新橋サラリーマンランチシリーズ(←シリーズだったんか)、これがたぶん最終回。
新橋駅を汐留側に出て、ゆりかもめの向こう側に、「新橋駅前ビル」という施設があります。駅前の一等地にも関わらず昭和がそのまま動態保存されているかのような、年季の入った施設。駅の反対側にも「ニュー新橋ビル」という、これまた昭和っぽい商業ビルがありますが、そういうのが新橋らしさというものなのでしょう。
この駅前ビルには小さな飲食店が雑然と軒を連ねています。ランチタイムともなれば行列ができる名店も少なくありませんが、その中でもここは特に有名なお店でしょう。
Pont Neuf…「新橋」をフランス語に直訳するとこうなります。カタカナで書くとちょっと愛嬌があるというか間抜けというか、これまたちょっと昭和っぽい。
でもお昼時には新橋のサラリーマンが行列をなしており、この日も 11:30 過ぎに着いた時点ですでに行列。まあお客さんの回転はそれなりに早いので、多少の行列ならば並んでも問題ありません。
ガラスケースに食品サンプル。正しい昭和の洋食店のあり方。
このお店はハンバーグとナポリタンが売りのようですが、このサンプルを見る限りかなりボリュームがありそうです。パンよりもはるかに厚い肉が挟まったハンバーグサンドとか、すごく気になる。
店内も期待を裏切らない、どこか懐かしい雰囲気。カフェテラスを名乗っているのに、溢れるこの生活感。私が生まれる前からずっとここにあって、たくさんのサラリーマンにナポリタンを提供し続けてきたんでしょう。
厨房の中では、どんどんスパゲッティが茹でられています。その仕事ぶりを眺めているだけでも楽しい。
私が頼んだのは「ハンバーグスパゲッティ」。時代が変わったからといって「パスタ」と言い換えたりしない一貫性。
他のお客さんも含め、このハンバーグスパゲッティか店名を冠した「ポンヌフハンバーグ」のどちらかを注文しているようでした。ポンヌフハンバーグのほうはナポリタンの量が少ない代わりにサラダとバターロールがついてきます。そのバターロールに野菜とナポリタンを挟んでサンドイッチにして食べるのが、この店では標準らしい。
ハンバーグはけっこう大ぶり。緩めに焼かれたハンバーグに、ガッツリ濃いめのトマトソースの味が懐かしく、嬉しい。
ナポリタンのほうは「アルデンテ?何それ食い物?」とでも言いたげな、じっくり茹でられた太麺。喫茶店のナポリタンの味ってこんなだったよなあ。極東の国で、イタリアとは全く違う進化を遂げたスパゲッティ。
サービスセットを頼むとついてくるプリン。これもまた、手作り感満載でほっとする味。
それとアイスコーヒー。ゆっくりしたいところではあるけれど、店外にはまだまだ待っているお客さんがたくさんいるので、ほどほどで代わってあげないと。
こういう味、時々むしょうに食べたくなるんだよなあ。人間の帰巣本能を刺激する味なのかもしれません。
これからもこの店が長く続いていきますように。
ごちそうさまでした。
コメント
コレは行きたい!
先ずなんと言っても看板がいい!
確かに丁稚さん好みの店だと思います!
月例の馬喰町参りの帰りにでも是非!