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星を追う子ども

星を追う子ども

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なんとなく手に取ってみました。

新海誠作品は去年『秒速 5 センチメートル』を無料配信で観て以来。『秒速~』は残念ながら私の心にはあまり刺さらない作品でしたが、他のならどうか、と思って手に取った次第。

ざっくり解説すると「ラピュタともののけ姫とナウシカを足して 5 で割ったような作品」とでも言えば良いんですかね。ジブリ映画で見覚えのあるような映像がたくさん出てくる、どこかで見たような話でした。この「ジブリっぽさ」はあえて狙ってやっているものなんでしょうが、映像の美しさは確かに新海誠ワールドではあるものの、やっていること自体はオマージュどころか二次創作の域を出ていないなあ…というのが率直な感想。
ストーリーに関しても、行動に終始一貫性があるのは森崎の「死んだ妻を甦らせたい」という思いだけで、主人公であるはずの明日菜にも、対役であるところのシンにも個々の行動に対する動機がどうも乏しく、脚本に都合良く動かされてるだけだなあ…という印象。最近では細田守作品のヒロインにも似たような批評をよく見かけますが、それ以上に「なんでそこで状況に流されるのか」と突っ込みたくなるような行動が多く、どうにも最後まで感情移入できませんでした。ボーイミーツガールものならばそれらしく、一目惚れで命かけるくらいのことはやってくれよ!と思います。森崎について行くなら森崎との関係を深掘りすべきだし、シンへの恋心を描くならばそういう流れがあるべきなのに、どっちもないから物語に置き去りにされている感覚でした。

ストーリー自体は神話に着想を得ているので、女子中学生受けが良さそうだなとは思ったし、ジブリを知らなかったらもっと面白いと思えたのかもしれません。でも新海誠という監督はやっぱり私には合わないかなあ。映像はとても美しいので、別の人が脚本を書けばもっと素晴らしい作品が作れるような気もしますが…。

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