バーレーンGP決勝 優勝はハミルトン、ライコネンが逆転の2位
中国 GP からの連戦となったバーレーン GP。昨年からトワイライトレース化され、日本時間では日曜 24:00 スタートという、社会人には辛いスケジュールになりました(´д`)。
このレースも席巻したのは王者ハミルトン。相変わらず他を寄せ付けない速さで、同じメルセデス同士でもロズベルグとは違うマシンに乗っているかのようなスピードと安定感です。4 戦で 3 勝+2 位 1 回、ロズベルグには早くも 27pt の差をつけ、15 戦を残して「連覇はほぼ確定、あとはいつ決めるか」状態と言っても過言ではありません。
前戦でハミルトンに歯が立たず、「ハミルトンのスロー走行で自分のレースを台無しにされた」と負け惜しみを言うしかなかったロズベルグは、今回はヴェッテルやライコネンに果敢なオーバーテイクを何度も仕掛け、闘争心があるところを見せつけました。が、終始争っていたのはフェラーリの 2 台が相手であり、ハミルトンに直接対決を挑むシーンは皆無。やはり、昨シーズンを経て精神的な強さを身につけたハミルトンにレーサーとしての差をつけられてしまったということでしょうか。
対するフェラーリは、中国とは打って変わっての健闘を見せてくれました。特にライコネンは約 1 年半ぶりとなる表彰台獲得で、昨年が例外的に不振だっただけであることを証明してみせましたね。ミディアムを履いたセカンドスティンと、そしてソフトタイヤでアタックをかけてロズベルグを抜き去ったサードスティントの走りは見事でした。僚友ヴェッテルは中盤までロズベルグと 2 位争いを繰り広げていたものの、途中でノーズ交換にピットインしたためにポジションを落とし、その後はボッタスを抜きあぐねて 5 位に沈みました。
やはりフェラーリは気温の高いサーキットではタイヤを使いこなすことができ、ハミルトンは別次元ながらも戦略次第でロズベルグは食えることがここまでの 4 戦で明らかになったと言えます。これは、フェラーリ・チームにとって大きな自信になったと言って良いでしょう。自力でハミルトンを打ち負かすのは難しくても、メルセデスのマシンにトラブルがあったときに首位が転がり込んでくるポジションまでは何とか持っていける、ということになります。ヨーロッパ以降、ウィリアムズあたりのシャシーアップデートが大当たりでもしない限り、今季はこのまま二強体制(ただしハミルトンは別格)で進んでいきそうな勢力図が見えてきました。
マクラーレン・ホンダはアロンソとバトンで明暗がハッキリ分かれたレースになりました。バトンはフリー走行と予選でマシンに電気系のトラブルが発生し、予選 Q1 のタイムさえ記録できなかったばかりか、結局マシンの修復が間に合わずに決勝を欠場。対するアロンソは新生マクラーレン・ホンダとして初めて予選 Q2 に進出し、14 番グリッドからのスタートで決勝は 11 位フィニッシュ。10 位入賞にあと一歩及ばなかったのは開幕戦と同じですが、内容は全然違う。予選は Q1 を突破し、決勝も上位勢とまともなバトル(途中、周回遅れにされたはずのライコネンを抜き返すシーンさえあった)をした上で 10 位から 3 秒遅れの 11 位。4 戦目にしてポイント争いができるパフォーマンスにまで伸ばしてきたというのは、開幕時点ではちょっと考えられなかった状況です。ここまで 4 戦は、信頼性確認とパフォーマンステストのためのレースを交互に繰り返してきたような感じだったのでしょうかね。
とはいえバトン車に深刻な信頼性の問題が生じてしまったことも確かで、まだまだ楽観はできません。また、単なるポイント獲得がチームの目標であるわけでもないので、これもまた単なる通過点に過ぎないのでしょうが、進歩の階段を着実に一歩一歩上っていることは事実。これは、次も期待せざるを得ませんね…!
次は 3 週間空けて、いよいよヨーロッパラウンドに突入。ホンダも新パワーユニットを投入、噂によるとそれはこれまでのものとは「別次元」になるとも言われています。それで一気に表彰台…は難しいにしても、コンスタントにポイント争いができるマシンに進化してくれることを期待してやみません。
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