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F1 イギリス GP 2023

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国歌が “God Save the Queen” から “God Save the King” へと変わって初めてのイギリス GP。今季ここまでは誰が優勝するかを予想する必要もないレースが続いていましたが、今回はマクラーレンの躍進により初めてレッドブルが少しヒヤリとするレースだったのではないでしょうか。個人的にも久しぶりに見応えのあるレースでした。

■レッドブル
結果だけ見ればフェルスタッペンの 6 連勝、チームとしては今季開幕 10 連勝、昨シーズンの最終戦から通算すると 11 連勝で 1998 年のマクラーレン・ホンダの記録に並んだレースでした。
が、決勝ではフェルスタッペンがスタートに少し失敗し、一方で好スタートを切ったランド・ノリスに交わされて序盤は 2 番手を走行。まあ 5 周で追いつき、追い越してからはいつものようにギャップをコントロールするだけのレースでしたが、今シーズン初めてフェルスタッペンが真っ向勝負で押された瞬間だったように思います。レッドブル推しの私としてもこういう瞬間がないとさすがに面白くないので、マクラーレン含むライバルチームにはもっと頑張ってほしい。

対照的にペレスはなんとまた Q1 敗退。今回はペレスの自責というよりはウェットからドライへと変わっていくコンディションの中でタイムアタックに出るタイミングが悪かったという不運ではありますが、マックスにはまず起きないこういうことが起きてしまうのが今のペレスの状況なんですよね。各チームの戦闘力が上がって入賞争いが激化する中、RB19 をもってしても下位から上がってくるのは簡単ではありません。基本的に常に 2 位につけてマックスに何かあったときに代わりに勝つ場所にいるのがペレスに求められる仕事なのに、それができていないのは何とも。こうなったら一度角田を RB19 に乗せてみない?と言いたくもなります。

■マクラーレン
今回のヒーローは完全にマクラーレンでした。クルマのアップデートが大当たりし、予選では 2-3 番グリッドを獲得。ノリスだけでなくピアストリも同様に速いことが今の MCL60 の素性の良さを物語っています。決勝ではノリスは序盤以外はマックスに敵わなかったものの後続を寄せ付けることもなく 2 位フィニッシュ。ピアストリは最終盤での SC 導入タイミングのアヤでポジションを落としてしまいましたが、それがなければデビューイヤーでの初表彰台がほぼ確実というレースをしていただけに残念でした。

それにしても開幕からしばらくはアルファタウリと最下位争いをしていたようなクルマがここまで速くなるとはね。まあメルセデス/アストン/フェラーリも含めコースとの相性次第で順位が入れ替わるくらい「レッドブルの次」争いはシビアだからずっと 2 番手争いができるかはまだ未知数ながら、この争いにマクラーレンが参戦してくれるとさらにシーズンが面白くなりそうです。

一方でフェラーリはレースごとの浮き沈みが激しく、またチームとドライバーの信頼関係がほぼ終わりかけているように(チーム無線を聞いている限りは)見えるのが不安要素。そしてアストンは相対的なポジションをジワジワと落とし続け、今やマクラーレン/メルセデス/フェラーリに後れを取っている状況なのが気がかり。ここらはもっと混戦になってほしいところです。

■ウィリアムズ
マクラーレンと同様に今回脚光を浴びたウィリアムズ。グランプリ 800 戦記念のスペシャルリバリーも印象的でしたが、それ以上にアルボンが頑張っていたし、サージェントもポイント圏外ながらいつもよりもいいポジションを走っていて、クルマがサーキットによく合っていたことが判ります。特にアルボンはフェラーリの二台を抑えて 8 位ですからね。マシンは完全に直線番長だけど、高速サーキットでしっかり結果を出してくるあたりがアルファタウリとは好対照。

■アルファタウリ
大規模アップデートを持ち込んだはずのアルファタウリ、でも結果は予選では二台とも Q1 敗退、決勝でも完走した中では最下位。完全に「アップデートはしているけどライバルの進歩の方が早い」状況で、光明が見えません。個人的には最近はどうせ勝つフェルスタッペンよりも角田がどんなレースをするかの方に注目しているので、こういうレースを見せられてしまうと悲しくなりますね。どうしたらいいんだ。

次戦はツイスティなハンガロリンクで、シルバーストンとは全くキャラクターの異なるサーキット。こういう特性のコースで上位争いがどう変動するのか、そして低速コースならばアルファタウリは戦えるのかどうか、が注目ポイントです。次こそ角田裕毅に今季 3 回目の入賞を期待していますが、簡単ではないだろうなあ…。

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