中国GP決勝 激戦を制してアロンソが優勝、2位ライコネン – GPUpdate.net
3 週間空けての第 3 戦、中国 GP。今年は去年よりも持たなくなったと言われるタイヤ戦略がキモなのは間違いありませんが、各チームともに予選から既にタイヤセーブモード。どのセッションも途中までなかなかクルマが走り出さず、なんとも寂しい土曜日でした。ほとんどのチームがワンアタックでタイムを出す中、Q3 に至っては 8 位バトン、9 位ヴェッテル、10 位ヒュルケンゲルグがまともなアタックさえせずにタイヤ温存策に出る始末。FIA はレースを面白くするために 2 種類のタイヤを使うレギュレーションを導入したはずですが、これでは本末転倒なのでは。予選時に使えるタイヤの本数を増やすとか、レギュレーションの見直しが必要なのではないかと思います。
ともあれ、決勝。ハミルトン-ライコネン-アロンソというスターティンググリッドがポディウムでは逆順という結果になりました。スタートダッシュを確実に決めてライコネンを抜き、ピットストップでハミルトンを抜き、最後にコース上でバトンをオーバーテイクしてトップに立ったアロンソの戦いぶりは流石の一言。最速でないマシンでもレース全体を見渡して「押さえるべきところを押さえる」走りをさせたら、おそらく F1 史上を見てもアロンソに勝るドライバーはいないのではないでしょうか。開幕時点でのマシンの仕上がりが昨年よりは明らかに良いので、ヴェッテルからタイトルを奪還する可能性が最も高いのはこのアロンソだろうと思います。
ライコネンは途中ペレスとの接触でフロントノーズにダメージを負っていなければ、このレース勝てていた可能性もありますが、スタートでアロンソとマッサに先行されたのが全て。それでもきっちり走って抜いて 2 位、チャンピオンシップでもヴェッテルに次ぐ 2 位につけているわけですから、ライコネンも去年以上にポテンシャルがあると言って良さそうです。ラリー転向前の「速いけど脆い」「モチベーションの高いレースと低いレースの内容が極端」といったピーキーなイメージとは変わって、今のライコネンは速さと安定性を兼ね備えていると思います。
ハミルトンも優勝こそ逃しましたが、移籍後 3 戦目で早速 PP 獲得というのがハミルトンらしい。今のメルセデスでどこまでチャンピオン争いに絡めるかは分かりませんが、レーサーとして「いい感じに脂が乗ってきた」と言えそうです。
レース全体をみるとまだまだマクラーレンが振るわなかったり、若手ドライバー(特にペレス、グティエレス、ヴェルニュあたり)が不甲斐なかったり…と気になる点もありますが、やっぱりチャンピオン経験者複数人が優勝を争い、誰が勝つか分からないレースは面白いですね。今季ここまで 3 戦で 3 人の異なる勝者が誕生、レッドブルも主にタイヤとの相性の点で盤石ではないようだし、当面はタイヤ戦略がマシン性能の差を埋めてくれるのではないでしょうか。
次のバーレーンは暑くなるでしょうし、タイヤに優しいクルマが有利になる可能性が高いと思います。ライコネンか、場合によってはヒュルケンベルグあたりにもチャンスが巡ってくるかもしれません。
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