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MG バンシィ

スカイダイビングさながら、四肢をいっぱいに開いたモビルスーツが急速に降下してくる。まだ朝の鮮烈さを保った太陽がその直線的なフォルムを照らし、額から突き出す黄金色の一本角をきらりと光らせる。その機体は黒かった。陽光を浴びて凶暴に照り輝きながら、すべてを吸収する暗黒の色――。

MG 1/100 RX-0 ユニコーンガンダム 2 号機 バンシィ

UC5 の公開前には仕上げておきたいと思っていたキットを、GW を利用して完成させました。UC5 のサブタイトルにもなり、劇中でのキーとなる MS、ユニコーンガンダム 2 号機《バンシィ》です。MG ユニコーンガンダム Ver.Ka が出たときから、これの派生キットとして MG バンシィは出るんだろうなと予想はしていましたが、まさかそれから 3 年以上経って映像化のタイミングまで待たなくてはならないとはさすがに思っていませんでした。我々は三年待っt(ry

バンシィ(Banshee)と言えば、死を予告する妖精として伝承されていて、FFXI でも種族装備集めの際にグスゲン鉱山で苦しめられたアンデッドモンスターとして出てきたり、懐かしいところでは 1998 年頃に 3Dfx から発売されていた Voodoo Banshee というビデオカードがコストパフォーマンス抜群で・・・とかどうでもいいことばかり連想してしまうわけですが(ぉ)、少なくとも不吉な存在として扱われることが多い精霊。ガンダム UC の中では「可能性の獣」であるユニコーンと対になる存在として、「可能性を喰らう黒き獅子」として描かれています。

バンシィが両腕に装備している異形の武器は「アームド・アーマー」と呼ばれ、バンシィ専用の装備として開発試験中のもの、という設定。右腕はサイコフレームによる予測照準を可能にしたメガ粒子砲、左腕は超振動によりあらゆるものを粉砕するクロー、というとんでもない武器ですが、これアニメ版のオリジナル設定なんですよね。原作(小説)ではユニコーンと同型装備ですが、単にガンダム Mk-II 的な「黒いガンダム」ではなく、「暴走すると何をするか分からない、強化人間が駆るガンダム」というサイコガンダム的な怖さをこの追加装備でうまく表現していて、感心させられました。

後ろから見たところ。このアングルだとほぼユニコーンと変わらないはずですが、カラーリングが違うだけでずいぶん違ったものに見えます。印象の変わり方はガンダム Mk-II の白と黒以上じゃないでしょうか。

ちなみに以前作った MG ユニコーンと比べると、あちらは Ver.Ka なのであり得ないくらい大量のマーキングシールがついていたのに対して、こちらは通常の MG 並みの量しかないのと、マーキングのフォントが違うのでこれまたイメージがかなり変わっています。プレミアムバンダイで限定発売された MG 小説版バンシィ最終決戦仕様なら同じイメージのスライドマークが付属したようですが、サイコフレームはグリーンじゃなくてゴールドがよかったので(´д`)。

アームド・アーマーを除くと本体は基本的にユニコーンと同じ。ユニコーンガンダムの象徴である「角割れ」のブレードアンテナのデザインが、バンシィでは獅子のたてがみを彷彿とさせる複雑な形状に変わっているのが最大の特徴ですが、アニメ版ではさらに金色の襟飾りが施されて、顔周り全体で獅子のたてがみを連想させるようなデザインになっています。


そしてデストロイモード。自分で組んでおいてナンですが、これはカッコエエ・・・!ユニコーンの白い装甲から漏れる赤い光もなかなか禍々しくて良かったですが、やはり黒い装甲から覗くサイコフレームのほうが映えますね。
ただ、バンシィのサイコフレームの光は「黄金」のイメージなので、素材はもう少し黄色みが強いほうが合っていたと思いますが、後述する理由により技術的にこれしかほぼ無理だったのだろうと思います。

アームド・アーマーの展開状態。イイネー、禍々しくてイイネー(ぉ

ところで撮影時にちょっと照明を当てすぎて胸元とアンテナのゴールド部分がちょっと飛んでしまいました(´д`)。黒いボディにしっかり光を当てつつ、明るい部分を飛ばさないように撮るのってなかなか難しい・・・。

アームド・アーマー VN のクローには多数の関節が仕込まれていて、自由度が高いため、いろんな表情がつけられます。アクションポーズを凝った写真をいろいろ撮りたくなりますが、そこは MG ユニコーンガンダム Ver.Ka ベースのキットなので、本体側の可動にやや難ありなのが悩ましいところ。

デストロイモードの背面。こっち側から見ても、サイコフレームの差し色がアクセントになっていてカッコイイですね。

なお、仕上げはいつも通り素組みにつや消しトップコートのみ(コンパウンドがけと部分塗装くらいはやっていますが)。トップコートはパーツごとではなくある程度組んだ状態で部位ごとにかけているんですが、このキットはサイコフレームがつや消しになってしまっては台無しなので、マスキング作業がけっこう手間でしたね・・・。

