中国発のカメラ周辺機器ブランド「K&F Concept」のマウントアダプタを試用する機会をいただいたので、使ってみた上でのレビューを書いていきます。
K&F Concept / ライカ M レンズ-Sony NEX E ボディマウントアダプター JPKF06.113
今回はブロガー向けレビューサイト経由ではなく、メーカーさんから直接製品のご提供をいただきました。とはいえいつも通り中立な視点で評価するつもりですが、念のため関係性を明示しておきます。
本エントリーの執筆にあたり、マウントアダプタの開発元である K&F Concept よりレビュー用製品の提供を受けています。ただしそれ以外の報酬はなく、記事内容への関与も一切ありません。事実誤認があった場合は、修正部分を明示した形で訂正を行います(誤字脱字の修正を除く)。
K&F Concept は今年に入ってから日本国内での正規流通が始まり、特にマウントアダプタは低価格な割に作りが良いと話題になっているメーカー。オールドレンズ&マウントアダプタの第一人者である澤村徹さんや最近オールドレンズ用ボディとして初代 α7 を購入された MacBS さんが立て続けに同社のマウントアダプタを試されていたので、私も気になっていたところでした。そこにレビュー用機器提供のオファーをいただいたため、喜んでお受けしました。
※2017/9/11 追記:初回に試用した製品は初期不良でマウント面に擦り傷があったため、メーカーさんより代替機を入手した上で写真を差し替えました。
今回レビューするのはライカ M-ソニー E(フルサイズ対応)のマウントアダプタ。最近のマウントアダプタは電子連動、シフト対応、縮小光学系搭載、強引な AF 対応など、「変態」と呼ぶに相応しい高機能な製品が増えています。逆に言えば普通のマウントアダプタは以前ほど話題になることも少なくなりましたが、選択肢といえば「カメラ店で大手メーカー製品をそこそこの値段で買う」か「Amazon で中国系メーカーの怪しくて安い製品を買う」かの二択だったと言えます。そこにありそうでなかった「そこそこの品質で安価なマウントアダプタ」として K&F Concept が現れた印象。焦点工房やヨドバシカメラでも取り扱いが始まったのも安心材料です。
特別な機能のないマウントアダプタで、外観的にも特筆すべきものはありませんが、内面反射防止の凹凸がついているなど、作りにはこだわっている印象。ただ、開封時から既にマウント面には製造時あるいは検品時についたと思われる細かな擦り傷がありました。マウント面へのこの程度の傷は使っていくうちについていくものだからあまり気にしませんが、ちょっと残念なところ。
※2017/9/11 修正:メーカーさんに確認したところ、この擦り傷は初期不良だったようです。代替機には目立つ傷はありませんでした。
私が愛用している L/M-E マウントアダプタ、フォクトレンダー(コシナ)の Close Focus Adapter と比較してみました。横並びで見ると、デザインも質感も精緻な作りもコシナの方が上ですが、値段が 10 倍違いますからね…。
またコシナのほうはアダプタ側に最短撮影距離を短縮できるヘリコイドが仕込まれていることもあってかなり重い(実測 120g)のに対して、K&F Concept のほうは実測 49g しかなく、とにかく軽い。M マウントレンズは寄れないことが多いためヘリコイド入りのメリットもありますが、レンズのコンパクトさを活かして軽快にスナップに行きたいことも多いため、この軽さはアドバンテージになり得ます。
このマウントアダプタを使って NOKTON classic 40mm F1.4 MC を α7R に装着してみました。α7 II も持ってるけど、M マウントレンズはよりコンパクトな初代 α7 シリーズにこそ似合うと思います。
アダプタの縁はダイヤカットされていてキラリと光ります。1980 年代のツァイス・イエナ製レンズっぽさがあって、私はけっこう好き。
レンズリリースレバーは他社のアダプタに比べるとちょっと押し心地が軽いかな。まあ撮影中にレンズが外れてしまうようなことはないでしょうが、α はグリップとマウントの間隔が狭く、人によっては指が当たりがちなので気をつけたいところ。
アダプタの側面に刻まれたローレット。もう少し細くてエッジが立っていればフォクトレンダーレンズとの相性はベストだったでしょうが、まあ十分です。
レンズを装着してみてもガタツキも特にないし、実売 3,000 円もしないアダプタとしては十分すぎるクオリティと言えます。
こちらは α7S+SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5。NOKTON だと「もうちょっと寄りたい」と思ってヘリコイドアダプタにお世話になるシーンが多いので、私はこのマウントアダプタはこちらの組み合わせで使うことのほうが多くなりそうかな。
「安価で高品質なマウントアダプタ」ということで、これからマウントアダプタ遊びを始めるビギナーはもちろんのこと、複数のボディマウントでレンズを使い回したいヘビーユーザーや「レンズにアダプタをつけっぱなしにしたい」ユーザーの複数買いにも向いていると思います。特に M42 や L39 などのスクリューマウントの場合はレンズの付け外しが面倒なので、アダプタをつけっぱなしにしてバヨネットで一発着脱できるとラク。既にひととおりマウントアダプタは持っているような人でも、サブ用にとりあえず買っておくのに良い選択肢だと言えそうです。
次回は実際の撮影を通して使用感などを試してみようと思います。
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