「黄色い看板に赤い文字。いいじゃないか」
今回は、ドラマ『孤独のグルメ』第 8 話に登場した川崎の焼肉店「つるや」にやってきました。ここは一人焼肉してこその店だと思ったので、独りで(笑。
ドラマのサブタイトルには「八丁畷の」とありましたが、川崎駅からも歩ける距離です。私がときどき映画を観に行くチネチッタのちょっと先、という感じ。川崎駅周辺もこの 10 年で再開発が進んでずいぶん都会になりましたが、駅からちょっと歩くとすぐに生活感あふれる街並みに切り替わります。昔、職場が川崎にあったのでこの周辺にはちょっと詳しいんですが、言われてみれば確かに川崎の周辺には焼肉店が少なくないかも。でも、このお店はドラマを観るまで知りませんでした。
まずは生ビールを大ジョッキでガツンと。最近お疲れなので、こういうのが染み渡ります。「焼き肉といったら白い飯だろうが」は井之頭五郎の至言ですが、ビールだっていいんだよ。
そしてお通しの千キャベツ。主張しすぎず、キャベツの甘みを引き立ててくれるドレッシングがよく働いていて、意外なうまさ。ビールのつまみにして良し、焼肉の箸休めにして良し。こりゃあ肉が楽しみだ。
メニュー。オーソドックスにカルビやロースで行くか、変わり種のホルモン系を試してみるか。どう攻めるか悩むなあ。
と迷っていたところに、若旦那さんが「お客様、先日もいらっしゃいましたよね?」と声をかけてきてくれました。いや、今回初めてなんですけど、以前来たことありそうないかにも肉って顔ですみません(;´Д`)ヾ。
ものすごく腰が低くて丁寧なマスターと、気さくにいろいろ話しかけてきてくれるおかみさん姉妹に「ドラマ観てきました」と告げると「最近、ようやく平日は落ち着いてきたんですけど、土日はまだ混んでるんですよー」とのこと。まあ、確かにドラマ全 12 回の中でも最大級に深夜の空腹を刺激される回でしたからね…。
私が座ったカウンター席には、おひとりさま用のコンロが。若旦那さんが網に丁寧に油を塗ってくださいました。
主役登場。まずはド定番のカルビとハラミから。カルビは定番中の定番ですが、ハラミは私はもしかしたらカルビよりも好きかもというくらい好きです。注文時に「辛くしますか?」と聞かれたので当然辛くしてもらいましたが、唐辛子が練り込まれていて見るからに辛そう。
おお、いい面構えだ。焼くぞ焼くぞ…!
あと、野菜。この野菜が後半でトラップになるわけですが…。
…この音だ。ようやく俺の食べる肉が、鳴き出したぞ。この匂い、たまらん。
辛くしたはずの肉も、それほど辛すぎず、甘口のタレと相まって食欲がモリモリ湧いてきます。
ようし、どんどん焼くぞ。一人焼肉って、なんだか忙しいな。
…はああ、シアワセだ。
生ビールがなくなったところで追っかけで白いご飯。このステンレスの茶碗(蓋つき)がいいじゃないの。アツアツのごはんの熱がステンレスを通じてダイレクトに手のひらに伝わってきて、むっちゃ熱いです(笑
やっぱり焼肉には白いご飯だよなあ。タレとの相性も申し分ない。
よし、第二弾、行くか。
これは「シビレ」。牛の胸腺とのことですが、トロッとしているのに、少し歯ごたえがあります。脂が乗っていてまったりしているのに、それでいてしつこくない(笑。これはうまい。
慌てて乗せすぎたな。焦るんじゃない、肉を無駄に焦がしちまう。
ニンニクを投入して変化をつけ、心を落ち着かせ、自分のペースを取り戻すんだ。
おおお、ニンニクを入れたらまたガツンと来るなあ。
ご飯を完食したので、改めてビールに戻るビール党です。それと、さっぱりしたかったので中盛りキャベツの小(意味不明
キャベツと一緒に食べるのも、これまたいい。永遠に肉を食べ続けられる気がする(ぉ
悪い悪い。キムチ、忘れていたよ。
次の肉が来るまで、これでビールを飲みますか。
そうこうするうちに届いたコプチャン(小腸)。
脂っぽいのと思いきや、口の中でさっと溶ける。
そしてある意味本命のジンギスカン。羊肉好きとしてはジンギスカンは是非食べたかった。ジンギスカン鍋じゃなくて焼肉の鉄板だけど!(笑