ということで、部分塗装とディテールアップのお話。最近のガンプラは MG や RG であればキットそのものの出来が本当にいいので、私のような素人モデラーであればほとんど手間をかけてやる必要を感じないのですが(さすがに切ったり貼ったりするほどの情熱はない)、この MG バンシィは一手間かけるだけでグッと見栄えが良くなります。

まずは襟飾りをはじめとしたゴールド仕様のはずのパーツですが、キットでは成型色がゴールドというよりはメタリックオレンジとでもいう色味で、とてもオモチャっぽい印象です。せっかくいいキットなのに、これはもったいない。

そこで、塗料(私が買ったのは GSI クレオスの水性ホビーカラー・ゴールド)を買ってきて塗装しました。エアブラシを持っていないので筆塗りですが、バンシィは面が多いデザインなので塗りムラもほとんど気にならず、満足いく仕上がりになりました。ブレードアンテナとユニコーンモード時のフェイスマスク、あと腰や脹脛のダクトなんかも同じように露出部分を塗ってやりました。
プレミアムバンダイの小説版キットならゴールドメッキパーツが奢られていたので、こんな手間は必要なかったんでしょうけどね。

もうひとつのディテールアップネタ。MG バンシィに使われているサイコフレームの素材は透過性のあるものなので、ベースが白いユニコーンは問題なかったんですが、黒いバンシィでは地の黒が透けて見えてしまってせっかくの「サイコフレームの発光現象」が再現しきれていません。これを何とかしてやろうという話ですが、

いろいろ考えた結果、サイコフレームの裏側にラピーテープを貼ってみました。上の写真の左半分がラピーテープなし、右半分がラピーテープありの状態です。明らかにサイコフレームの発色が良くなって、装甲とのコントラストが向上しました。
要はサイコフレームの下地を明色で立ち上げてやることで光を多く反射できるようにすればいい、ということです。最初は裏面をホワイトかシルバーで塗ってやることも考えましたが、結局ラピーテープが一番反射率が高い。ラピーテープはジオン系 MS のモノアイを H アイズ化する際の定番の改造手法ですが、このキットにも有効でした。問題はラピーテープに伸縮性がほとんどないため、複雑な形状のフレーム裏にキレイに貼り込むのが難しかったことでしょうか。まあ、多少乱反射したほうが雰囲気も出ると思い、部位によってはそれほどピッチリ合わせることにはこだわりませんでした。

腕で比べるとこんな感じ。乱反射しているほうが「正体不明の発光」感が出ていてイイ感じじゃないですか?(自画自賛

ちなみにこのサイコフレームの素材ですが、私の推測が正しければ「ルモゲン」という色素が使われているはずです。この色素を使った素材は「集光材」とも言われていて、素材の表面(表面積の大きい面)で光を吸収して、端面(表面積の小さい面)から光を濃密化して放出するという特性を持っているので、実はこのキットのように表面積の大きい方を使って発光させるようなものには向いていなかったりします。その証拠に面ではあまり発光しておらず、裏側に組立用のリブやピン、ボス(ピンの受け)があるところのほうが強く発光しているでしょう?なので、このラピーテープカスタマイズのように素材の色そのものを立たせてやるのがいいと思います。理想は裏面にだけ銀メッキができるのが良いんですけどね(笑。

ついでにいうと、この集光材という素材はあまり色の選択肢が多くなく、その中から最もバンシィに近い色がオレンジだった、というのが、おそらくこのサイコフレームがゴールドではなくオレンジで再現されている理由だと思います。

さて、この集光材ですが、光の中でも特に紫外線に反応する性質を持っています。なので、ブラックライトを当ててやると、

このとおり!暗闇にサイコフレームがギラッと浮かび上がってきて、さらに映えます。

下から呷ってやると瞳孔が見えなくなってさらに禍々しい感じに(笑。ブラックライトが紫色なのもさらに雰囲気を出していて、自分がニュータイプだったら間違いなく「狩られる!」と恐怖することでしょう・・・。

このブラックライトですが、まともなものを買おうとするとけっこう高いので、種明かしをしてしまうと「マジックライトペン」というものをダイソーの文具売り場で買ってきました(笑)。ブラックライトに反応するインクを充填したペンと、キャップの先端にブラックライトが仕込まれたもので、¥105/本。小さなライトなので 1 本だと MG サイズを全身照らせないかと思って 2 本買ってきました。小ネタとして意外と使えるグッズなので、1 本持っておいて損はないかもしれません(^^;;

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コメント

  1. 山崎 より:

