cheero、山手線で発火事故を起こしたバッテリが自社製か断定できず – PC Watch
7 月 20 日に発生した山手線内でのモバイルバッテリーの発火事故、けっこう大きく報道されていますね。モバイルバッテリー関連の事故はこれまでも時折発生していましたが(影響という意味では不適切な廃棄によるゴミ処理場や収集車の火災がさらに深刻だと思う)、今回の事故は運転中の山手線内での発火で怪我人が出たことと交通機関への影響が出たことが大きく注目された理由でしょうか。
消防の調査によると発火したのはもともとリコール対象となっていた cheero のモバイルバッテリーである可能性が高いがまだ確定したわけではない模様。でもここで重要なのは発火したのが cheero 製品だったかどうかよりも「リコールがかかっているモバイルバッテリー、およびリチウムイオンバッテリー搭載製品を使い続けると同様の事故に繋がる危険性がある」ということ。
ちなみに公式にリコールがかかっている製品は経産省のサイトにメーカー横断でリストが掲載されています。
ここでいう cheero のリコール対象品というのは 2023 年 6 月に告知されている「ティ・アール・エイ株式会社」のものが該当するわけですが、この会社名を見て cheero ブランドであることを理解できる人は多くはないのでは。少なくとも私は会社名を認知してませんでした。だから本当はこういうところを定期的にチェックすべきなんでしょうが、まあ難しいですよね。
さらに言えばここに掲載されているメーカーは少なくとも製造者責任を負っている企業なわけで、Amazon 等にはびこっている有象無象の中華製品はここに出てくることさえないわけです。
私はバッテリーに限らず電源周りは値段よりも安全性重視で選んでいます。バッテリーは以前ならばセルから製造しているメーカーの方が安心ということでソニーやサンヨーを優先していましたが今はもうどちらも存在しないので Anker ほぼ一択(充電器は Belkin も併用)。Anker も近年は製品ラインアップを乱発しすぎてモノによっては品質が落ちているし経産省のリコールリストにもいくつかの製品が掲載されてしまっていますが、問題が発生した際にちゃんとトラッキングできるだけまだマシですね。
でもモバイルバッテリーならまだ自分で買うときに気をつけることができるけど、近年では身の回り品として持ち歩くバッテリー搭載製品が多岐にわたっています。スマホやノート PC はいいとしても、ハンディファンなんて中身にどんな素性のバッテリーが搭載されてるか把握のしようがありませんからね。この手の製品は国内で自社製造ということの方が珍しいはずで、我々ができることといえばできるだけ製造者責任をちゃんと負ってくれそうな国内企業の製品か、ヨドバシカメラ等の大手家電流通で販売されている製品(この点では個人的にドンキやダイソーといった販路は怪しいと思っている)を選ぶという自衛手段くらいではないでしょうか。まあ自分が気をつけていても家族が Amazon やメルカリで出自の判らない製品を買ってきてしまうこともあるのが難しいところですが…。
電池の安全性を気にせずに使えるようになるのは全固体電池が実用化された後のことになるでしょう。でも全固体電池はまだボタン電池やワイヤレスイヤホン内蔵バッテリー等の小型モデルまでしか製品化のめどが立っておらず、スマホやモバイルバッテリーサイズにやってくるのはまだまだ先の話。それまでは前述のような自衛と事故やリコール情報にできるだけアンテナを高くしておくしかなさそうです。



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