ジンギスカンのタレ(左)は、通常の焼肉のタレにニンニクと唐辛子を加えたものですが、普通のタレとはまた違った味わいが出ていて美味しいです。いかにも辛そうな色をしていますが、辛みはそれほどなく、甘辛い感じでどんどん進む味。みやび屋の唐辛子味噌みたいな味で、私好み。
そして、ジンギスカンを焼き始めたところで、タイミング良く店舗のエアコンが故障。各テーブル/カウンターで肉を焼いていることもあって、店内の気温がどんどん上昇していきます(汗。
なんだか、身体が熱くなってきたぞ。まるで俺の身体は製鉄所、胃はその溶鉱炉のようだ。
うおォン!俺はまるで人間火力発電所だ。
これは焼肉とはまた違う世界だ。こういう展開も、アリだな。ジンギスカン、いいぞ。
ただ、ジンギスカンに野菜がついてくることを忘れていました(;´Д`)ヾ。最初に頼んだ野菜と同じ内容で、とどめにこれはちょっと厳しい(汗
「ラストの 2 枚…あれが効いたな」。いかん、いくら何でも食い過ぎだ。
実は、野菜にとどめを刺されて最後は少しだけ残しちゃいました。そしたらおかみさんが「もったいないからタッパーに入れて持ち帰りますか?」と勧めてくれたので、お言葉に甘えます(^^;;
やっぱり、焼肉は工場の町川崎がよく似合う。男は、見た目とかお洒落とか取り払ったら、本質的には、工場なんじゃないだろうか。
いやあ、ここは本当に美味しかったです。だからといって、早朝ロケが基本で、朝の 6 時から焼肉をモリモリ食べていた松重豊さんにはさすがに勝てそうにありませんが(^^;;。
肉の会メンバーの皆さん、今度は是非ここで。ちなみに金~日は混むから予約を取っていないそうですが、月・水・木は予約可とのこと(火曜定休)。
ちなみにこれでようやくドラマ『孤独のグルメ』Season1 の登場店をコンプしたことになります。まさか Season2 が来月から始まるとは思っていなかったので、またすぐに巡礼しなくてはならないのは嬉しい誤算なのかどうか(笑。まあ、Season2 は八丈島ロケがあるらしいという話なので、コンプは無理そうですが。
でも、少なくとも Season1 のお店はどこも美味しく、フレンドリーな雰囲気のお店ばかりで、どのお店も楽しかったですね。私はお店を出るときには必ず「ごちそうさま」を言うようにしているのですが、さらに自然と「美味しかったです」が出てくるお店は(ただ美味しいだけのお店では)なかなかない。でも、このドラマに登場したお店はほとんどが「美味しかったです」が出てきたくなるお店ばかりで、幸せでした。
Season2 も引き続き楽しみにしていますが、今まで行ったお店にも、ときどき再訪したいですね。
■ドラマ『孤独のグルメ』聖地巡礼エントリーまとめ
第 1 話 江東区門前仲町のやきとりと焼めし
第 2 話 豊島区駒込の煮魚定食
第 3 話 豊島区池袋の汁なし担々麺 / 再訪
第 4 話 千葉県浦安市の静岡おでん
第 5 話 杉並区永福の親子丼と焼うどん
第 6 話 中野区鷺ノ宮のロースにんにく焼き
第 7 話 武蔵野市吉祥寺 喫茶店のナポリタン
第 8 話 神奈川県川崎市八丁畷の一人焼肉
第 9 話 世田谷区下北沢の広島風お好み焼 / ニックンロール
第 10 話 豊島区東長崎のしょうが焼目玉丼
第 11 話 文京区根津 飲み屋さんの特辛カレー
第 12 話 目黒区中目黒 ソーキそばとアグー豚の天然塩焼き / 再訪
コメント
孤独のグルメ、いいですよね〜
でもあのドラマに負けないくらい、
このレポートも素晴らしいですよ!
写真も綺麗だし、
ドラマの世界観を踏襲しているような気がします。
是非シーズン2のお店もお願いします!!
ありがとうございます!写真と世界観の再現にこだわってるつもりで書いてきたので、そう言っていただけるととても嬉しいです。
Season2 についても、まずは間食パートから攻め始めました(笑。
http://www.mono-log.jp/archives/2012/10/morinoen.php
引き続きよろしくお願いします。