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東京都杉並区西荻窪のラム肉のハンバーグ

「すっかり飲んべえタイムだ。下戸お断りと言わんばかりの空気…」

漫画『孤独のグルメ』の第 10 話「東京都杉並区西荻窪のおまかせ定食」などにも取り上げられた、久住ワールド的によく登場するエリアがここ西荻窪、通称・西荻。ドラマ Season5 でも第 3 話の舞台となったため、さっそく聖地巡礼してきました。
駅の南口を降りて右に折れるとすぐに遭遇するのが、劇中で角田信朗氏演ずる「先輩」が飲んでいた、「やきとり戎」。この店、一店舗だけなのかと思ったら、この路地ほぼ全体が店舗なんですね(笑。

この飲んべえ小路を抜けて、ちょっと寂しい線路沿いの道をしばらく歩いたところにあるのが、モロッコ料理の「タムタム」。

タムタム

住宅街にぽつんと存在する、小さなお店。テーブルも四人席×2+二人席×2 しかなく、こどグルドラマ史上でもトップクラスに小規模な店舗ですが、むしろそれが西荻っぽい。

すいませーん、予約した者ですけどー。

お店はドラマと同じく、お母さんと二人姉妹の三人で営まれています。ちなみにドラマに登場していた妹の真理安さんは、ご自身が本人役で出演。お店でご本人に会える、というのもなかなか感激しますね。

店内はとても手作り感あふれるエスニック。「異国情緒」って、まさにこういうののためにあるような言葉だなあ。

カウンターの上には様々なデザインが楽しいタジン鍋も並べられています。モロッコ料理といえばタジン、個人的にもタジンには思い入れがあるので、これは頼まないわけにはいきません。


とりあえずの飲み物は、久住さんも飲んでいたカサブランカジュースビールにしようと思ったら、「さっき冷蔵庫に入れたばっかりで、まだ冷えてない」とのこと。やっぱりみんな久住さんの真似して飲んでるってことですか(笑。
仕方がないので、一杯目はチュニジアビール「Celtia」から。ちょっとスッキリめのクラフトビールっぽい味で、なかなか飲みやすい。でも、日本のビールとは確かに違う味。面白い。

さて、何を食うか。

モロッコ風イカめしとか、ベルベルオムレツとか、名前からして気になる料理が目白押し。
ローストビーフのスペアリブってのも、強力な引力を放ってくるな~。

でも、まずは規定演技からかな。

最初はモロッカンサラダ。モロッカンって、初めて聞いたけどいい響き。

一見普通のグリーンサラダっぽいけど、ドレッシングに普通とは違うスパイスが使われているのかな。アンチョビも効いていて、もろ、モロッカンって感じ。
あ~、胸に草原広がるわ。これ、癒やされる。

とても気になっていたハリラスープ。
久住さんに「シリーズの中でも三本指に入るくらいおいしい」と言われたら、飲んでみたくなるじゃないですか。

おおっ、このスープ、相当いいぞ。
トロッとしていて、スパイスっぽいんだけど、優しくてほっとする味。
こういうのが、モロッコのおふくろの味なんだろうなあ。

この時点で既にこの店、当選確実の花がついた。

ビールはレバノンの「almaza」に移ります。カサブランカ、早く冷えてくれ(笑

こいつは材料にカラメルが使われているということで、独特の香りと苦味があって、これまたおいしい。

ベルベルオムレツ。これはゴローは食べてなかったけど、頼まずにはいられないその名前のせいで、どんなものか気になって(笑

野菜たっぷり、優しい味で、このお店のお母さんの人柄がそのまま表現されているかのような包容力のある味わい。ベルベル感がどのあたりにあるか分からないけど(ぉ)おいしい。
モロッコ料理ってもっとストレートにガツンとくる感じなのかと思ったけど、こういう感じなんだ。へええ。

後ほど出てくるハンバーグにセットのパンだけ、先に出てきました。
このパンも手作りらしく、ほっとする味。ちょっと粗めの食感が、ハリラスープとかタジンの汁なんかに浸して食べるのにもいい。

パンにつけるフムス。ひよこ豆のペーストってことらしいですが、甘みとか塩気とかもあんまりなくて、豆の味を感じながらパンをいただくような食べ方になります。
フムフムス、こんな感じなのか。

ワインが気になったので一杯いただいてみました。メダリオン・カベルネレッド、モロッコの赤ワインです。
アフリカのワインって初めて飲んだけど、味も香りもしっかりしていて、肉料理にぴったり。よく考えたら、モロッコってスペインとは目と鼻の先なんだから、ワインがまずかろうはずがない。ボトルで買ってもそんなに高くないみたいだし、これは良いワインと出会ったかも。

モロッコ流揚げ春巻き、ブリック。
とろ~りが、おいでなすった。

パリパリッとした食感が良い皮を割ると、その中からは…

このとろ~り卵ですよ!
うひゃ~、これはたまらん。

ナイフとフォークで食べてみたけど、これはゴローばりに勢いよくガブリック、と行ったほうがよりうまさを満喫できたかもなあ。
これ、最高じゃないですか。

そういえばベルベルオムレツもタジン鍋に入って出てきたけど、本流のタジンもいっとこう。ということで、ミートボールのタジンを。

肉感にあふれるミートボールにたっぷりの野菜、中心にはまたとろ~り卵が収められた、幸福な料理。
自分がモロッコの子どもだったら、母親に毎日でもこれをリクエストしちゃうだろうなあ。

そしてやっと冷えてきました、カサブランカジュースビール。
これまたスッキリ美味しいラガービール。でも、飲む順番的にはカサブランカ→チュニジア→レバノンが正解だったかも。まあ冷えてなかったものは仕方ない。

いよいよ本命登場、ラム肉のハンバーグ。
うーん、匂いがもうご馳走だ。

肉の表面から肉汁があふれ出ているけど、ナイフを入れると、中からはさらにジュワーっと肉汁。
うまいラムって、挽肉にするとこんなになっちゃうのか。知られざるモロッコの世界。

ちょっと驚いた、ラムバーグ。
俺の中のハンバーグ感が、解体再構築されていくようなうまさだ。

ここでそろそろ〆のクスクスと、最後にハリラスープをおかわりしたいな…と思っていたら、なんと料理を満喫している間にラストオーダーの時間が過ぎている、という大失態を犯してしまいました。
スタートの時間が遅かったというのもあるけど、この手のミスは私の聖地巡礼史上でも初めて。これは悔やまれますorz

だけど、本当にうまかった、西荻のモロッコ。
店自体がまるで、大きなタジン鍋みたいだった。

ドラマ『孤独のグルメ』は基本的に焼肉回と中華回に外れなし、と思っていたけど、最近の傾向からするとラム回もそれに負けない名店揃いだなあ。
クスクスを食べられていないこともあるし、現時点でもう再訪決定。ここは繰り返し食べに来る価値のある店だと思います。
ただ当面は激混みだろうから、次回は少し時間をおいてからにしようかな。

ごちそうさまでした。

『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~10&原作
ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。 ドラマ...

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