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東京都渋谷区渋谷百軒店の大盛り焼きそば(の消滅)とチャーシューメン

「ふう…ここはもう俺のくる場所じゃないな。俺がちょっと飯を入れていくような店ってもうないのか?」

渋谷。学生時代には毎週のように遊びに来た街だったが、最近はすっかりご無沙汰、乗り換えくらいにしか使わなくなっちゃったなあ。まさに「ここはもう俺のくる場所じゃないな」が、私の気持ちにぴったりくる。大学卒業と同時に卒業してしまった街、とでも言うのか…それくらい、自分にとって世代が違う街になってしまったなあ、という感じ。人混みにまみれた雑多な場所、という点では、まだ新宿や池袋のほうがしっくりくる。

そんな渋谷を今回わざわざ訪れたのは、他でもない『孤独のグルメ』聖地巡礼【原作版】のため。ハチ公口から 109 を過ぎて道玄坂を登る途中、一本脇道に入ったこの通りが、『孤独のグルメ』単行本旧装版の表紙に描かれた場所なんです。

「道頓堀劇場」とか書かれてるから、てっきり大阪にあるものとばかり思ってました…。

ともあれ、この場所から振り返ったところにあるのが、第 18 話「東京都渋谷区渋谷百軒店の大盛り焼きそばと餃子」の舞台になった、大芽園(作中では「大河苑」)。

…のはずが、今やもう閉店して、違うお店になっていました(シャッターが降りていたのでこの店も営業しているかどうか不明)。
『孤独のグルメ』でこの店のエピソードが描かれたのは、ちょうど私がよく渋谷に遊びに来ていた頃。当時はこの店もまだ健在だったのでしょうが、さすがに学生だったのでこういうオジサンくさい漫画も読まなかったからなあ(笑

まあ、閉店しているのが分かっていて行ったわけですが、今回はむしろその隣にある、井之頭五郎が食べなかった「あのストリップ劇場の向かいに一軒うまいラーメン屋」に入るつもりで来ました。


喜楽

このラーメン屋、ゴローも言うとおり渋谷では有名な老舗のラーメン店で、この日もお昼どきには店外に行列ができていました。
このお店の存在は知っていたものの、道玄坂のこの界隈って怪しいお店やラブホテルが建ち並んでいて、どうも近寄りがたかったんですよね。こういう機会でもなければ、来ることはなかったかもしれません。

行列はあってもラーメン屋なのでさすがに回転が速く、10 分ほど待って着席。二階席に通されて、ほどなくして注文のチャーシューメンがやってきました。

醤油ベースの、シンプルなラーメンです。

厚切りにされた、いかにも肉ってチャーシューが、とても食べ応えあります。最近はとんこつラーメンとか家系ラーメンとか、中に入れるのもチャーシューじゃなくて角肉だの、そういうのが流行っていますが、私にはぐるっと回ってこういうシンプルなチャーシューメンがいいんですよ。チャーシューの縁の下の力持ち、たっぷりもやしのシャキシャキした歯応えが、チャーシューといい連携プレーを生み出しています。

麺はストレートの太麺。食べ応えのある太さと、喉ごしのバランスがちょうど良くて、麺そのものの味もいい。

スープは醤油だけど、焦がしネギがたっぷり入っていて、実に深みのある味。表面に油がたっぷり浮いているのでギトギトしているかと思ったけど、食べてみると意外なほどあっさりしています。最近、こってりしたラーメンが食べられなくなってきた私には、これくらいが嬉しい。

この、奇をてらってない醤油味。やっぱり、ここに帰ってくるんだ、日本人は。

大芽園の代わりに、ついでに餃子もいただいてみました。

うん、こういうタイプか(ぉ
ここの餃子は、取り立てて特徴もないけれど、いかにも昔ながらのラーメン屋の餃子、という感じで、この醤油ラーメンにとてもよく合っていて、美味しい。ラーメン自体にけっこうボリュームがあったこともあって、かなりお腹いっぱいになりました。

混んでいるけど、渋谷でごはんを食べる機会があるなら、まず選択肢に入れておいて間違いはない店。そういう名店だと思います。

ごちそうさまでした。

『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~10&原作
ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。 ドラマ...

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