    始めまして!突然のコメント失礼致します。
    バンシイの作例に感銘を受けました。丁度今、このバンシイを作ろうと色々準備しているのですが、サイコフレームが悩みの種でしたが、まさかのラピーテープ!わたしもやってみようと思います(^-^)/
    ちなみにその他は塗装なしですか?フラットクリアは吹いていますよね? もし良ければ製作の仕様を教えて頂けますか?参考にさせていただければ幸いです。。

  2. B より:

    コメントありがとうございます!そう言っていただけると励みになります。
    ラピーテープはモノアイの H アイズ化用に買ったけどそんなに大量に使うものでもなく余り気味だったので、思い切って使ってみたらいい感じになりました。

    私は基本的に素組み(ヒケのみメラミンスポンジ→コンパウンドで処理)+スミ入れ+水性つや消しトップコートだけで組んでいます。塗装に自信がないのが理由ですが(笑、最近のキットは出来が良いのでこれでも十分見栄えがします。
    強いて言えば、エントリーに書いたとおりゴールドパーツの部分塗装をしたのに加えて、サイコフレームパーツの一部(アームドアーマーの間接部など)で外側から見えると格好悪い箇所だけ、黒で部分塗装(マーカーでちょちょっとタッチした程度ですが)したことくらいでしょうか。

    部品点数が多くて大変ですが、そのぶん組み甲斐のある楽しいキットだと思いますよ。完成したら教えてください!

  3. 山崎 より:

    回答有難御座います。早速ラピーテープ貼りに奮闘中です。手間と時間はかかりそうですが、こつこつやっていきます。この方法なら変形も躊躇無く出来そうですしね!
    ただ、アドバイスどおりラピーテープに伸縮性が無いのが厄介なので、本当に貼りこむのには根気が要りますね(笑)あとは露出する部位が多く、貼れない部分もあるので、そこはガンダムマーカーのゴールドを見えない部分から少しだけ塗る方法を取ろうと思います。こつこつ気長に進めるので恐らく時間はかかると思いますが、出来上がったらまたコメントさせていただきますね!

  4. B より:

    おお、がんばってください!

    ラピーテープが貼れない部分にゴールド…いい考えですね。
    私もその後、他の人がどうやっているか気になったので調べてみたんですが、
    裏側から蛍光イエローを塗っている人もいるようで、なるほどと思いました。

    完成楽しみにしています!

  5. La+ より:

    たしか右腕のアームドアーマーがBS(ビームスマートガン)ひだりうでのアームドアーマーがVN(ヴァイブレーションネイル)でしたね ヴァイブレーションネイルはep5ですごいうごきをしていましたが・・・・

  6. B より:

    私はいつもはこういうアニメ版オリジナル設定みたいなものにがっかりさせられることが多いんですが、このアームド・アーマーはいいですね。ただ、劇中の動きは MG でも再現することができません(笑)あれはすごい動きでした・・・。

  7. ZWEI より:

    どうも、始めましてZWEIと申します。
    私も同じくMGバンシィを持っているですが、まだ未開封のままです(^^;)
    いろんなブログのMGバンレビューを見て回っているのですが、何か不満な箇所などありましたか?
    例えば、デストロイモードへの移行の際、パーツがポロリする、スタンドにはめるためのパーツが外れやすいなどです
    他のレビューサイトではそのような点がある人も居たためどうしても気になりまして;

  8. B より:

    はじめまして、コメントありがとうございます。

    不満点といえば、キットのバランス的に素立ち以外のポーズが決めにくいことと、デストロイモードへの変身時に各パーツがロックされないので動かしているうちに戻りやすい(特に膝と腰、股間あたり)点でしょうか。
    パーツのポロリは基本同じランナーを使ってるユニコーン Ver.Ka では側頭部や踵あたりがよく取れて困りましたが、改善されたのか?バンシィでは今のところないですね。ただ、個体差や組み立て上での問題もあるとは思うので、あくまで参考程度ですが。

  9. 銀☆星 より:

    はじめまして、お邪魔します。

    だいぶ前からガンプラから遠のいていたのですが、こちらの記事に感化されHGならお手軽かなと思いユニコーン、シナンジュに手を出したのですが、更にガンプラ熱が再発しMGフルアーマー、シナンジュ、バンシィ(小説版)、バンシィ(アニメ版)を購入してしまいました。w
    早速バンシィを素組み、トップコートで組立て、サイコフレームはこちらを参考にしてラピーテープを真似させて頂きました。光の入った時の反射がイイ感じですね。次は小説版を気合いを入れて改修、全塗装でがんばり
    す。(面だしだけで心が折れそうですが…

  10. B より:

    はじめまして、コメントありがとうございます!
    私のエントリーを読んで組んでいただけたとは、とても嬉しいです。
    それにしても HG から始めていきなりユニコーン系 3 体+シナンジュはすごい(笑

    小説版、完成されたらぜひ写真を見せてください!

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