『ロード・オブ・ザ・リング』三部作から 10 年経って、指輪の仲間の旅よりも昔、ビルボ・バギンズが旅をしたときの物語が映画化。それも三部作と同じくピーター・ジャクソンが監督、ということで、楽しみにしていました。ただ、今回も 3 時間コースの長丁場ということで(汗)、ちゃんと時間を取って気合いを入れて鑑賞(笑。
私は原作を読んでいないので特にストーリーは知らなかったのですが、今回も三部作の序編ということで、キャラクター紹介的なところから始まります。新キャラも多く…特に旅をともにするドワーフの人数が多く、顔と名前が一致するまではなかなか旧三部作(作中の時間軸としては後ですが)ほどには入り込めない印象でしたが、旧作の登場人物が出てくるとぐっと親近感が湧きますね。そして、今回もやっぱりアラゴルン・レゴラス・ギムリ的な位置づけのキャラはいるんだなと(笑。
LOTR のときから、このシリーズは基本的に映像が暗く、いつどこからどんな敵が襲ってくるか分からないお化け屋敷的な映画なので、そういう意味ではかなりハラハラドキドキしながら鑑賞しました。3 時間という長丁場でしたが、長くて疲れはしたものの飽きるようなところはなかったですね。特に最後の 1 時間を切ったところで物語の核心に迫り始めるので、飽きている暇がなかったというか。あとはやっぱりニュージーランドロケの壮大な映像は今作も健在、どころか 3D 化でさらに臨場感が増していて、引き込まれました。
で、その 3D。今回も川崎の IMAX で観ようかな、と思っていたところ、本作は「HFR 3D」で上映されるというじゃないですか。
『ホビット 思いがけない冒険』最新の3D技術【HFR3D】上映決定!|映画館・シネコンの【ムービックス-MOVIX】
最近ではテレビ製品での 3D の話題もすっかり下火で、あまり 3D の技術動向をチェックしていなかったんですが、「HFR 3D」って初めて聞く単語。「ハイ・フレーム・レート 3D」の略で、通常なら秒間 24 コマで撮影/再生するところを倍の 48 コマで撮影/再生することで、より肉眼で見るのに近い映像を楽しめる、というものだとか。まあフレームレートを上げれば動きが滑らかになってリアリティが増すのは当然ですが、60p じゃなくて 48p なのが映画ならでは、といったところでしょうか。
劇場で配布された 3D メガネはこんなものでした。
フレームの前面に受光部があって、ボタン電池で駆動するフレームシーケンシャル方式用の 3D メガネ。側面を見ると…、
「XpanD」のロゴが。そう、『AVATAR』で初めて 3D 映画を視聴したときにうんざりして、もう二度と利用するか!と思っていた XpanD 方式の 3D メガネでした。これを受け取ったときに一瞬げぇ、と思いましたが、メガネをかけてみると以前のものに比べてずいぶん明るいし、変な色かぶりも少ないし、軽くなっているし、まるっきり印象が違う。まあ、同じフレームシーケンシャル方式を使う各社の 3DTV 用のメガネの現在のレベルを考えるとこれくらいは不思議ではないんですが、ちゃんと機材が更新されていることに驚きました。
実際の映像も、それほど暗くないし色味もおかしくなく、(同じ作品で見比べたわけではないので厳密ではありませんが)これなら RealD 系と遜色ないクオリティと快適さと言っていいんじゃない?という感想です。この映画自体が暗所のシーンが多く、本来なら明るいはずのところが暗くて不快に感じるというシーンがほぼなかったことに救われている可能性はありますが。
あえて不満を言うとすると、映画の作りとして(3D の効果でインパクトを狙っているのか)序盤に妙にカメラを振るシーンが多く、ちょっと疲れてしまったことでしょうか。中盤からは LOTR らしいカメラワークに戻って、サラウンドを絡めた巧妙な立体映像が楽しめましたが…。
もし他の XpanD 系の劇場もこの設備に入れ替えられているようなら、今後は XpanD をそれほど避けなくてもいいかな、と思います。まあ、当初 XpanD だった劇場の多くは既に RealD なり MasterImage 3D なりに入れ替え済みのようですが。
ちなみに、HFR 3D 自体に関する技術的な情報が少なく、劇場に行くまでは HFR 3D には専用の設備じゃないとダメなのかと思っていたのですが、どうやら IMAX でも HFR 3D 上映をやっているようで。まあ、確かにフレームレートを倍にするのが HFR 3D の要点ならば、プロジェクタが 48p にさえ対応していればいいわけで、XpanD でなくてはならないことはありませんね…。
ここは IMAX 3D あたりと比較鑑賞してみたいところではありますが、さすがに 3 時間の映画を見比べるモチベーションはないなあ(´д`)。この際、3 年ぶりにやってみませんか?>某氏(ぉ
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