キヤノン、ポップアップ式EVFになった1型コンパクト「PowerShot G5 X Mark II」 – デジカメ Watch
キヤノン、積層型CMOS搭載のポケットサイズ機「PowerShot G7 X Mark III」 – デジカメ Watch
キヤノンから PowerShot G-X シリーズの新製品二機種が発表されました。
定番 G7 X はレンズスペック据え置きのマイナーチェンジモデルという感じですが、G5 X が商品性を大きく変えてきたのには驚きました。初代 G5 X は EVF が一眼カメラ風に突出してついていたのが今回はソニー RX100 シリーズ風のポップアップ式に変更。ほとんど PowerShot G7 X シリーズの兄弟機のような佇まいになりました。私はコンパクトとは言いがたかった初代 G5 X には食指が伸びませんでしたが、このスタイルならば俄然選択肢に入ってきます。
イメージセンサはどちらも 1inch 2,010 万画素の積層型 CMOS。これは RX100 シリーズと同じデバイスを採用したのだと思われます。このセンサ性能を活かした RAW バーストモード(30 コマ/秒)や最大 120fps/FHD のハイフレームレート撮影、非クロップの 4K/HDR 撮影などのスペックも両機種で共通。てっきり EVF の有無だけで差異化しているのかと思ったら、G5 X II のほうは光学系を刷新して 24-120mm F1.8-2.8 相当のレンズになり、望遠側が少し伸びているんですね。
それにしてもこの G5X II/G7X III、スペックが似通っていて少し混乱します。直接のライバルになる RX100 シリーズも含めて比較したほうが分かりやすいと思い、個人的に重視するポイントを軸に整理してみました(実売価格は本日時点でのヨドバシ.com の税込価格)。
モデル | PowerShot G7 X III | PowerShot G5 X II | RX100 V | RX100 VI |
---|---|---|---|---|
センサ | 1inch 積層型 CMOS | 1inch 積層型 CMOS | 1inch 積層型 CMOS | 1inch 積層型 CMOS |
有効画素数 | 2,010 万 | 2,010 万 | 2,010 万 | 2,010 万 |
レンズ(35mm 判換算) | 24-100mm F1.8-2.8 | 24-120mm F1.8-2.8 | 24-70mm F1.8-2.8 | 24-200mm F2.8-4.5 |
EVF | - | ○ | ○ | ○ |
外形寸法(約) | 105×60.9×41.4mm | 110.9×60.9×46mm | 101.6×58.1×41mm | 101.6×58.1×42.8mm |
重量(約) | 304g | 340g | 272g | 301g |
実売価格 | ¥99,900 | ¥113,400 | ¥112,120 | ¥148,470 |
イメージセンサはおそらく共通、EVF もスペックが同じなので共通のデバイスが採用されている可能性が高い。機能的にも随分似通っていて、あとは絵作りとユーザビリティの好みで選ぶ感じでしょうか。こうして見ると G5X II はスペック的にも価格帯的にも RX100 V にガチンコでぶつけに来ているのが分かります。コンデジでは EVF は使わない人も少なくないので、そういう層に向けた G7X III という棲み分けですかね。
個人的には RX100 III を使っていてテレ側が 70mm じゃちょと足りない、できれば 100mm くらい欲しい…と思う場面はけっこう多く、でも RX100 VI まで行ってしまうとこれは別カテゴリのカメラという感覚もありました。そこに出てきた G5X II が望遠 120mm 相当というのが実にちょうど良い。ただし 70g(25% 以上)の重量さは持ってみるとズッシリ来そうで、そこがネックになる可能性はあります。
PowerShot G-X シリーズは機種によって商品性がバラバラでここ数年試行錯誤している印象がありましたが、結局売れるのはこっち路線だったと判断して今回ラインアップを整理してきたんでしょうね。結果的に主力どころが RX100 シリーズ風に寄ってきてしまいましたが、ある意味キヤノンらしい、競合製品をよく研究した王道の戦略だと思います。
私は RX100 III をまだまだ愛用するつもりではありますが、最近少しずつ動きが怪しくなってきている部分もあるので、買い替えに迫られた場合は G5X II も選択肢に含めることになりそうです。
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