シグマ、キヤノンRFマウント用レンズの発売を告知 2024年中に5本を予定 – デジカメ Watch
タムロンが「キヤノンRF用レンズ」市場に参入 – デジカメ Watch
シグマとタムロンがキヤノン RF マウント用レンズの発売を発表しました。
シグマは少し前から山木社長が RF マウントレンズの商品化に含みを持たせた発言をしていたので水面下でキヤノンと交渉中なんだろうなと思っていました。それがまさかタムロンと当日発表とはね。
EF マウント時代のサードパーティー製レンズは各メーカーがマウント規格をリバースエンジニアリングして開発していたと言われています。が、ミラーレス時代のレンズマウントは AF だけでなくボディ内収差補正や手ブレ補正(ボディとの協調動作)、フォーカスブリージング補正など動画撮影機能向けの機能、など複雑なデータ転送を伴うからリバースエンジニアリングは困難。それが、このたびキヤノンが正式にサードパーティー向けにマウント規格のライセンスを解禁したことで互換レンズの開発が可能になったというわけです。しかしまあ情報解禁日まで揃えてくるということにキヤノン側の戦略的意図を感じます。
現時点で発売が予告されているのはシグマが 10-18mm/18-50mm F2.8 DC DN と 16mm/23mm/30mm/56mm F1.4 DC DN の 6 本、タムロンが 11-20mm F2.8 のみ。シグマの単焦点は 35mm 判換算すると 24/35/45/85mm F1.4 相当になるわけで単焦点のド定番レンズばかりですね。シグマの貪欲さに比べると 1 本だけのタムロンは消極的に見えますが、そもそものレンズラインアップ数の違いや RF マウントにかけてきた準備期間の違いもあるのでしょう。
両社ともに発売を予定しているのは APS-C フォーマットのみ、ということでキヤノンとのライセンス契約が APS-C に限定されていると推測されます。キヤノンとしては手薄な RF-S レンズラインアップをサードパーティーに補完してもらって安価な APS-C ボディで数量シェアを稼ぎつつ、自社では高単価なフルサイズ RF レンズを充実させたい狙いでしょう。サードパーティー的にはフルサイズ用レンズも早く出したいけどまずは APS-C 限定でもいいから RF 互換レンズの足がかりを作りたかったはず。その点で両者の利害が一致したものと思われます。
個人的には、RF マウントの「ボディ側とレンズ側のマウントが露出する金属によって結合する意匠」が好きだったから、その思想から外れるサードパーティー製レンズは見た目的にはイマイチ。でも今までは EOS R10 や R50 からレンズ交換式カメラを始めた人がキット以外の交換レンズに手を出したくても高価なフルサイズ用レンズしかない(まあ RF50mm F1.8 は撒き餌と言える値段だけど)のがネックだったわけで、そういうユーザーには今度発売されるシグマの RF マウントレンズ群はちょうど良い選択肢となりそうです。それと 10-18/18-50mm F2.8 もキットレンズからのステップアップにはちょうど良いんだよなあ。私もたまに重い機材に疲れて α6×00 にシグマの 10-18/18-50 をつけたら楽ができそうだなあ…と妄想するくらいですから。
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