とりあえず実機を見ておこう、と思い、α700 を見るために銀座ソニービルへ行ってきました。
一見してα100 とはクラスの違うカメラだと分かります。ボディにはキットレンズである DT 16-105mm が装着されてました。実際の写りのほどはよく分かりませんが、ズーム域が比較的広くて使いやすそうなレンズです。
筐体がマグネシウム化されて全体の剛性感が高まっています。αロゴがエンブレム化されて高級感が高まったことも、全体的な作りの良さを漂わせているのかもしれません。カタログスペック以外でも、他社の中級機に引けを取らないと言えるんじゃないでしょうか。
ただ、α100 同様にコニミノ時代の延長線上にあるデザインで、「新生αらしさ」といえるアイデンティティを見いだせていないのはちょっと残念なところ。
ボディの右肩には液晶表示部がなく、DSLR の中級機としてはやや珍しい外観となっています。背面液晶に表示機能を移したからではありますが、ついこの部分の表示を確認する癖がついているとちょっと違和感があるかもしれません。その分、WB や ISO のボタンが一般的なものより大きめになっていて、操作性自体は悪くないと思います。
グリップはα100 よりもかなり厚め。握った感じでは EOS 30D よりも若干太い感じがして、私の手には少し余るような気がします。このグリップ部にもセンサが備えられていて、ファインダ下のセンサと併せてアイスタート AF が動作するようになっています。α100 ではグリップセンサがないため、ちょっとしたことでアイスタート AF が動作して鬱陶しいと感じていたので、これは嬉しい進化。ただ、他社マウントユーザーとしては慣れないアイスタート AF 自体ちょっと煩雑だとも感じます。
液晶ディスプレイは EOS 40D と同じ 3.0 型ですが、QVGA クラスの 40D に対してこちらは VGA クラスで精細感は格段に上。これでライブビュー撮影できないのが残念で仕方ない(´д`)。
ショールームで触ってみた程度では AF 性能とかは語るべくもないんですが、少なくともファインダの見えかたはさほど悪くない感じ。こだわったというシャッター音は、キヤノンのそれとは違う傾向ながら、しっかりと作りこまれた感やそこそこの高級感があって好ましいと思いました。
Planar 85mm でも覗かせてもらいましたが、やっぱり感激・゚・(つД`)・゚・。このレンズの真の性能はフルサイズセンサじゃないと発揮できないでしょうが、α700 でいいからこのレンズを使ってみたいと思わせるだけのものがあります。鏡筒の作りからして違うので、これを見てしまうと Vario-Sonnar DT 16-80mm あたりなんかはなんちゃってツァイスにしか見えなくなりますね。
30D ユーザーの視点で考えると、使い勝手は明らかに向上するけど撮れる画に劇的な違いはなさそうな 40D と比較してα700 はもののつくりの面でも遜色なさそうだし、何よりツァイスが AF で使えるという唯一無二の魅力があります。私の場合はボディよりもむしろ Planar に惹かれている部分が多いんですが(笑)、α700 自体もこれはこれで物欲を駆り立ててくれるだけの魅力はありますね。この秋冬にいろいろモノを買う予定が入っていなければ、手を出していたところです。
コメント
あれやこれや、正常進化した部分はあろうとは思いますが、
なんだか最近はそういうことに興味がなくて。
ただ、デザインにα-9を意識した感じがして、さすがソニーは
売り方を心得てるな、と思いました。欲しいと思って手にしなかった
(できなかった)唯一のカメラがα-9なので、ちょっと思いいれも
あったりなかったり。
まじめに作りすぎて、従来のソニーファン層にはやや物足りなさが
あるのかもしれませんが、カメラファンひいてはαマウントファンに
とって一番怖かったのが、ソニーさんが新しいことをしでかして
しまってαマウントを再び潰してしまうんじゃないか感だったのですね。
だからこのクラスをきちんと作ってくれたことで市場はほっと一安心。
つまり、まだ目新しいことをしてはいけないモデルだったのですね。
これが商業的に成功して、中古がたくさん市場に流れる頃になったら
もうソニーさん好きにやってくれ状態かもしれない。いや、ほんとは
そんなんじゃなくて、ただただマジメに愚直にカメラを作ることが
根底になければいけないんですけども、次はハメ外してもいいぞと
少しだけ思わせるというか、節目というか、そういう大切な時期のこの
モデルを、とってもまじめに作ってくれたので、私はちょっとソニーさん
を見直していたりするのです。カメラファンはわがままですな。