イタリアGP決勝 ハミルトンが優勝、バトン、ヴェッテルがリタイア – GPUpdate.net
ヨーロッパラウンドの最終戦、イタリアはモンツァ。スパでの勢いそのままにこの高速サーキットもマクラーレンが席巻、途中まで 1-2 フィニッシュの流れでしたが…バトン車に何の前触れもなくオルタネータートラブルが発生してリタイア。その少し後にヴェッテルの RB8 もほとんど同じような症状が出てストップし、ウェバーも単独スピンの後にスローダウンしてそのままガレージに戻ってしまいました。結果、ハミルトンは最後まで危なげなく走りきって優勝、ポイントリーダーのアロンソも予選 10 位からの「いかにもアロンソらしい」追い上げを見せて 3 位表彰台。序盤は半ばパレード走行で退屈なレースになるかと思われましたが、中盤以降は抜きつ抜かれつ、トラブルもありの非常に見応えのあるレース展開となりました。
チャンピオンシップはアロンソが 179pt でトップ、以下ハミルトン(142pt)、ライコネン(141pt)、ヴェッテル(140pt)、ウェバー(132pt)と続いていますが、せっかくベルギーで巻き返したはずのバトンが今回のノーポイントでチャンピオン争いからほぼ脱落と言って良い状況となり、そろそろ候補者が絞られてきた感があります。47pt 差となるとウェバーも現実的には苦しいでしょうし、現時点でのマシンの戦闘力を考えるとヴェッテルの三冠にも黄信号が点っていると言えそうです。事実上はここまで 3 勝しているアロンソとハミルトンの一騎打ち、もし得意の鈴鹿で復帰後初優勝を飾りでもすれば伏兵ライコネンがチャンピオンシップに名乗りを上げる、という展開でしょうか。ベルギーでのアロンソとハミルトンのもらい事故によって半分リセットされたかに思えたチャンピオンシップですが、今回で一気に絞られてきましたね。
で、そんなことよりもザウバーですよ。スパとは打って変わって 2 台ともセットアップが決まらない中、可夢偉がなんとかがんばって Q3 進出を果たし、他車のペナルティもあって 8 番手スタート。ペレスは 12 番手スタートで、どちらもペース的に決勝でも厳しそうだなあ…と思いきや、ハードタイヤでスタートしたペレスのペースが素晴らしく良い。ファーストスティントを長く引っ張れるくらいにタイヤを保たせて、最後はミディアムタイヤに交換してスプリント。マッサとアロンソを相次いでぶち抜く豪快なレース運びで、今季なんと 3 度目の表彰台獲得ですよ。
いっぽう、予選をがんばった可夢偉は決勝はミディアムスタート、しかも予選重視のセットアップが裏目に出て決勝ではペースが伸びず、後ろを抑えるのがやっと。何とか 9 位入賞を得たとはいえ、これはバトン・ヴェッテル・ウェバーが相次いでリタイアしたことによる望外の結果に過ぎません。セットアップや戦略の違い、予選結果による決勝タイヤ選択の違いなど理由はあるとはいえ、ペレスがアロンソを交わした映像の直後に可夢偉がディ・レスタに抜かれていくというのは、とても見ていられませんでした。チームは表向きには「カムイは運がなかっただけ、両ドライバーの実力に差はない」とはコメントしていますが、もうザウバー内でのドライバーの優先順位は決定的なものになったと言えるでしょう。かたや資金を持ち込んで表彰台 3 回、対して資金持ち込みなしで表彰台なし…となると、ザウバーの C. ピックとの交渉話もかなり現実味を帯びたものと考えざるを得ません。残留のためには、可夢偉は最低でも表彰台は必要とされているのではないでしょうか。
最後の日本人ドライバーとして、私は最後まで可夢偉を応援し続けますが、こうもペレスとの「持ってるものの差」をまざまざと見せつけられると、暗澹たる気持ちにもなってきます。可夢偉にはせめて、鈴鹿で結果を出してほしい。
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