シンガポールGP決勝:ハミルトンが優勝、グロック、アロンソが続く (GPUpdate.net)
ルノーのクラッシュゲートによってすっかりミソがついてしまった感のあるシンガポール GP。個人的には、去年のアロンソの勝利はレースのアヤこそあれ実力だったと思っていますが、評議会の判決を受けて ING・Mutua Madrileña という大手スポンサー 2 社が即時撤退しています。これで仮にアロンソのフェラーリ移籍が正式発表されたら、チームは空中分解しかねない状態ですね・・・。
さておき、レース。エンジンとギヤボックスに爆弾を抱えるレッドブル、モンツァでは戦略勝ちしたものの相変わらずパリッとしないブラウンを尻目に、ハミルトンが PP。ヴェッテル、ロズベルグが続くグリッドとなりました。バトンはタイムが伸びず Q2 敗退、バリチェロは Q3 終了直前でクラッシュして赤旗中断の原因を作り、なおかつギヤボックス交換で 5 グリッドダウンペナルティという苦しい決勝スタートに。
スタートは落ち着いたもので混乱はなかったものの、ロズベルグがヴェッテルを交わして 2 位浮上。いっぽうでウェバーはアロンソとやり合った際にエスケープゾーンからかぶせてしまい、ペナルティを避けるためにグロック・アロンソを先行させる羽目に。
その後はダスティな路面状況のせいかあまり動きのない展開だったものの、ヴェッテル・ロズベルグあたりから順次初回ピットストップへ。ここでロズベルグがピットアウト時にホワイトラインをオーバーしてしまい、ドライブスルーペナルティ。そうこうするうちにスーティルとハイドフェルドがクラッシュ。ペースの上がらないアルグエルスアリに業を煮やしたスーティルが仕掛け、軽く接触してスピンしたところに後ろから来たハイドフェルドが・・・という完全な不可抗力でしたが、これで 2 年目にして早くもここシンガポールの風物詩となりつつあるセーフティカーが導入されました。
SC ラン中はドライブスルーペナルティを遂行できないため、ロズベルグは SC 終了を待ってピットレーンへ。隊列が詰まっている SC ラン直後のドライブスルーで、ほぼ手中に収めていたポディウムからほぼ最後尾へ・・・。
これでトップ争いはハミルトンとヴェッテルへ。12 位スタートだったバトンも気がつけば 7 位まで上がってきており、チャンピオンシップのためにきっちりブラウンの戦略をこなしていることが分かります。
その後は比較的落ち着いたレース展開でしたが、ヴェッテルは中盤に右バックミラーが脱落、ステーを兼ねているバーティカルフィンごと失い、空力バランスが若干崩れた状態に。しかも 2 回目のピットストップ時にピットレーン速度違反を犯してしまい、ドライブスルーペナルティ!これで実質 5 位前後までポジションを落とすことになり、チャンピオンシップ上はさらに厳しい状況に立たされることになりました。
さらに悪いことにはチームメイトのウェバーがブレーキングの度にタイヤからブレーキダストの黒煙を上げており、コーナリング時にバランスを崩してウォールに激突してリタイア。直後には兄弟チームであるトロロッソの 2 台もガレージにクルマを戻しており、マシンの状況が辛いことを伺わせます。
気がつけば 4 位ヴェッテル、5 位バトン、6 位バリチェロというオーダーになっており、苦しんでいるヴェッテルをバトンが追い詰めるか・・・という段階になってバトンのブレーキから黒煙が!ブレーキが辛いのはレッドブルだけではなかったようで、バトンは順位を上げることよりも対バリチェロのポイント差確保を優先してポジション維持へ。
最終的にハミルトンーグロック(!)ーアロンソーヴェッテルーバトンーバリチェロの順位でフィニッシュ。終盤、うまくすればポイントに手が届くかと思われた中嶋一貴は好走むなしく 9 位ノーポイント。相変わらず悔しいレースが続いていますが、鈴鹿に向けて期待はもてる内容だったかと。
ポイントランキングは残り 3 戦となってバトンーバリチェロ間が 15pt 差、バトンーヴェッテル間が 25pt 差。ウェバーが完全に選手権争いから脱落したのに加えて、ヴェッテルももう事実上手が届かなくなり、チャンピオン候補はもうブラウン GP の 2 人に絞られたといって良いでしょう。コンストラクターズポイントでも 40pt 以上の差がついたので、あとはロス・ブラウンが 2 人を純粋に競わせるかどうかだと思いますが、次戦鈴鹿でバトンがバリチェロに 5pt 差をつければ戴冠。最近パリッとしないバトンと一発の速さではバトンを凌ぐバリチェロという勢力図からしてそう簡単に決まるとも思えないですが、でも決めるときにはビシッと決めてほしいものですね。
気がつけば鈴鹿ももう来週かあ・・・テレビではしきりにチケットの宣伝をしているのでまだ空席はあるんでしょうが、悩むなあ。
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