「頭の中が完全に中国だ。あとはどの店にするか・・・広東、上海、北京、四川。俺の腹は・・・中国のどこに行きたいんだ?」
ということで、ドラマ『孤独のグルメ』を観てから俺の胃と頭の中が完全に行きたいと思っていた池袋の汁なし担々麺を食べに行ってきました。
池袋西口、東京芸術劇場のすぐ近くの路地裏にある中華料理店。ドラマで取り上げられなければまず縁がなかったであろう、地味な店構えです。もっと言えば、私は普段ドラマなんて観ないので原作と出会い、しかもその直後にそれがドラマ化されるという連鎖がなければ来ることはなかっただろうと思います。でも、深夜に無駄に食欲を駆り立ててくれるこのドラマにあって、担々麺好きとしてはまずこの店には来ざるを得なかった。
店内は全くドラマのとおり。まあ実際の店舗でロケをやってるから当然なんですが、内装や張り紙までほとんどいじらずに撮っているようなので、本当にそのままなのは逆に感激です。
メニューでもやっぱりオススメは汁なし担々麺。ここは、井之頭五郎と同じく汁なし担々麺と焼餃子を頼むしかないでしょう。さすがに拌三絲(バンサンスー)までは食べきれないし、担々麺と食感がかぶるので(笑)遠慮しておきました。
「焼餃子は時間かかりますよ」と言われたので、それまでは青島ビールで一息。生もあるけどこういうところでは青島でしょう。
ビールのつまみには搾菜、かと思えば、キャベツの千切りをピリ辛の油で漬け込んだようなものが出てきました。ほー、いいじゃないか。こういうのでいいんだよ、こういうので。
ビールをちびちびと飲りつつ待つこと 10 分ほど。本命の汁なし担々麺が出てきました。今までに見たどんな担々麺にも似ていない風貌。本場では担々麺といえば汁なしを指すことは知っていましたが、こういうのは初めてです。
いかにも辛そうな真っ赤なラー油の上に乗っかった純白の麺。その上に青梗菜という、むしろイタリア料理さえ思わせる鮮やかなコントラスト(ぉ。左側には炒めた挽肉、右側にはカシューナッツがこれまたガッツリ奢られていて、担々麺好きとしてはたまりません。
「よく混ぜて食べてください」という中国人店員さんのアドバイスに従い、スプーンと割り箸で混ぜます。
見栄えの美しさを崩してしまうのはもったいないと思いましたが、このとおり。なんだかこれから場末の喫茶店でナポリタンでも食べるのかという見た目になってしまいましたが(笑)、全ての味と薬味が渾然一体となったこの状態こそが、この汁なし担々麺の真の姿。
ちなみに初めての訪店なので、辛さは普通にしました。
辛そうだけど、いただきます。まあ、死にはしないだろう。
・・・ん?美味いじゃないか。
辛さはそれほどでもない。私は辛いのが好きなので、むしろもっと辛めで頼めば良かったか、と思った次の瞬間、
口の中から温度に関する感覚が一気に失われていく感じとでも言ったらいいのか!俺はとんでもないものを頼んでしまったのか。
でもなぜか箸が全然止まらないぞ。山椒でハイになっているのか・・・?
という感じで(笑)、まさにドラマで松重豊が演じるゴローちゃんの表情をしている自分がいたと思います。
実際、今までも山椒がかなり効いた黒胡麻担々麺は食べたことがありますが、それの比にならないほどの山椒の効き具合。まるでフリスクをケース一個まるごと食べた直後のように口の中の感覚が麻痺して、水分の味が変わって感じる感覚、って分かるでしょうか。唐辛子とは全く種類の異なる感覚ですが、これが何故かクセになるという。
まあ、それでも唐辛子の辛さのほうはもっと強めでも良かったかと思います。
麺はボリュームのある太麺で、汁なし担々麺でこのタイプの麺は珍しいんじゃないでしょうか(本場ではどうか知りませんが・・・)。茹ですぎてぶよぶよにふやけてしまったスパゲティのような麺ですが、コシが死んでしまっているということもなく、かなり食べ応えがあります。
担々麺をいただいている間に、餃子が焼けてきました。
・・・丸い、まん丸だ。餃子が何個あるのか分からない。
と言おうとしたら、見事に割れてるんですけど(´д`)。
まあ、これキレイに丸く焼いて出すのはかなり難しいですよね・・・。
羽根を割って裏返すとこんな感じ。皮がちょっと厚めで小ぶりの餃子に、ぎゅっと凝縮された肉汁が隠されていてこれまた美味。羽根のほうもパリパリの食感と染み込んだ旨味が絶品で、これは完全にごはんが欲しくなります。
「何もつけずに食べてみてください」と言われたので何もつけずに食べたら、確かにしっかり味がついていて美味しかったです。ドラマでやっていた「黒酢とラー油」につけて食べる、というのをその瞬間に完全に忘れて、そのまま全部何もつけずに食べてしまったという(笑。
いやあ、美味しかった。惜しむらくは、担々麺も餃子もけっこうボリュームがあって、独りではお腹がいっぱいになりすぎるというところでしょうか。これでさらに拌三絲まで平らげてしまったゴローちゃんの胃袋に完敗です。
でも次回来るチャンスがあるなら、ぜひ複数人で来ていろんな料理をシェアしながら楽しみたいですね。麻婆豆腐なんかも美味しそうなので、機会を作りたいところ。
コメント
行きたーい!
口から溢れんばかりのヨダレが分泌された!
近々みんなで行きますか!希望者が多そうなら企画しましょう。
浦安の静岡おでんにも行きたいんですが、なかなか千葉方面に行く予定がないという・・・。
浦安のお店は 3 月で閉店らしいので、CEATEC の時期にはもうないですし。悩ましいですね。
これはシリーズになるんですか?
シリーズ化、そういうのもあるのか!
とりあえず先に行かれてしまった浦安の静岡おでんには一度行きたいんですが、遠いんですよねえ・・・。
でもチャンスを見つけて聖地巡礼(笑)したいと思います!
池袋“中国家庭料理 楊 2号店 (チュウゴクカテイリョウリヤン)”
最寄:池袋
電話:03-5391-6803
住所:東京都豊島区西池袋3-25-5
定休:不定休
平日:11:30〜13:30 17:00〜22:30(LO…