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F1 ベルギー GP 2009

ベルギーGP決勝:ライコネンが1年ぶりの優勝、フィジケラが2位 (GPUpdate.net)

昨年の結果を振り返るまでもなく、いわゆる「スパ・ウェザー」で毎年荒れるベルギー GP。今年は予選から決勝にかけて「雨が降らない」という波乱(?)に加えて、リザルトにも大きな波乱がありました。

まず予選。ここまで必ず Q3 進出・決勝ではポイントゲットを果たしてきたバトンがまず Q2 敗退。僚友バリチェロが前戦に引き続き悪くない状態なのを見ると、どうもマシンの状態だけでなく本人も守りに入っているのかなあ・・・と思わざるを得ません。Q2 では最近登り調子にあったマクラーレンの 2 台も同じく敗退。
これで PP はバリチェロとレッドブルの計 3 台に絞られるか・・・と思いきや、2 台ともにエンジンの残基数が少ないためプラクティスの走行量が少ないレッドブルがセッティングを詰め切れていないのか伸び悩み、あとはバリチェロか?と思われたところでなんとフォースインディアのフィジケラがトップタイム!しかもその後にはトゥルーリ、ハイドフェルドが続くという、予選逆順グリッド制になったの?というようなグリッドに(汗。最近のフォースインディアは調子を上げてきていましたし、このスパでの走りも 2 台ともかなり安定感があったのは事実ですが、それでも他の 9 チームを押しのけての PP 獲得は立派。スーパーアグリが 2007 年の開幕戦で Q3 進出を果たしたときに近い感動がありました。


決勝はスタート直後に多重クラッシュが発生。デビュー 2 戦目のグロジャンがスタート後の混乱の中でミスをしてバトンに追突し、その影響でデビュー 3 戦目のアルグエルスアリがハミルトンにヒットしたということのようですが、新人が相次いで大英帝国のスターを撃墜するという結果に(´д`)。バドエルは・・・あ、遅すぎて誰ともぶつかってない(ぉ。
この多重クラッシュのおかげでセーフティカーが導入されたのですが、オープニングラップで 2 位につけていたライコネンがその SC 終了後のリスタートで KERS パワーを存分に発揮し、オールージュを越えたあたりでフィジケラを捕らえてトップ奪取。予選のオンボード映像を見ていても、ライコネンはめいっぱい KERS を使って半分以上のパワーをこのオールージュで放出していましたが、ここ数レースでいよいよその本領を発揮し始めた KERS がまたしてもレース結果を直接的に左右することに。

ここからがまた面白くて、PP 獲ったは良いけどどうせオープニングラップで抜かれてあとはズルズル、ポイント圏内フィニッシュがいいとこでしょ?と馬鹿にしていた VJM002 が驚異的に安定したラップを刻み続け、結局フィジケラは最後までライコネンの背後にピタリと張りついたままチェッカーを受けてしまいました。KERS パワーと近年の「抜けない」空力がなければフィジケラはライコネンを凌ぐ速さすら持っていたということなので、このスパでのフォースインディアの速さは本物だったと言えるかもしれません。

バトンの今季初リタイアで俄然チャンスを得たレッドブルでしたが、5 位につけていたウェバーがピット作業時に同時ピットインしていた後続ハイドフェルドとあわや接触のアクシデントを起こし、痛恨のドライブスルーペナルティ。これで事実上ウェバーのレースは終了してしまいました。僚友ヴェッテルは粘り強く走って 3 位表彰台獲得、チャンピオンシップの望みを繋ぎました。
ドライバーズタイトルを争っているもう一人・バリチェロは、いつぞやもあったスタート時のエンジンストールで 4 番グリッドから大きく順位を落とし、最終的に 7 位フィニッシュがやっと。最後はエンジンからのオイル漏れで白煙を上げながらのチェッカーと、まさに「ほうほうの体」という表現をしたくなるような状態でした。

これでポイントランキングはバトン 72pt-バリチェロ 56pt-ヴェッテル 53pt-ウェバー 51.5pt と、ヴェッテルとウェバーのポジションが入れ替わっただけで位置関係はあまり変わらないままレースを 1 つ消化した形となり、バトン的にはホッとしたのではないでしょうか。レッドブルの 2 台は信頼性に不安を抱え、エンジンの残基数も少ないためチャンピオンシップ上は現実的に厳しい状況と言わざるを得ません。そろそろ本命はブラウン GP の 2 人に絞られてきたかなあ・・・という状況ですが、最近のバトンの不振を考えると、まだまだ何があってもおかしくありません。全くここ数年の F1 は FOM が筋書きを用意しているんじゃないかというくらい、先が読めないですね。

チャンピオン争い以外のところでは、いよいよ復活してきたフェラーリと BMW。BMW についてはもうとりあえず来年を考える必要がなくなって、かつチームを高値で売るために今季の開発だけに集中できる状況になったというのもあるのでしょうか、いきなりポジションを昨年の今頃のあたりまで上げてきた印象です。フェラーリはマシンの改善もさることながら、ライコネンが得意のコース+マッサがいなくてのびのびやれる状況(ぉ)で好きに走り始めたのが大きいのかなあ。やっぱり個人的にはアグレッシブなライコネンは見てて楽しいですね。

次はいよいよフェラーリの「来季の体制」が明らかになると言われているイタリア・モンツァ。もはやアロンソの加入は公然の秘密となっていますが、弾き出されるのはライコネンかマッサか。仮にライコネンが出たとして行き先はマクラーレンあたりか・・・。そしてアロンソの今期中の跳ね馬ドライブはあるのか?あるいはこのスパで大きく株を上げたフィジケラがバドエルのシートを奪うのか?などなど、興味は尽きません。次も KERS が効果を発揮しそうなストップ&ゴーのサーキット、ブラウンもレッドブルも一筋縄ではいかないでしょうし、レースが早く観たいです。

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