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長野県飯田市の生ラム焼肉とホルモン

「飯田って何がうまいんだ?名物ってなんだ?」

飯田

日野のイタリアンに続いて『孤独のグルメ 2024 大晦日スペシャル』の聖地巡礼に長野県飯田市まで行ってきました。地方遠征、順番的にそろそろ長野が来るんじゃないかと思ってたけどまさかの長野でも上田でも松本でもなく飯田市!相変わらず渋いところを攻めてきます。私は隣の阿智村には昔仕事で行ったことがあったけど、飯田市は初めて。
東京からだと電車ではかなり行きにくい位置関係にあり、私は新宿から高速バスを利用しました。途中一回の休憩を挟んで片道四時間あまり、かなり腰に辛い旅ではあったけど乗り換えなしで着けるのはいいですね。車内には電源(USB-A)も Wi-Fi もあって快適でした。

トキワ劇場

飯田は粉雪がちらついてはいるものの積もってはいない(路肩に積もってた痕跡が見られる)程度。東京よりもグッと寒かったです。

お店に行く前にまずは五郎がフィルムを届けに来た映画館を訪問。五郎が行ってみたら訪ねた映写技師(演:泉谷しげる)は待ちくたびれて飲みに行ってしまった、というやつですね。駅から徒歩 15 分ほどのところにある「トキワ劇場」がその舞台でした。

トキワ劇場

トキワ劇場

入口のドアを開けたら目の前の窓口にいるおっちゃんから券を買って入る、昭和スタイルの映画館。むかーし田舎にあった映画館がこんな感じだったけど、最近はもうシネコンばっかりだもんなあ。
コンセッションなんて小洒落たものはなく「売店」、それもポップコーンは売ってるけど飲み物は「自販機で買ってください」という。グルッと回ってこの感じ、逆に味があっていいな。

トキワ劇場

館内には大晦日 SP の撮影時に書かれた松重さん、映画館スタッフ役の山田太一さんに加えて制作チームのサインまで飾られていました。もうロケ自体が大歓迎だったことが目に浮かぶようです。
展示物を眺めていたら「写真とかご自由に撮っていいですからね!」と気前よくお声がけいただきました。本当にロケ地になったことが誇らしいんだろうなあ。

トキワ劇場

このトキワ劇場では『劇映画 孤独のグルメ』は 2 月 14 日から上映予定とのこと。都内でも単館系の映画館では同様に 2/14 から上映となっているところもあり、おそらくデジタル配信に対応していない劇場への配給に時差が生じているということではないでしょうか。
孤独のグルメの聖地で劇映画 孤独のグルメを観れなかったのは残念だけど、ちょうどいい時間に上映されていた GQuuuuuuX を鑑賞しました(笑)。IMAX で二回観た後にこのいかにも昭和な映画館、もしかすると四十年前に劇場版ファーストガンダムを上映していたかもしれないハコで観るというのも乙なものです。幕間の時間には宣伝ではなくラジオがかかっている、というのも渋かった(笑

トキワ劇場

映画館への訪問が終わったらお店へと向かいます。飯田駅からはちょっと離れていて私はタクシーを利用しました。高速バスの場合、飯田駅周辺に寄らないなら一つ手前の伊賀良(いがら)停留所で降りると徒歩 10 分ほどで到着します。

焼肉 吉美

焼肉 吉美

まるで民家のような佇まい。暖簾と看板が掛かってなかったらお店とは気づかないに違いない。
激シブなのに看板キュート。かわいい女将がいるのかな。

今回は電話予約して訪問しました。18:56 伊賀良発の最終バスに間に合わせるため 17:00 の開店と同時に突入。

焼肉 吉美

劇中で女将さん(演:田中美佐子)が茶碗を持って往復していたのがこちら。
お店の隣が住居で、炊飯器はそっちにあるということでしょう。「店員さんがお店から出て何かを取りに行く」というのは孤独のグルメでは時々あるシチュエーション。いたって真面目な業務の一環のはずなのに、なんかちょっとユーモラス。

焼肉 吉美

店内、当然ながら劇中のまんま。
私は小上がりに通されました。ゴロー席は地元の人とおぼしき予約が入っていて、食べながら五郎っぽいポーズで記念写真を撮っていたのが印象的でした。

女将さんと少しお話ししたところ、放送後に遠方から食べに来る人はちらほらいるけどお客さんは変わらず常連さんが中心とのこと。それでも余所者感なく居させてもらえる感覚は劇中の雰囲気そのまんまという感じ。

焼肉 吉美

おや?このビールのポスター、撮影用にスタッフが用意したダミーじゃないですかね。ポップビールなんて実在しないはずだし、何よりフォントの垢抜けてなさが絶妙に手作り感(笑。
収録後もそのまま貼り続けてあると、まるで自分がロケ現場にいるような気分になれて楽しい。

焼肉 吉美

メニュー。カルビ系と牛タンだけちょっと高いけど、あとはびっくりするくらいリーズナブル。こんな値段で焼肉食べられちゃっていいの?

