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ambie sound earcuffs インプレッション (2)

ambie sound earcuffs、その後屋外でも使ってみました。そのへんをふまえてインプレの続きを書きたいと思います。

ambie / sound earcuffs AM-01 (Stamp Orange)

ambie sound earcuffs

まずは音質。室内で聴いたときに「カマボコ型的な特性」と書きましたが、いろんな騒音の飛び交う屋外で聴くと高音と低音がマスクされて、その傾向がより際立つ印象。音楽を聴くとドラムやベースの音がスカスカで、リズミカルな曲はあまり楽しめませんね。しかし人の声の帯域は満遍なく出ているので、ラジオを聴くのにはちょうど良いと感じます。
また耳を塞がない=周囲の音がちゃんと聞こえるということは騒音もしっかり耳に入ってくるため、例えば電車が入線してくる駅のホームや車通りの多い幹線道路沿いなどでは完全に騒音が勝ってしまい、ambie から出てくる音はほぼ聞こえません。これは ambie の構造上仕方のないところでしょうが、騒音の多い場所での移動時や地下鉄・航空機など騒音から逃れられない環境には向かないイヤホンだと思います。音楽を聴くなら自宅やオフィスなどの静か(だけど誰かに話しかけられたり電話がかかってきたりする)な環境での「ながら聴き」が最も活きるかと。

ただ、現時点での音質が本格的な音楽観賞用途に向いていないからといって「ambie はクソ」と断じてしまうのは早計ではないでしょうか。音質は今後のモデルチェンジで改善の余地が十分にあるはずですし、先日も書いたとおり、個人的にはこれは音楽用途としてよりもスマホなどの情報機器との組み合わせによって化けるデバイス。後年になってから、破壊的イノベーションをもたらした技術 “[…] is a toy” の一つとして並べられてもおかしくないものだと思っています。

装着感については、やはり私の耳には合っていないようで、長時間つけていると痛みます。耳介は身体の中でも痛覚が鈍い部分なのである程度は慣れるものの、やっぱり外した後い触るとジンジンとした痛みがしばらく残る。私はちょっと常用はできないかなあ。

私の用途的には、日常の通勤や移動時はやはりカナル型イヤホンの高音質と遮音性のほうが合っていると思いますが、例えば休日に独りで写真散歩に出るときなんかは、音楽くらいないと退屈だけど自然の音や野鳥の声がシャッターチャンスを教えてくれることも少なくなく、イヤホンをするかどうかはいつも迷うんですよね。その点 ambie なら何となく音楽を鳴らしつつ環境音にも意識を向けておくことができるので、これはちょうど良い。これで装着感が私に合っていたらなあ…。

とはいえ音楽用途に限らず「聴覚に現実の音とは別レイヤーの音を重ねてくれる」という ambie のコンセプトに未来を感じることは事実です。ただフルオープンエアーが唯一の解決策というわけではなくて、例えばノイズキャンセリングイヤホンならば逆位相の音を出すためにマイクで集音しているわけで、それをうまく使えば「騒音は適度にコントロールしつつ、外界の音から必要なものだけを聴き分ける」ことが可能です(既に一部の NC ヘッドホンでそういう機能を持ったものがありますよね)。そういう技術を使えば、高音質と遮音性、装着性、音源と外界の音の適切なミックスという要件を成立させることは可能なはずです。ambie sound earcuffs はローコストとファッション性の両立のために現在のスタイルになっていると思われますが、今後別のやり方も見せてほしいところ。

まあ、その前に音質は無理しなくてもいいから、とりあえず装着性の改善と Bluetooth 対応だけでも早くお願いします。

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