「今、ひとつだけ分かる。俺、腹が、減ってる」
元旦放送の「真冬の旭川出張スペシャル」をもって、ドラマ『孤独のグルメ Season5』も放送終了しましたが、私の聖地巡礼はまだまだ終わりません。といっても未巡礼なのは基本的に遠方ばかり、この先旭川と台湾まで行かなきゃならないと考えると途方に暮れてしまいますが(汗、とりあえず比較的近い聖地から攻めていきます。今回は、Season5 第 1 話の舞台となった、神奈川県川崎市稲田堤を訪れました。
それにしても南武線って、縁がないなあ。年に一度乗るか乗らないか、それも溝ノ口より北に来たのなんて何年ぶりだか思い出せないくらいだ。もちろん、この駅も初めて。
駅から、けっこうすぐ近く。焼肉屋というよりも居酒屋っぽい店舗。
しかも、寿。まさに、俺におめでとうだ。
お店の前で近所のおばちゃんたちと井戸端会議をしていたこの店のおかみさんが、
「今日”は”空いてますよ」
と気さくに声をかけてくださったので、ありがたく店内へ。
ちなみに、今はまだドラマの影響で混んでいるので、基本的に一組 90 分制限で営業しているとのこと。
通されたのはゴロー席。今シーズン、運の良いことにゴロー席率高いなあ。
ドラマでは新品の焼き網が使われてましたが、実際の七輪にはこのベコベコになるまで使い込まれた網が(笑
だが、それがいい。
炭の炎が、俺の溶鉱炉に火を入れたぞ。
早く、肉をくべたい。
何はなくともまず韓流サイダー(ぉ)と、肉が出てくるまでの繋ぎに、キムチ。
歯ごたえとってもツヨシ君なキムチに、炭酸が効いてる韓流サイダー、間違いのない組み合わせ。
喉は潤った。肉の受け入れ体制、万全。
あまり奇をてらわずに直球勝負なメニューたち。
「カルビー」と伸ばされると、肉じゃなくてイモのアレを想像してしまう(笑。
さておき、俺の腹は、どう満たされたいんだ?
直球勝負に対して、いきなり変化球から仕掛けてみようか。
八王子の聖地で食べた豚足焼きのうまさが忘れられなくて、焼肉屋で豚足を見つけるとつい頼んでしまう最近の私。で、もちろん焼くわけですよ。豚足は焼いた方が断然うまい派です。
からの、正攻法のタン塩。
おおっ、分厚いなぁ~っ。ドラマで観た印象よりもさらに厚く感じる。しかもこのボリューム感が嬉しい。(注:二人前です)
うーん、いい眺めだ。
脂が浮いてまいりました。
そして焼き上がったタンを、ごま油&ごま塩でいただく!
ごまごまだ、この食べ方は初めてだ。
でも、いつもならレモンでさっぱりいただくはずのタン塩が、濃厚な感じになって、これはうまい。
ごま好きとしては、タン塩は今後この食べ方に限定したいくらいだ。
でもって、本命のガーリックハラミ。
この店の名物料理名だけあって、壁のメニューからもガーリックハラミ推しがすごい。
よし、ニンニクまみれ、いってみよう。
焼く前からニンニクとネギの匂いがすごいことになっている。
焼くことによってさらにニンニクの香りが高まってくる。
食べてみると…おおお、ただでさえ肉のうまみが凝縮されているハラミが、ニンニクとネギに後押しされて強烈なインパクト。
こっれっは、やばい。
ガーリックハラミ、ニンニクパンチ炸裂。
あっという間に飲み物が空になるわけです。
ビールを控えめにしている最近は、そろそろハイボールに移行するところだけど、ここはハイボールはやっていない様子。
じゃあ焼肉屋ならマッコリでしょう!と思ったら、
「ごめんね~、マッコリなくなっちゃってるわ~」
とドラマ同様ちょいちょいタメ口を挟んでくる店員さんの、フランクな売り切れ宣告(笑
しょうがないからレモンサワーで。サワーなんて飲んだのいつぶりだろうか。
じゃあ次は、久住さんが食べていた「牛生辛口ホルモン」を…と思ったら、これも品切れ。
代わりに「脂付ホルモン」というのを頼んでみました。
排煙を考慮していない七輪だから、こういうのを焼くと煙がすごいことに。
いい音…いい音色だ。煙が目に染みる。
スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ磐梯山。
ホルモンにありがちな皮のブヨブヨ感がまったくなく、ふわっ、とろっ、とした脂のとろける食感がたまらない。
これ、大当たりじゃないですか。
そしてこれが、サム・ギョプ・サル。
二人前で頼んだら二枚まとめてくるっと巻いて出てきたので、ドラマ以上に圧倒的な存在感。
適当に焼いていたら、店員さんが
「ダメダメ!それじゃ端のほうが焼けないから」
といって、肉を円弧状に折り曲げて網の上に配置してくれました。
確かにこれで均一に火が通るけど、器用なことするなあ…。
焼けたら、ハサミで適当な大きさに切って、肉でネギとキュウリを巻いて、いただきます。
うっほ…これ、豚うま。
肉の漬け込みがいい。脂の乗りもいい。
牛から豚に移ってきたのに、牛肉に負けてない。
一緒に食べるのが、サンチュじゃなくてネギとキュウリ、というのがまた相性抜群。
紆余曲折を経て、キュウリとネギにたどり着いたんだろう。
うまさに無言の説得力がある。
また牛に戻って、上カルビー。
厚みといい、サシの入り具合といい、むしろ特上カルビと言っていい、力強い肉だ。
闘争心がかき立てられる。
うんうん、見た目通りうまい肉だ。まるでカルビのお手本のような、正統派の焼肉。
最初からいきなりカルビ、じゃなくて、ハラミや豚三枚肉を経てきたからこそ改めて感じられる王道がある。
飲み物はレモンサワーからグレープフルーツサワーへ。
内心、「大学生かよ!」というセルフ突っ込みを入れながら(ぉ
ふと目にとまった壁のホワイトボードに「本日の限定品」の文字が!
限定 5 食、とか言われるとこれは黙っていられるわけがない。
というわけで中落ちカルビー、いってみようじゃないですか。
肋骨の間の希少部位、ということが見るからに分かる細長い肉。さっきの上カルビーとは全然別物だ。
サムギョプサルの見よう見まねで、網の上にまあるく載せていきます。
これがまた、脂がサッと溶けていった上カルビーとは違って、噛めば噛むほどうまみが出てくるような、いかにも肉って肉だ!
うおォン!俺の溶鉱炉がもっと焼かせろと囁いている。
そして極めつけに、ガーリックハラミのアンコールで〆。
やっぱりこの強烈なニンニク味は、俺の焼肉史に新たなる 1 ページを刻みつけた。
それぞれの肉にそれぞれの焼き方があり、食い方がある。
お母さん、あなたは焼肉の求道者だ。
ごちそうさまでした。
とても満足感の高い焼肉でした。
よく考えたら、ここも川崎の焼肉店だった。川崎市は広いから、ここがセメント通りや八丁畷と同じ川崎市という感覚が全然ないけど(笑。
川崎に焼肉が似合うということが、今日改めてよくわかったよ。
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