先日大森の「まるやま」に行った際、近くにあるやたら年季の入った喫茶店の前を通りかかってとても気になっていました。
店構えがあまりにも渋すぎる。かといって寂れている感じはなくむしろお客さんが入っているような気配で、どんなコーヒーや食べ物を出してくれるのか、内装はどうなっているのかとても興味ある。
最近ちょっと喫茶店巡りが楽しい私としては是非一度入ってみたいと思い、改めて大森へ。
店先には入店調整中との貼り紙があり、満席なのか?それとも感染対策で入店数を制限しているのか?と勘繰ったのですが、ほんの 2~3 分の待ちで席に通されました。
午前中遅めの時間で座席は八割方埋まっているようでした。
内装、めっちゃレトロ。今までにもレトロな喫茶店には何度か入ったことあるけど、ここまで年季が入ってる店もそうそうない。外観に劣らぬ昭和感。
ちなみに入口にいくつか場面写が貼られていたのですが、この店はドラマや映画のロケで使われることが多いようですね。有名なところだと『相棒』『結婚できない男』『極主夫道』など。言われてみれば、テレビ画面でこの光景を見たことがあるような気がします。人気の理由のひとつは聖地巡礼需要ということですかね。
インテリアがどれもアンティークですごく雰囲気があります。
店内照明はやや暗めでクラシックがかかっていて、何とも言えず落ち着く。
外観からは客層はおじいちゃんおばあちゃんがメインかと思ったら二十代くらいの若者からお年寄りまで幅広い。昔からの常連さんからレトロ喫茶好き、そして映画・ドラマファンなど多様なお客さんが訪れているように見えます。
こだわりのコーヒーの数々。
こういうお店ってコーヒーだけで当たり前に 800 円とか 1,000 円とかする店もざらにあるけど、ここの値段はたいそう良心的。高級喫茶店で一杯のむお金があればここで二杯飲めます(笑
ケーキメニュー。昔ながらの喫茶店のケーキという品揃えで変わったものはないけれど、むしろそれがいい。こういうのでいいんですよ。
というわけで、カフェオレ+モーニングサービスを注文しました。
モーニングはドリンク+100 円でトースト、ゆで卵、ジャム&バターがついてきます。でもこの見事な装飾のついたトレイの載せられてくるととても+100 円のサービスとは思えない豪華さ。
ちなみに「モーニング」と言いながら 13:00 まで注文可能です。朝の定義とは。
本当はこういうところに来たならホットコーヒーを頼むべきなんでしょうが、とにかく暑かったから冷たいカフェオレが欲しかった。
クラッシュアイスでよく冷えたカフェオレはちゃんとコーヒーの香りと苦味を感じる。私はコーヒーには砂糖は入れない主義ですが、ミルクではなくクリームが添えられてきたからそれはさすがに使わないともったいない。
金属製のゴブレットの装飾がまたイイ味を出しています。
ちょっとした貴族の朝食感。脳内の自分はロココ調の出で立ちで上品にパンにバターを塗っています。
極厚のトースト、表面はカリッとしつつ中はもちっ。
そこにひんやりとしたバターとジャムの協奏がたまらない。
ただのゆで卵も、エッグスタンドに乗ってくるだけでどうしてこんなに特別感。
殻が剥がしやすいようにあらかじめちょっとヒビを入れた状態で出してくれる心遣いが嬉しい。
こうなるとちょっとデザートも食べてみたくなって、マロンケーキも注文しました。モンブランじゃなくてマロンケーキ、その昔っぽいネーミングセンスがまた良き。
栗風味のクリームに、大きめの栗と細切れの栗でいろんな食感が楽しめる。上品だけどちょっと素朴なマロンケーキ、おいしかった。
現実社会とは切り離されたような空間で、ゆったりとした刻を楽しむ。
ここ、いい場所じゃないですか。スマホとか PC とか見るんじゃなくて、紙の本とか新聞とかを持ち込んでゆっくりしたい感じ。
とても気に入りました。
また時々寄らせてもらいます。いつ行っても座れない駅ビルのスタバに行くくらいならこっちがいいな。
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