スポンサーリンク

Calpella 正式発表

ラスベガスで開幕した CES にて、Intel の新プラットフォーム「Calpella」および関連プロセッサ製品群が正式発表されました。

Intel、32nmプロセス採用の新Coreプロセッサを発表 (PC Watch)
Nehalem系のデュアルコア「Clarkdale/Arrandale」のダイ (PC Watch:後藤弘茂のWeekly海外ニュース)

Core i7 というか Nehalem マイクロアーキテクチャ系 CPU としては 2008 年後半から Bloomfield/Lynnfield コアのものがリリースされていますが、これらはどちらかというと PC エンスージアスト向けの CPU だったので、メインストリーム向けの Core i7/i5/i3 としては今回の新 CPU 群が本命ということになります。

Core 2 シリーズとの違いとしては、

  • CPU パッケージ内にチップセットのうち GMCH が事実上統合されることによるフットプリント縮小、およびメモリアクセス/グラフィックパフォーマンスの向上
  • Hyper-Threading Technology 対応により、最大 8 スレッド(クアッドコア時)までの並列処理が可能
  • Turbo Boost Technology により、定格以上の高クロック動作が可能なモードを持っている
  • ノート PC 用プロセッサにもクアッドコア版が用意される

といったところですかね。CPU のつくりとしては 3 年続いた Core マイクロアーキテクチャ(つまり Core 2 系)から久しぶりに刷新されるプラットフォームで、性能的には従来の Core 2 シリーズより向上していることが期待されます。
が、CPU をよく見るとシリコンは Pentium D を彷彿とさせるデュアルダイ状態で、やや苦し紛れ感が漂う、過渡的なプロセッサに見えてしまうことも事実。それもそのはず、従来の Core マイクロアーキテクチャは Banias 等の電力対性能比の高い CPU を開発したことで知られる Intel のイスラエル・ハイファチームの設計なのに対して、Nehalem は Pentium 4 や Pentium D といった「性能・動作周波数至上主義」のオレゴン・ヒルズボロチームの設計。PC の進化を古くから見つめてきた立場からすると、歴史は繰り返すのか・・・と思わなくはありません。


また、今回の新 CPU のセールスポイントの一つである Turbo Boost は、Windows 環境で使う限りあまり有効活用される状況は発生しないと思われる(マルチスレッドを OS のバックグラウンドタスクやサービスで常に使用している状態のため、片方のコアを休ませる状況が発生しづらい)ので、このあたりは「Core 2 に対してそれほどクロックアップできなかったことに対する言い訳として、カタログスペック上高クロックなモードを用意した」という、Intel のマーケティング的な要求から生まれた機能なのでは?と穿った目で見てしまいたくなります。
また、CPU と GMCH を 1 パッケージにまとめたことで、システムとしての TDP は下がっていても CPU 周辺の局所的な TDP はむしろ上がってしまう可能性が高いので、例えば自作 PC なんかでは冷却システムに従来とは違ったアプローチが必要になりそうな気もします。まあオーバークロックが半ば当然になっている自作市場で、過剰なまでの高性能クーラーが出回っている現状では、既存のものでもう必要十分な気もしますが・・・。

と、なんか Nehalem に対してネガティブな内容になってしまい、これならイスラエル設計の次期 CPU「Sandy Bridge」が本命なんじゃね?という気もしてしまいますが、性能だけを考えれば Nehalem も案外悪くないと思います。使ってみるまでは実際の性能については何ともいえませんが、いくらなんでも Pentium 4/D のときのような高発熱低性能ということはないだろうし、CPU・メモリ・グラフィックが直結されるだけでも性能向上の恩恵には十分与れるはず。
とはいえ消費電力はそれなりに高そうなので、あまりモバイル PC に向いた CPU ではなさそうにも見えますが、モバイルは今となっては ULV CPU(こちらはまだ Penryn コアですが)や Atom Z(Silverthorne)という選択肢もあるので、SV/LV クラスの CPU については省電力よりもややパフォーマンス寄りの性格づけのほうが製品の選び甲斐、あるいは使い分けのし甲斐があるというもの。そりゃ Nehalem の性能で Silverthone 並みの省電力だったら最高ですが、それは現時点では非現実的なので。

個人的に、最近モチベーションが下がりまくりの自作 PC ですが、それでもそろそろリニューアルのしどきかな、と思ってまた少し情報を集め始めていたりします。CPU は、Core 2 時代以上にデュアルコアとクアッドコアの周波数のギャップが広がっていて、なおかつ HT のおかげでデュアルコアでも 4 スレッド並列処理できること、現時点での Windows はさすがに 4 スレッド以上の並列処理に最適化されたアプリがさほど多くないこと、などを考慮すると、クロック高めのデュアルコア版 Core i7 または i5(シリーズ名とコア数がひも付いてないのでこのあたりものすごく分かりづらい)が最良の選択肢かなと思います。もちろん、動画エンコードをバリバリやるような人なら、クアッドコア+CUDA あたりが最適なのは間違いないと思いますが。
うーん、でも今の Wolfdale ベースの自作機でもさほど不満はないし、Core i5 搭載で 10 万円台後半のノートに SSD 積んだだけでももう今の自作機より明らかに性能高そうなので、それで十分な気もしてきた(´д`)。

コメント

スポンサーリンク