ドイツGP決勝 フェラーリが開幕戦以来の1ー2! (GPUpdate.net)
フェラーリ チームオーダーに10万ドルの罰金 (GPUpdate.net)
ドイツ GP はフェラーリが開幕戦以来となる 1-2 フィニッシュで完勝。アロンソはこのレースの前に「まだチャンピオンシップを諦めない」というコメントを出していましたが、それが建前ではなかったことを証明した形になりました。確かにシルバーストンではセーフティカーのあやで順位を落としましたが、パフォーマンス自体は悪くなかったので、マシンのアップデートがうまくいったということでしょう。
ただ問題になったのがチームオーダー。PP のヴェッテルがスタートに失敗し、さらにアロンソを意識しすぎたことで却ってマッサ・アロンソの先行を許してしまい、ここでレースがほぼ決まってしまいました。そしてレース全般を通じてアロンソはマッサを上回るペースを見せ、終盤でマッサ担当エンジニアのロブ・スメドレイからあからさまなチームオーダーの伝達。マッサはストレートの真ん中で明らかにペースを落とし、アロンソにポジションを譲りました。
様々な批判はあるでしょうが、フェラーリの立場に立てば個人的にはこの判断は正しかったと思います。終盤はヴェッテルが力強い追い上げを見せており、アロンソがマッサに「引っかかって」いる状況が長く続けばヴェッテルに好機を与えていた可能性が高い。ポディウムの中央を確実に手に入れるためには、間違った判断ではなかったと思います。ただマッサももう少し抜かれどころを考えようよ、とは思いましたが、そこから数周あからさまにペースを落としたのも含め、抗議の意味があったのかもしれません。
チームとしては比較上明確にチャンピオンの可能性が高いアロンソを優先するのは当然の判断でしょうし、開幕戦の優勝~中国 GP での「ピットイン・オーバーテイク事件」に至って二人の格の違いが決定的になったような気もしているので、レギュレーションを考慮しなければ私は今回のフェラーリの判断は支持します。そもそもレギュレーションにしたって「どこからどこまでがチームオーダーか」の線引きもあいまい。今回のように無線のやりとりやペースダウンがあからさまでもなければ判断できないし、チームオーダーを出すか二人のドライバーに対等にレースをさせるかは各チームの方針で良い(つまり、スポーティングレギュレーションにチームオーダーに関する条項はなくて良い)んじゃないかと。まあ、チーム内で禍根を残さないように、各チームで「どういう状況でどちらを優先するか」は明確にしておくべきかと思いますが。
さておき、今シーズン後半戦に向けてマクラーレンとレッドブルのガチンコになるかと思われた勢力図に、フェラーリが 2 勝目で改めて名乗りを上げた格好になりました。サーキットとの相性もあるのでフェラーリがこの勢いを保つとは限りませんが、そうでなくては面白くない。次は 1 週間後のハンガリー GP、低速かつタイヤに厳しいサーキットなので、マクラーレンよりはフェラーリやレッドブルにアドバンテージがありそうです。いずれにしても雨さえ降らなければ PP が圧倒的有利なコースなので、予選に注目です。
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