HD-2D版ドラクエII、とりあえずエンディングまで辿り着きました。
「牢屋のカギ」改め「最後のカギ」がなかなか出てこないけどどこで手に入るんだろう…と思っていたらまさかのロンダルキアの祠に到達したところで神父から受け取りました。こんな終盤も大詰めになってからようやく!さすがに意外でした。
そこから改めて最後のカギの扉や宝箱を開けるために世界を巡る旅に。ロトの武具のうち「ロトの剣」(←錆びた剣の打ち直し)と「ロトの兜」、「ロトのしるし」は最後のカギ入手後にようやく手に入ったという。ただFC版でのロトの剣はドラゴンキラーよりも弱い微妙な武器だったのが、リメイクではオリハルコンを使った打ち直しによって最強クラスの武器に返り咲き。それでこそ伝説の剣ですよ。でもそう考えるとFC版のロトの剣は錆びたまま使っていたのか…と思わなくもない(笑
またロトの剣が強化されたことで従来のドラクエIIでの最強装備だった「いなずまの剣」の立ち位置が微妙に。結局ロンダルキアの洞窟で拾ってから洞窟を抜けるまでの間だけ、という短い活躍期間でした。戦闘中に使うとイオラの効果があるから使いどころはまだあるけど。
ひととおりの準備を済ませてからローレシア/サマルトリア/ムーンブルクの城を訪れると、最終決戦前のイベントが発生します。これもFC版にはなかった要素。
これから死地に向かおうとする子とその親の最後のやりとりが泣ける。この年になるとどうしても親目線で見てしまいます。
ムーンブルクはゲームの進展に応じてローレシア/サマルトリアからも復興のための人員が派遣され、少しずつ再建が始まっていました。王や王妃は亡くなっていても王女を幼少期から見てきた大臣とのやりとりがまた泣ける。本作の四人の勇者の中でムーン王女が最も厚みのあるキャラクターを与えられていると感じます。
そしてハーゴンの神殿へ。
FC版ではここまでの過程が主にゲームバランスという点で「長い道のり」だと感じたものでしたが、リメイクでは途中に足された数多くのイベントで四人の、そして世界の人々のさまざまな思いに触れたことで、長い道のりの果てにようやく辿り着いた…という感慨が強い。
しかしハーゴンの神殿に乗り込んだはずが、眼前に広がっていたのは旅の始まりであるローレシア城の光景だった…というところまではFC版通りなのですが、サマル王子と王女にはサマルトリアの、ムーン王女には在りし日のムーンブルクの城が見えていた、という演出に変更されていました。三人のセリフも含めてこれはうまい。
でもこの幻覚は「ルビスのまもり」によって打ち破られます。
この幻覚を見せていたのはハーゴン配下の一人、ミリエラでした。ラストダンジョンの中でミリエラがどうやって出てくるかと思ったらこうきましたか。
しかしここまで来た勇者一行ならばさほど苦もなく撃破。
異界から召喚されたアトラス・バズズ・ベリアルとは違い、ミリエラは昔からハーゴンに忠誠を誓っていた元人間であることが明らかに。人型のキャラクターだから最後に改心するとかそういうイベントが用意されていることを予想していたら、改心はしなかったけど回想はありました。ちょっと『鬼滅の刃』における十二鬼月の最期っぽいと思ってしまった。
その後、神殿の各フロアではアトラス・バズズ・ベリアルそれぞれとの最後の戦いが待っています。
FC版とは違って事前のイベントで各々に因縁が用意されているからここでの戦闘も盛り上がりますね。該当マスを踏んだらいきなりエンカウントじゃなくてバトル前後の会話もあるし。三神それぞれにキャラクターやハーゴン軍における立ち位置も明確に違うのが面白い。そして何より、ムーンブルクを滅ぼしたベリアルとムーン王女のやりとりにグッときます。
三神との決戦後、最上階でハーゴンと対峙。
FC版では狭くて殺風景だったハーゴンの部屋がHD-2D版では荘厳且つ神秘的なイメージに(でも大量のロウソクがなんか怖い)。
ハーゴンは強力な呪文に加えて状態異常まで付与してくる強敵ですが、ここで苦戦しているようではダメです。この後にもっと強いアイツが控えているわけですから。
ということで、ハーゴンを倒すとハーゴンは自分自身を生贄として破壊神シドーを復活させます。
FC版でのハーゴンはとにかく破壊神を崇拝するために教団を作って破壊神を具現化させること自体が目的でしたが、本作でのハーゴンはIIIの時間軸では「竜の女王」に仕える神官長だったことになっています。竜の女王を偏執的なまでに敬愛するあまり女王の死によって無意味になったこの世界を滅ぼし、竜の女王と自分だけが存在する世界として再構築しようとした…という話に。碇ゲンドウかな?
ともあれハーゴンの死によってシドーが降臨。FC版ではドット絵で描かれていた神殿が崩壊してシドーが出現する様子がHD-2Dで美しく表現されていることに感動。ステンドグラスが割れて外から雪風が吹き込んでくるところなんてラストバトルであることを忘れて見入ってしまいました。
シドー戦はとにかくキツかった。シドーが毎ターン確定で三回攻撃してくるし状態異常や黒い霧(バフ&呪文無効化)してくるし、さらにFC版と同じくべホマまで唱えるし(ただし一回だけ)!
でもFC版のシドーほどの絶望感がなかったのは、こちらが四人パーティーでザオリクを仕えるメンバーが二人、さらに「復活の杖」まである安心感からでしょうね。
シドー撃破後、各地を巡って平和になった世界を確認していきます。
ムーンブルクやサマルトリアへの戦勝報告ももちろん良かったけど、個人的にはFC版のときからあった「ロンダルキアのあんな危険なところになぜ祠がポツンと一つだけ健在なのか?」という疑問に対する回答が用意されていたこと。何となくそうなんだろうなという伏線はあったしベラヌールでのロンダルキア王子のイベントからもロンダルキア人の無念や執念については感じるところがあったけど、最後にジーンときてしまいました。
最後はローレシアに還って大団円。
いやー良かったですね。終盤に行くにつれて雑魚モンスター戦でも苦戦するゲームバランスはIIIやIと同じでしたがさすがにもう慣れました。それ以上に、III→I→IIという順番でリリースすることで「IIを三部作の完結編として盛り上げる」ためのシナリオの組み立てが良かったし、個人的にはムーン王女・サマル王女のセリフに何度も心を打たれました。テキストメッセージだけだとここまで感動しなかったと思うので、フルボイスの賜物ですね。ローレ王子が無口キャラなことへの違和感は最後まで拭えなかったけど。
ただ、これで終わりではありません。エンディングの後にさらに隠し要素が用意されていました。というわけで、もうちっとだけ続くんじゃ。












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