F1 アストンマーティンがアロンソとの 2026 年までの契約延長を発表

アストンマーティン F1 チームがフェルナンド・アロンソとの契約を 2026 年末まで延長することを発表しました。

ハミルトンの来季フェラーリ移籍をきっかけに急遽騒がしくなったシート争いですが、次に動くコマとしてはやはりチャンピオン経験者であるアロンソとフェルスタッペンが主に注目されていました。アロンソはハミルトンの後任としてメルセデスに行くのでは？との推測もありましたが、今季ここまでのメルセデスの成績やチーム体制を考慮し、2026 年に勝てる可能性があるのはアストンのプロジェクトの方だと判断したのでしょう。メルセデスの場合はチーム側が複数年契約を望まなさそうですしね。対してアストンは近年設備や人員に投資している上にホンダ PU も手に入れ、さらにアロンソとの複数年契約を受け入れたとなればキャリアの最後を預けるに十分と言えます。

アロンソとホンダといえば忘れもしない 2015～2017 年の第二期マクラーレン・ホンダ時代。競争力のないパワーユニットだったとはいえホンダのホームグランプリである鈴鹿で、チーム無線が国際映像に抜かれるのを解っていながら「GP2 Engine!」と繰り返し発言したことはホンダに対する最大限の侮辱であり、忘れることができません。とはいえ四十歳を超えてなお現役最高のドライバーの一人であることは変わりなく、他カテゴリーでの経験を経てチームでの動き方も昔とはずいぶん変わり、またインタビューや無線での面白発言おじさん的キャラも相まって現在では F1 で最もリスペクトすべきドライバーであることも事実。個人的には、2026 年に再びホンダとアロンソのジョイントが見られることを改めて楽しみに思っています。今度こそアロンソからホンダ製 PU に対する賛辞を聞きたいし、共に表彰台に上ってほしい。

そして気になるのはアロンソのチームメイトが誰になるのか。ここからは噂に基づく完全なる妄想です。

• ランス・ストロール

順当に考えればチームオーナーの息子であるランス・ストロールが継続するのが妥当。ただランスはアロンソとのタッグ 2 年目だけどずっと大差をつけられたままでモチベーションが低下していると言われています。さらには本気でチャンピオンを狙うならば二人目のドライバーもポイントを稼げる存在でなければならず、その点でも不安。ローレンス・ストロールがランスを乗せたくても、タイトルスポンサーかつテクニカルパートナーであるアラムコからのプレッシャーはありそう。

• カルロス・サインツ

ハミルトンのフェラーリ加入によって弾き出されたカルロスの行き先が決まっていません。噂ではメルセデス、アストン、2026 年からのアウディが候補と言われており、もしアロンソのパートナーになるなら実力的にも申し分ない。スポンサー獲得を考慮すると同チームでスペイン人二人になるのはむしろネガティブですが、アラムコ（サウジアラビアの国有石油企業）がついてれば資金的には問題ないか。

• マックス・フェルスタッペン

今シーズンの開幕前から始まっているレッドブルのお家騒動に伴ってチーム離脱の可能性が浮上しているフェルスタッペン。少なくとも 2025 年までのレッドブルでの戴冠はほぼ約束されたようなものですが、PU が自社製となる 2026 年以降に向けて移籍先を探していても不思議はありません。何しろアストンにはマックスが一緒に勝ち続けてきたホンダ PU がついてくるわけですからね。
仮にアロンソとフェルスタッペンが組むとなればチャンピオン経験者同士のドリームチームとなるわけですが、チャンピオン経験者が二人いるチームがチャンピオンを獲得したのは 1989 年のマクラーレン・ホンダを最後に成功事例がないし、その 1989 年もセナとプロストの関係は険悪だったし、あまり縁起の良い組み合わせとは言えません。個人的にはすごく見たいけど。

• 角田裕毅

2026 年にホンダ PU になるということで期待されるのが角田の移籍。本人は現時点ではレッドブルへの昇格を主眼に置きつつ他チームとの契約も模索している段階とのことですが、仮に 2025 年にレッドブル昇格が叶わなかった場合はアストンが第一候補になってきます。個人的にはアストン・ホンダでフェルスタッペン＋角田のタッグが見たかったけど、アロンソ＋角田も同じくらい見てみたい。このチームなら日本人ドライバー四人目の表彰台獲得、そしてさらにその上も十分に期待できると思います。

• 岩佐歩夢

角田がアストン以外のトップチームと契約した場合には岩佐がアストン、という可能性もありそう。とはいえチームとしてチャンピオンを目指すならばアロンソの僚友に新人というのはさすがに厳しいか。ホンダ PU の供給先がもう 1 チームくらいあれば良いんですけどね。独立系チームだとマクラーレン、ウィリアムズ、あと三戦未確定だけどアンドレッティ…どれも現時点ではあまり現実的とは言えませんが、何でも起きるのが F1 だからなあ。

こんな感じでしょうか。他にもアルピーヌから逃げ出したいはずのガスリーとかオコンの可能性も考えられます。まあサマーブレイクまでにはドミノ倒しのように移籍発表がありそうだし、しばらくは注目していきたいと思います。