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F1 オーストラリア GP 2025

6台リタイアの大波乱! ノリスが大荒れのレースを制す。角田裕毅は戦略大失敗で上位フィニッシュが幻に|F1オーストラリアGP決勝

2025 年の F1 がついに開幕しました。近年はバーレーンでの初戦という形が続いていましたが今年は久しぶりにオーストラリアでの開幕。やっぱり砂漠よりもアルバートパークの景色の方が F1 が始まった感があっていいですね。

そのオーストラリア GP は決勝が雨の降ったりやんだり、途中は一時路面が乾いていく時間帯もあったりで難しいレースでした。そんなレースを制したのは下馬評通りマクラーレンのランド・ノリスでした。

■マクラーレン vs フェルスタッペン

アルバートパークはパーマネントサーキットとは大きく特性が異なるからここの結果がそのまま他のサーキットに当てはまるわけではない、とはよく言われます。が、マクラーレンが予選・レースペースともに突出して速いことは間違いなさそう。そこに、マシン性能で劣るフェルスタッペンがドライバー力でどこまで迫れるか、が今シーズンの焦点となりそう。というのがこのオーストラリア GP を見てよく分かりました。
レースでは天候に翻弄されながらもマクラーレンの二台とフェルスタッペンが明らかに速く、終盤の雨でポジションシャッフルがあってもノリス P1・マックス P2 が揺るがなかったのはそれまでに築いたギャップが大きかった故でしょう。ピアストリは雨に足を取られてコースオフしたのが響き優勝争いからは脱落してしまいましたが、あわやリタイヤという状況から 9 位入賞に戻してきたのも圧倒的なマシン性能があればこそだと思います。

今シーズンはやはり去年の延長線上にあり、ノリスがチャンピオンの本命でそれをピアストリとフェルスタッペンが追っていく展開になると思われます。去年までは精神的な脆さが見えたノリスも今年は非常に落ち着いたように見え、それがチャンピオン争いの正念場に来ても保てるようなら戴冠の可能性は十分。フェルスタッペンはクルマの出来次第ではあってもほとんどのレースで表彰台に上るだけのポテンシャルはありそう。ピアストリは速さではノリスに大きく後れを取っているわけではなく、精神的な浮き沈みも少ないからチャンピオン争いに挑む資格はあるだろうけど今のノリスの安定感が半端ないからなあ。
おそらくマクラーレンはマシンの優位性があるうちはドライバーの序列を決めないでしょうが、フェルスタッペンとの争いが熾烈になってきたら夏休み前後にはランキング上位のドライバーを優先するようになると思われます。マクラーレンの二人はどちらも早期に優位性を確立したいだろうから前半戦はチーム内での接触があってもおかしくないし、フェルスタッペンはそういうときにすかさず漁夫の利を得るようにしたいところ。個人的には二対一よりも三つ巴のチャンピオン争いが見たいです。

■新人ドライバーの洗礼

今年フル参戦となる新人は(ローソンを含め)六人。その誰もがこのオーストラリア GP で何らかのコースオフやクラッシュを経験し、F1 の洗礼を受けました。ドライだったフリー走行や予選でやらかしたベアマンとアントネッリはともかく、決勝ではハジャー、ドゥーハン、ローソン、ボルトレートの四人が相次いでクラッシュ。まあ決勝はサインツやアロンソですら壁の餌食になる難しいコンディションだったから無理もない話ですが。近年の新人ドライバーはいきなり乗っても速いことが多いけど、やっぱりこういう特殊な状況だと経験の差が出ますね。
その中でも、中盤まで下位で我慢の走りをしていたアントネッリが終盤のセーフティーカーによるシャッフルで一気にポジションを上げ、チームメイトに続く 4 位でフィニッシュ。ラッキーがあったとはいえデビュー戦で 4 位入賞は「もってる」と言って良いのではないでしょうか。まあデビュー戦 2 位だけどそれがキャリアの頂点だったケビン・マグヌッセンというドライバーもいましたけどね。

■角田裕毅

プレシーズンテストの内容がイマイチで今季はザウバーとの最下位争いになるのでは…と危惧されていたレーシングブルズ、蓋を開けてみれば去年の開幕時点に近いポジションの競争力があることが分かってひと安心。予選では角田がキャリアハイとなる 5 番グリッドを獲得!これはアタックラップ中にノリスのトウをもらえたことが大きく影響したようですが、マクラーレンに「後ろのフェラーリとの間に角田を入れたい」という思惑があったとしたなら角田は他チームからそれくらいの期待をされているということになります。もし今後も上位の順位に影響を与えるジョーカーとしての役割を演じ続けることができれば、角田の将来にも良い影響をもたらすのではないでしょうか。

決勝は 5 番手スタートからルクレールにポジションを奪われて 6 位に落ちるも、変わりゆくコンディションの中で安定して順位をキープし続けました。が、終盤の雨でレースが混乱に陥った際にステイアウトを選んだことが裏目に出て大きくポジションを落とし、結果 12 位のノーポイントフィニッシュ。こういうレースで順位を決める大きな要素は運であり、今回の角田には運がなかったね…ということだとは思います。昨年のブラジル GP でウェットタイヤ投入のギャンブルに失敗した(一時は最高の戦略に見えたけど…)ことから学んだ結果としてのステイアウトだったようにも見えました。
が、あの時点の状況を冷静に見るとフェラーリとレーシングブルズ(ともにイタリアチームだ)のピットの判断が遅かったようにも感じます。こういうとき、イギリス系のトップチームであれば状況の変化に合わせていくつもの戦略を検討して最善と思われる手を素早く判断するのに対して、イタリア系チームは判断が 1~2 周遅くてその間にチャンスを逃してしまうことが多い。運以外の敗因があるとしたらそこじゃないですかね。
個人的には、角田が今回ポイントを取れなかったのは仕方がないと思っています。が、チャンピオンシップでのライバルであるウィリアムズやアストン、ザウバーがポイントを取っているのがあまりに痛い。

でも角田裕毅本人としては今回はやれることは全部やったと言えると思います。今年やるべきことは去年と変わらず、何があろうと腐らずにチームを引っ張り、チームメイトやレッドブルの遅い方に勝ち続けることだけ。そうすれば自ずと将来の展望は開けてくるでしょう。

次のレースはもう来週の上海。そしてその後さほど間を置かずに鈴鹿が来ます。角田とレーシングブルズには鈴鹿で最高の結果が残せるよう頑張ってほしい。

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