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ブリヂストンの浜島裕英氏がフェラーリに移籍

元ブリヂストンの浜島氏がフェラーリ加入 – GPUpdate.net

新車発表時期前のオフシーズンはただでさえ F1 のニュースをチェックする頻度が下がりがちで、今季はさらにストーブリーグもメインどころは早々に決まってしまったので全然チェックしていませんでしたが、チームスタッフ絡みでこんな大きなニュースがあったとは。国内の F1 中継でもおなじみ、「ハミー」ことブリヂストンの元モータースポーツタイヤ開発本部長・浜島裕英氏がフェラーリに移籍とのことです。

浜島氏といえば F1 におけるブリヂストンの「顔」であり、数多くのドライバーやチーム関係者から高い信頼を得ていることでよく知られています。中でも BS タイヤを履いてフェラーリの黄金時代を築いたミハエル・シューマッハーとの信頼関係は有名で、2006 年にミハエルが一度引退したときにはミハエルと浜島さんのエピソードがいろいろ語られたものでした。
2007 年からの BS ワンメイク時代の印象が強く「特定のチームに肩入れしない」イメージがついていたので、まだどこかのチームに所属するというのに違和感があるのですが(笑)、BS 時代はやはりフェラーリとの蜜月が長かったので、特定のチームに移籍するならばフェラーリ(または当時フェラーリだったロス・ブラウンとシューマッハーがいるメルセデス)というのは確かに順当な気はします。


フェラーリはマシン開発の方向性として伝統的に「タイヤに熱が入りにくい」マシンになることが多く、特に昨シーズンはピレリタイヤとのマッチングに苦労しました。そのあたりを浜島さんのノウハウでカバーしていきたいというのが狙いでしょう。ただ、今年は例年になくアグレッシブな開発を行ったマシンになるとのことでどんな特性のクルマが出来上がっているかまだ分からないこと、そして今年のマシンは基本的な部分の開発がほぼ仕上がってしまった段階だと思われることから、今季の開発に関して浜島さんの知見がどの程度活かされるかは未知数です。とはいえ少なくともレースでのセットアップにおいては、十分にそのノウハウが活かされるでしょうが。

あまり知られていませんが、F1 の世界では小林可夢偉以外にも多くの日本人が第一線で活躍しています。それなりに名の知れている人だけでも、マクラーレンの今井弘氏(タイヤエンジニア。ブリヂストンから移籍)、ルノーの徳永直紀氏(副テクニカルディレクター。いわば技術部門の No.2)・小松礼雄氏(昨年のペトロフ担当レースエンジニア)、フォースインディアの羽下晃生氏(マシン開発プロジェクトリーダー)・松崎淳氏(タイヤエンジニア。ブリヂストンから移籍)など、トップチームの要職に就いている人がたくさんいます。他にもホンダ、トヨタ、スーパーアグリ、ブリヂストンの撤退後に個人として他のチームに移籍して活躍しているエンジニアがまだまだいると思われます。今まではあまり国内で注目されることはありませんでしたが、浜島さんほどの有名人が活躍することで、そういった他の日本人エンジニアたちにも光が当たってくれることを願います。
実は他にも部品レベルで日本の製品や技術が F1 に使われているものって少なくないんですよね。ホイール(ENKEI、BBS(ドイツ企業だけど F1 用ホイールの製造は日本)、RAYS)、ブレーキ(曙)、スパークプラグ(NGK)、無線(ケンウッド)、ヘルメット(アライ)、マシンのモノコックやボディに使われるカーボン素材(東レ)、など多くのチームで採用されており、日本メーカーの製品がなければ F1 は走れないと言っても過言ではないでしょう。ホンダ時代の流れか、特にトップチームであるマクラーレンで日本製パーツの採用が多いのも特筆モノだと思います。

個人的にはホンダとスーパーアグリが撤退してから特定チームを贔屓にすることはなくなり、F1 は純粋にスポーツとして楽しむようになりましたが、逆に日本メーカー系のチームが存在しない今だからこそ、こういった日本人エンジニアや日本のサプライヤーを応援したいですね。

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