ちょっと間が開いてしまいましたが、シグマ 24-70mm F2.8 IF EX DG HSM のレビューの続きです。
ここ最近、土日もどちらかが出勤だったり、休みでも天気が悪かったりしてほとんどレビュー用の作例を撮りに出掛けられていませんでした。今週末も微妙な天気だったのですが、何とか雲の晴れ間を見つけていろいろテストしてきました。ただ、台風の予兆か、風が強くて草花は撮るのが難しい(;´Д`)ヾ。
また、超望遠の画角が最大の特徴だった 50-500OS と違って、このレンズはあくまで標準ズームだから、レビューの切り口も意外と難しい。感覚的な評価じゃ参考にならないと思ったので、ならば手持ちのレンズと客観的に比較してみようと思い、初代シグマ 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO、キヤノン EF70-200mm F4L USM(IS なし版)、コシナ製 Planar T* 50mm F1.4 ZS と撮り比べてみました。
ということで、以下、F 値ごとの比較を。
レンズ | SIGMA 24-70mm F2.8 IF DG | SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC | Canon EF70-200mm F4L USM |
---|---|---|---|
F2.8 | N/A | N/A | |
F4* | |||
F8 |
* 17-70mm DC は F4.5(テレ端開放で F4.5 のため)
写真は基本的に EOS 7D で撮影し、Canon DPP で解像度 800×1200、ピクチャースタイル「スタンダード」で RAW 現像しただけの状態です。風が強くて被写体がすごく揺れていたので、微妙にピントが来ていない写真も多いですが(´д`)、そこはご容赦を。
まずパッと見で分かるのが、レンズの色味。よく「シグマのレンズはアンバーがかっている」と言われますが、17-70mm なんかはまさにそんな感じで、赤茶色方向に転けているのが分かります。それに対して、24-70mm は純正の 70-200L と似たような傾向の色味で(若干 24-70 のほうがグリーンの発色が淡泊か)、正しい色が出ています。まあ、色味は現像で何とでもなるので、極端に転けていない限りは大した問題ではないと思いますが。
シャープさに関しては、24-70mm はやはり F2.8-4 程度だとアマい印象。70-200L は開放 F4 でもピント面はビシッと描かれているのに比べると、やや頼りないですね。まあ比較対象が標準ズームのテレ端と望遠ズームのワイド端なので、これは比べ方がフェアではなかったかもしれません。
でも 70mm でも F8 くらいまで絞ればキリッとした描写を見せてくれますし、背景との距離がある程度あればボケ味も悪くないので、やはりこのレンズの美味しいところは F5.6-8 あたりなのかなという印象です。
続いて標準域は 17-70mm および Planar との比較。
レンズ | SIGMA 24-70mm F2.8 IF DG | SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC | Canon Planar 50mm F1.4 ZS |
---|---|---|---|
F1.4 | N/A | N/A | |
F2.8 | N/A | ||
F4 | |||
F5.6 | |||
F8 |
うーん、こうして見ると Planar が全く違う種類のレンズだということがよく分かりますね(^^;; 発色の鮮やかさ、明暗のコントラスト、でも暗部にはちゃんと階調が残っている描写、同じカメラで撮った写真とは思えません。まあこれもズームレンズと単焦点の代名詞みたいなレンズで比べる方が酷なんですが、私にとっては標準レンズの基準がこれなので・・・。
とはいえ、Planar も色乗りが良すぎてこのキバナコスモスのように発色の良い被写体を撮る際には、コントラストや色の濃さを抑えめの設定で撮るなり現像するなりしてやらないと、こんな感じで色飽和しやすいので逆に苦労します。また、さすがに開放(F1.4)だとピントがカミソリすぎるしボワボワした画になってしまうので、普段は F2.8-4 くらいで使うことが多いですね。
ということで、主に 24-70mm と 17-70mm との比較で話すと、まずはやはり発色が 17-70mm のほうはアンバー寄りなのに対して、24-70mm はニュートラルな色が出ています。ピント面の描写は、F4 以降では 24-70 も 17-70 も拮抗していますが、24-70 のほうが元が明るいせいか(?)ボケ味に余裕があるように見えます。ただ、こういうごちゃっとした背景/および背景との距離感だとボケが五月蠅くなりがちなのは 24-70 も 17-70 も同じような傾向で、そういう意味では絞りを開けて「背景を溶かせる」明るいレンズに軍配が上がると言えます。
ただ、絞ったときの描写なら 17-70 も負けてないと思ったのは事実で、このあたりはシャープさがウリのシグマレンズの面目躍如といったところでしょうか。
24-70 の絞り開放(F2.8)の描写は、「カリッとしている」というほどではないにしろ、雰囲気としては悪くなく、これなら許容範囲かなと思います。
屋外じゃなくてちゃんと静物で撮れば良かったかもと反省しつつ(ぉ)、次回に続きます。
シグマ / 24-70mm F2.8 IF EX DG HSM (キヤノン用)
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