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東京都府中市白糸台のわらじとんかつ

「グングン食欲が加速する、これだよ」

今週の『それぞれの孤独のグルメ』第 8 話の舞台は府中市でした。地理的には多磨霊園や味の素スタジアムの近くで、西武多摩川線または京王線でのアクセスになります。今回のゲスト主人公・藤村(演:福山翔大)は競輪選手という設定でしたが、地図で見るとこのあたり競馬・競輪・競艇と公営競技施設が集まっているんですね。

私はこのエリアには今までほとんど縁がなく、降り立ったのも初めて。自宅からの距離的にも遠くてちょっとした旅気分でやって来ました。

とんかつ割烹 やすいみーと

お店は精肉店が運営するとんかつ屋さん。ランチもやっていますが今回のドラマで取り上げられたメイン料理はディナータイムのみの提供ということで、夜営業の開店直後に来てみました。

劇中とは違って独りだとカウンター席に通されるようです。
「とんかつ割烹」という名のとおり、とんかつも食べられる居酒屋という雰囲気。とんかつというと昼に定食食べて終わりなことが多いけど、飲めるとんかつ屋でのんびり独り飲みって実は以前から憧れてました。こんな形でそれが叶えられるとは思っていなかったし、せっかくだから飲んでしまおう。

定食メニュー。とんかつ屋の定食として必要なものは全て揃っているという感じだけど、さらに「お肉屋さんのメンコロ」「大人のカツカレー」「手ごねハンバーグ」というそそるネーミング。豚肉のスタミナ焼きとか人気 No.1 という黒毛和牛のタタキも気になる。

名物というわらじとんかつ、そういえば 2016 年お正月スペシャルの旭川出張編で「わらじ焼肉」を出す店があったけどあんな感じなのかなあ。というかわらじを履く文化が廃れたのに大きくて平たい食べ物に「わらじ」とつける感覚だけ生き残ってるの、なんか面白い。

なんて選択肢の多いとんかつ屋だ。とんかつ以外の居酒屋メニューもどれも心惹かれる。かつ煮とか絶対おいしいやつじゃん。
こりゃあ独りで来たのは失敗だったかもなあ、三人くらいでいろいろ食べたい。あるいは独りでも一ヶ月くらい通い詰めて主要メニューを網羅したい。

とにかくまずはビールでしょ!ジョッキから泡が溢れんばかりの勢いで注がれた生ビールがおいしい。
お通しはマグロとタマネギの煮付け?っぽいやつ。とんかつ屋のお通しで煮魚を出すということは、肉以外のおつまみにも相当自信あるってことに違いない。

ということでとんかつが揚がるまでの間、ビールのお供にかんぱちの刺身をいただいてみました。
脂が乗りながらも身が締まったかんぱち、うまし!

ちなみに冬季はかんぱちではなくぶりの刺身が食べられるようです。
あと 1~2 週間もすれば北陸から寒ぶりが届くんだろうなあ。これは放送後に改めて食べに来た方がいいのかもしれない。

そこに運ばれてくるキツネ色。私が注文したわらじとんかつ定食のご登壇です。

うおぉぉー、これは!
トレイの半分を埋め尽くす大きな平皿に、どどーんとわらじとんかつ。なんという壮観。

300g の肩ロースとんかつ、とにかくでかい。大きすぎて縦方向だけでなく横方向にも包丁が入っちゃってます。

これは格闘のしがいがある。ようし、思いっきり食うぞ。

肉の厚みはそこそこだけど、とにかく柔らかい!「ふわふわ」と表現しても違和感ないレベルで、カリッとした衣との食感のコントラストが大きい。
しかも肩ロースだから肉自体のうまみが濃い。ソースをつけなくても肉に軽く塩を振っただけで十分おいしくいただけます。

こういう壺に入った自家製とんかつソース、大好き。特に胡麻が入ってるのがいい。

劇中でゴローもやってたけど、『食の軍師』にもあるようにとんかつを一片ごとに味変して楽しむのが久住流。これだけ大きく、十二片に分けられたわらじとんかつならばそういった味変のバリエーションも広くとれて食べること自体がアミューズメントになる。

この店のとんかつの楽しみ方の極めつけは大根おろしではないでしょうか。
これにかかっている醤油がただの醤油ではなく、甘味と旨味を感じる濃口醤油(または濃口醤油ベースのタレ)。これをかき混ぜてとんかつにかけるわけです。

うおおおお!これは。おろしとんかつ絶品、最強!
肩ロースのうまみに大根おろしのうまみが掛け合わされて、何とも言えないおいしさ。もう味変とか言わずに全部この大根おろしで食べたい勢いでうまい。

おろしとんかつ、もちろん白飯にも合うけどビールもグイグイ進む味。
生ビールがなくなった後は生搾りグレープフルーツサワー。果肉が浮いてる本物の味、グレープフルーツらしい酸味と苦味が食事のお供にちょうど良い。

わらじとんかつだけでもけっこうお腹いっぱいになったけど、追加で温泉卵のカルボナーラを注文。
出てきた瞬間、こことんかつ屋だよね?と周囲を見渡しそうになる本格派。この温泉卵を割ってパスタにとよーく混ぜたらいただきます。

卵がイイ感じに絡んでうまいぞ。これはいい、〆にいい。
麺の茹で具合もちょうどアルデンテで、これがとんかつ割烹の〆の一品とは恐れ入りました。

パスタの箸上げ写真を撮ってる自分もどうかと思うけど(笑)、フォークがついてこなかったからここのパスタは箸で食べるのが正しいに違いないし、それでこそ『孤独のグルメ』っぽい。

は~、食った!

とんかつ屋で独り飲み、思ってた通りに楽しかった。とんかつ以外の料理もお酒もおいしかったなー。
ドラマ放送後の混雑が落ち着いたらゴローが注文した上ロースも食べたいし、他の居酒屋メニューも試したい。近所にあったら絶対通うのになと思ったと同時に、自分の生活圏にある「飲めるとんかつ屋」に一度飲みに行ってみようと思いました。

おいしさと一緒にパワーも与えてくれる、いいとんかつ屋だった。
ごちそうさまでした。

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ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。 ドラマ...

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