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CP+ 2014 (2) -シグマ編

昨日に続き CP+ レポートをお届けします。今回は、やっぱり dp Quattro シリーズが気になるシグマブース。

カメラと写真映像の情報発信イベント CP+2014

去年の黒から、今年は白ですか。

……

そんなわけでシグマブース。この白基調のブースもすっかり定着しましたね。

今年は従来以上に dp シリーズ推しなようで。

dp2 Quattro のハンズオンにはすごい行列ができていました。おそらく今年の CP+ で最長の行列だったのではないでしょうか…私が並んだときには「お一人様 3 分まで」の札が立てられていました。それでも軽く 40~50 分は並んだような(´д`)。


dp2 Quattro。イメージしていた以上に、実機は大きい。説明員さんによると「レンズと液晶、グリップを中心に『カメラに必要な機能』以外を極限まで削ぎ落としたデザイン」とのことですが、ボディの高さからはみ出ているレンズ径といい、なんかどこかで聞いたことのあるコンセプトですね(笑

カメラのグリップって通常はボディから前にせり出しているものですが、これが後ろに出っ張っている形状。さらに、グリップから光軸までの幅がある、という今までのカメラの常識を覆すデザイン。このあたりについては後述しますが、第一印象としては「握りやすい」というよりも「違和感」が先に立ちます。
ちなみにデモ機はずっと稼動してたということもあるでしょうが、表面にけっこう熱を持っていました。かなり高性能な処理系(スペック的には EOS 1D 系と同等とか)を積んでいるため発熱するようですが、それをボディ表面の金属も使って発散するようにしている、とのこと。

ダイヤルは二つ。絞りと露出補正、などのように個別に操作できるので扱いやすい。逆にモードダイヤルが廃され、「MODE」ボタンから呼び出すようになっていますが、まあこのカメラを使うような人は絞り優先かマニュアル露出にほぼ固定して撮るでしょうから、却って潔いと言えます。

気になったのはこの操作系。ボタン数もある程度割り切っているのはいいんですが、各機能ボタンと方向キーが物理的に距離が離れていて段差もあるので、機能呼び出し→方向キーでセレクト→決定 の操作に親指の移動距離が大きいのが、なんだか微妙。こういうのって設定変更のシーケンスを指で覚えて瞬時に切り替えながら撮っていくものだと思うので、その指の流れが阻害されそうだと感じてしまいました。方向キーは機能ボタンと同じ面に配置するべきではなかったでしょうか。

制限時間 3 分なので、あまりじっくり触って納得感を得るには至らなかったのですが、ちょうど山木社長ご本人から dp Quattro シリーズに関するプレゼンステージがあり、いろいろなお話を伺うことができました。

まず dp Quattro のデザインですが、山木さんご本人も初めて手に取ったときには違和感があったとのこと。正直ですね~(笑)。でも、試作機を週末に持ち帰ってテストしているうちに手に馴染んできたといい、「少し触っただけで『使いにくい』とかツイートするの、ちょっと待ってください(笑)。ある程度使い込むうちに、この良さが分かってきますから」とのこと。なんか見透かされているような気持ちになってしまいましたが(笑)、さすがに 3 分のハンズオンでそこまでは感じられなかったなあ…。

なお、光学系は dp2/3 に関しては従来と同等ながら、dp1 は今回新規開発の光学系に入れ替えているとのことです。

それから、Foveon X3 Quattro センサの「1:1:4 構造」の秘密について。G・R チャンネルの輝度情報を B チャンネルの輝度情報から補間するのであれば、従来の Foveon センサのような完璧な色解像度は得られないのでは?という疑問に関しては、「実は 3 層のセンサはそれぞれ完全に R・G・B にしか反応しないわけではないんです」とのこと。特に B 層は G・R にもある程度反応するようになっており、補間ではなく B 層がもつ G・R の輝度情報を使って処理するようになっているそうです。

ゆえに、センサとしては「1:1:4」であっても、処理後の画像としては「4:4:4」の情報がちゃんと得られる、とのこと。G・R 層の画素数が減ることで、結果的にデータ量の削減にもなり、DP Merrill に比べてデータ容量が軽くなるメリットもあるそうです。理論的にはそうかもしれないけど、ホントかなあ?という疑念もなくはないので、こればかりはもう実写画像待ちでしょう。

ちなみに、ハンズオン機で軽く何枚か撮ってみた感じでは、確かに DP Merrill 以前の機種に比べて手持ちでも随分まともに撮れるようになった、という印象を受けました。ただ、高感度については、少なくとも本体液晶で確認した限り、ISO800 でも画面上でけっこうな量のノイズが見えてしまっていたので、手ブレしにくくなったことと高感度画質が良いかどうかはまた別、ということかもしれません。まあ、dp シリーズは事実上 RAW 現像を前提としたカメラなので、現像で捌きやすいレベルであれば問題ないとは思いますが…。

そういうわけで、dp Quattro の判断は保留。理屈は分かったし以前より扱いやすくはなったようだけど、本体サイズも大きくなって、クラスが変わってしまった、という印象なんですよね。一眼のサブとして持ち歩くコンデジ、ではなく、もう最初からこれ一台で撮る前提で持ち出すカメラになってしまうので、私には合わないかなあ…と思っています。

あとは交換レンズ群の展示も少し見てきました。

24-105mm F4 OSS(発売中)も、

50mm F1.4(未発売)も、どちらもデカくて重いんですよね…。35mm F1.4 もデカくて重かったですが、これだけデカくて重いレンズばかり何本も買ってまとめて持ち歩くのも厳しい(´д`)。画質が良いのは分かっているので、買うか買わないか、買うならどれを買って何を撮るか、はちゃんと吟味したいところ。最近、重い機材を持ち出すのが億劫になりつつある自分がいます…。

コメント

  1. bさん、こんにちわ。
    いつも参考になる話で楽しませて頂きありがとうございます。
    私も金曜日にCP+でdp2 Quattro見てきました。
    操作部の段違いは確かに使っているとどう感じるか分かりませんね。私自身は、ボディの質感がアップした事とレスポンスが上がっているようで、それだけで購入の方向になりそうだと感じました。
    ただ、確かにサイズ感は少ししかさわっておりませんので、日常的なサイズかは不明なので、個人的にはDP3メリルを買ってしまおうかなんと考えています。
    シグマ好きなんですが、先日ソニーのZeissレンズを2本買ったんで、全て手放してしまいまして、またいいのが出たら買えばいいやと思っています。さすがにFoveonなしの日々も寂しいです。
    でも7Rで3600万画素を使ってみて、ベイヤーもなかなかやるなと感じている日々ですので、考えどころです。
    また、色々とレビューを楽しみにしております。

  2. B より:

    ありがとうございます。Quattro は評価難しいですね。とりあえず発売後にいろんな人のレビューや写真を参考にしたいと思います。ただ Foveon らしさを満喫したければ従来型センサを買うべきかな、という気もしています。
    レスポンスは、確かに旧型よりは良くなりましたが、それでも他社製品に比べるとワンテンポ以上遅いのがどうにも気になります。そういう撮り方をするカメラではない、ということだと思いますが、1DX 並みのハードウェア構成にしている、と言われると、もうちょっと速くても良いと思うんですがね…。

    3,600 万画素のベイヤー、というのは仰るとおりで、超高画素化されたベイヤー型センサと従来通りの Foveon センサなら、実用上の画質の有意差はだんだん出なくなっていくのでは、と思っています。ベイヤーもセンサ設計や画像処理の向上で随分良くなりましたからね。

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