ちなみにドラマで初めて知ったのですが飯田は人口一万人あたりの焼肉店数が全国 1 位という「焼肉の街」。今から九十年ほど前、この地域でダムや発電所を建設するためにやってきた朝鮮人労働者たちが焼肉の文化を持ち込んだのが発祥だとか。もともとは牛や豚の焼肉が主流だったのが、三六災害に伴う食糧難の際に現地で飼育されていた綿羊を食用にして凌いだことから飯田で生ラム焼肉が定着した経緯だそうです。女将さんが貸してくださった飯田焼肉パンフレットの受け売りですが、まさに食文化に歴史あり、だなあ。

焼肉 吉美

さあ、注文を済ませたところで焼肉の準備だ。

焼き網じゃない、それもスリットの間隔広めの鉄板というのは珍しい。それもちゃあんと年季が入ってる見た目なのが素晴らしい。
この色、この凹み。何十年もかけて客と肉とが作り上げた鉄板絵画だ。

焼肉 吉美

別途注文しなくても最初から提供される野菜たち。これが飯田焼肉スタイルなのだろう。
複数人ならまだしも独り焼肉だと野菜の量のバランスが難しくてつい肉ばかり注文しがちだから、こうやって一人用の焼き野菜をあてがってもらえるのはありがたい。

焼肉 吉美

とりあえず生ビールを飲みながら肉の到着を待ちます。
この、鉄板が温まっていくのを眺めながら、肉に期待を膨らませながらビールを飲むこの時間のワクワク感、なんか好き。

焼肉 吉美

最初に運ばれてきたのは生ラムとホルモン(煮おた)でした。

ジンギスカン店じゃない焼肉屋でラムが用意されてるのは飯田以外だと珍しいんじゃないでしょうか。
そしてホルモンは生で出てくるほうが一般的だから、湯通ししたのを焼いて食べるのは初めて。

では、さっそく焼いていこう。

焼肉 吉美

まずは生ラムと野菜から。

この羊肉の焼ける匂い…牛や豚とは違う独特の香ばしさ。もう食べる前からうまいのがわかる。
どんどんどんどん腹が減っていくぞ。

焼肉 吉美

うん!うまい。これは期待以上だ。
ジンギスカンと似ているようでちょっと違う。何がどう違うのかうまく説明できないけど。

一切れ食べただけで、もう一皿追加したい気がしてきている。
必須メニューというだけある。飯田ラムちゃん、すごすぎるよ。

よーし、勢いがついた。一気に焼くぞ。

焼肉 吉美

ホルモンは湯通し済みだから生ホルモンのように「皮八割、脂二割」でじっくり焼き育てなくてもジャンジャン焼いてパクパク食べられるのがいい。

これはいいホルモンだ。
生ホルモンと違って少し脂が落ちてるのか、食べやすい。

ニンニク&豆板醤を追加投入した辛めのタレにこのホルモンがよく合う。今の俺にドンピシャ。
この店の煮おた、気に入った。

焼肉 吉美

本来の飯田スタイルじゃないのかもしれないけど定番の上カルビも試してみなくてはなりますまい。
これがまた…サシがたっぷり入った、柔らかくこってりとした牛カルビ。めちゃくちゃうまい。

この上カルビは箸が、咀嚼が、止まらない。うおォン!
肉をくべろ、腹を燃やせ!俺は飯田焼肉機関車だ。

焼肉 吉美

カシラはどうだ?

プリプリした弾力感がもう焼いてる途中から伝わってくる。さっきの上カルビとは対照的な、実に肉肉しい肉だ。
食べてみると、期待に違わぬ噛み応え、食べ応え。ニンニク豆板醤入りタレのパンチに負けてない。

ああ、うまい。肉のうまさに俺のおたぐりが小躍りしている。

焼肉 吉美

ここでちょっと味変。タレに唐辛子と酢を入れるのが飯田スタイルということでマネしてみました。

お~、酢でちょっとまろやかになった。どこに唐辛子が入ることで味が間延びせず、引き締まる。
今までに食べたことがない方向性の焼肉ダレだけど、この食べ方好きかも。

焼肉 吉美

ここで追撃の豚バラ。
初手からずっとそうだけど、この店の肉、全体的に盛りがいい。500 円やそこらでこれだけの肉はそうそう食べられるものじゃない。
特にこの豚バラ、東京の焼肉屋で食べたら量は半分で値段はもっと高いはず。

ようし、ガンガン行くぞ。

焼肉 吉美

この豚バラ、ちょい薄めで火の通りが良いからどんどん焼けていく。油断してると焦がしちまいそうだ。
くべる、食べる、くべる、食べる。一人焼肉ってなんだか忙しいな。

でも『孤独のグルメ』といえば豚バラ。それを自分で焼きながら思う存分食べられる満足感。
あ~、幸せだなあ。ドーパミン出まくり。

焼肉 吉美

そろそろお酒はやめて最後に白飯と共にかっ込んでいきます。
ライスは注文すると劇中同様「ご飯に梅干しつけていいですか?」の確認つき。焼肉に梅干し、こういう違和感ウェルカム。

辛いタレで食べる豚バラ生ラム、白飯に最高すぎる。
ビールもいいけど、焼肉の最後はやっぱりこれだよなあ。焼肉だけでも白飯が進むのに、梅干しに漬物、ゴボウの煮物までついてきてあっという間にご飯切れに追い込まれてしまった。

焼肉 吉美

ふぅぅぅぅぅ…大・満・足。完全にお腹いっぱいになりました。
本当は煮おたと生おたの食べ比べもしてみたかったけど、全体的に肉の盛りがよかったこともあって生おたまでは行き着けなかった。まあ今回は初めての煮おたが堪能できたことで良しとしよう。

「外は寒いから、バスの時間までゆっくりしていっていいですからね」という女将さんの心遣いが嬉しい。劇中で田中美佐子が演じていたあの温かさをそのまま感じられるいい店だった。

焼肉 吉美

店内には松重さん、田中美佐子さんと常連客役の河西健司さんのサインが飾られていました。田中美佐子さんのサインにある「柿ありがとう!!」ってどういう意味ですかね(笑。女将さんからの差し入れかな。

日本一の焼肉の街、肉だけでなく人々の温かさまで含め堪能しました。ということで、また高速バスに乗って帰りますか。
ごちそうさまでした。

『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート
ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、劇映画のパリ・巨済島・奈留島編、および原作の病...

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