かりんとう饅頭を食べに行ったついでに谷中銀座で写真散歩してきました。
谷中銀座といえば商店街の端にある階段「夕焼けだんだん」が有名ですが、なんと階段の脇に大規模マンションが建設中。斜めから夕日が射してくる風景が最高だったのに、これでは風情がないなあ。まあ土地権利者のやることに文句を言う筋合いはないし、そもそも景観に配慮して建設計画を変更した経緯もあるというから仕方ありません。むしろ山手線内、日暮里の駅からもそう遠くないこの場所にこんな長閑な場所が今まであったことの方が貴重だったのでしょう。
※今回の写真は全てRX1にて撮影。
私が谷中に来たのは十年以上ぶり。あるとき谷中銀座商店街自身が写真撮影を制限するような立て看板を出したというニュースを目にし、写真散歩目的で行っていた私としては足が遠のいていました。ファインダーを覗き込むと周りが見えなくなる人っていうのは実際にいるし、それによって現地の方々が迷惑を被っているのであればやむを得ない。だから今回もあまり写真は撮れないかもというつもりで行ったところ、特定の一店を除けばそこまで大々的に撮影NGという感じではなく安心しました。
久しぶりに来てみて驚いたのが谷中銀座の観光地化が進んでいたこと。以前から観光目的で来る人が多い場所ではありましたが、今や商店街にあるお店のけっこうな割合が観光客目当ての商売に変わっていました。これはこれで楽しいけど、下町の生活感のある風景が谷中だと思っていたからちょっと寂しい。
でも探せばあちこちに古いままの谷中が残っていて、そういうのを見つけると現地の生活を脅かさないよう気を遣いながらシャッターを切るわけです。
こういう商店街の名物は食べ歩き。いろんなお店で食べ物を買って、囓りながら歩くのが行儀悪いけど楽しい。
休日ともなればめちゃくちゃ混んでるから人とぶつからないよう気をつける必要があるけど、そういうのも含めてこの場のエンタテインメントだと思います。
ふと気づいたのが、街中なんだか妙にトルコや中東のものが多い。
ペルシャ絨毯やタイル、ランプなどあっち方面のモノを扱う店や装飾があちこちで見られる。その割にケバブ屋が幅を利かせているってわけでもない。どういうことなんですかね。
なにかトルコが谷中の伝統と結びついているということでもないんだろうし、不思議な光景。
でも昨日今日生まれた流れではなさそうだし、谷中に入ってきた新しい人々が呼び込んだ文化という感じがする。
13年前に撮った写真と見比べると、やっぱりもう下町というよりは完全に観光地になってしまった印象が強い。
でも街が街として生き残って行くには時代に合わせて絶えず変わっていく必要があるわけで、これは良くも悪くも避けようがない変化だったのかもしれません。
でも至るところに「昭和がそのまま残っている」ような光景が見られるのがやっぱり楽しい。
下町そのものというよりは、昭和の下町テーマパークと形容するのが正確かもしれません。さほど広くはない商店街のある一角だけが周囲とは隔絶された場所に見える。
そういえば谷中は猫の街と言われますが、今回は猫に遭遇しなかったなあ。むしろ人間の食べ物のおこぼれを狙うハトが幅を利かせていました。
自宅からだと一時間くらいかかるから非日常を楽しみに行くのにちょうど良い場所だったりします。なんだかんだ言って楽しかったからまた行こう。











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