦うべきかを角田に指示しても良かったんじゃないですかね。まあそれができないのがアルファタウリというチームなわけですが。
今シーズン最高の結果を持ち帰ってきたアメリカ GP から一週間、今週は対照的にガックリきています。来週のブラジルでは大人なレースを見せてほしい。
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