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F1 バーレーン GP 2017

F1バーレーンGP決勝:ライバルを寄せつけずベッテルが今季2勝目、アロンソはエンジントラブル

今年の F1 も早くも第 3 戦。バーレーン GP はとても面白いレースになりました。

まずは予選、メルセデスのボッタスがハミルトンを抑えて自身初の PP を獲得!前戦までは期待したような結果が出ずにやきもきしましたが、ようやくチームにもマシンにも慣れ始め、これから本領発揮といってくれるでしょうか。個人的に「多くを語らず走りで証明する」タイプの多いフィンランド人ドライバーは共感するところが多く、今年はハミルトンよりもボッタス贔屓な目で見てしまっているだけにがんばってほしい。

決勝はスタートこそボッタスが難なく決めたものの、レースペースは明らかにフェラーリのほうが上。どうもボッタスのマシンはタイヤの内圧が高めに出ていて本来の性能を出せていなかったようですが、以前からメルセデスのマシンは高温時にタイヤがタレやすく、逆にフェラーリのマシンはタイヤに優しい(逆に言えば寒い条件下ではメルセデスのほうがタイヤを作動温度領域に入れやすく、フェラーリはタイヤが温まりにくい)という性格の違いがあります。今回はボッタスのタイヤ内圧以上にその特性差が出ており、予選はともかく決勝ではヴェッテルのほうが安定して速かったと言えます。
結果だけ見れば初回のセーフティカーが導入されたタイミングの関係でヴェッテルがアンダーカットを成功させた格好になりましたが、それがなくてもコース上でヴェッテルがボッタスを交わしていた可能性は高い。去年までのフェラーリならば、大抵は(失うものもないくせに)保守的なピット戦略で勝ちを捨てに行くか勝負を賭けても裏目に出るかしかありませんでしたが、今年のフェラーリには思い切りの良さと強さを感じます。逆にメルセデスはハミルトンがピットイン時に意図的なスロー走行でペナルティを取られ、その時点で逆転優勝の目がほぼなくなってしまうなど、自滅した感が強い。まだ 3 戦目ではありますが、去年とは明らかに違う状況となっています。

ボッタスはレース終盤にチームオーダーでハミルトンに順位を譲り、3 位フィニッシュ。タイヤ戦略の違いもあって終盤はハミルトンのほうが速かったから仕方ないかとは思いますが、それにしても残念。こういうのは一度勝ち方を覚えると続けざまに勝てるようになるものなので、ボッタスには一日も早く初優勝を決めて、ヴェッテルとハミルトンのチャンピオン争いに絡んでいってほしいところです。


ここまで 3 戦を見てきて、今季はヴェッテルとハミルトンの二人が選手権を主導する構図が見えてきました。そこにボッタスとライコネンがどう絡むかが、ドライバーズ/コンストラクターズ両方の動向を決めることになりそうです。レッドブルはドライバー二人は敢闘していると思うけど、残念ながらまだマシンの熟成がそこまで進んでいないようで、ヨーロッパラウンド以降の進化に期待、という感じ。当面はトラブルやアクシデントがなければ 1~6 位の顔ぶれはほぼ変わらないのではないか、というくらいに中堅以下のチームとの差は大きく見えます。

で、問題のマクラーレン・ホンダ。今回はフリー走行から予選までに合計 3 回も MGU-H のトラブルが発生した挙げ句、バンドーンがパワーユニットのトラブルで決勝をスタートすらできずにリタイア。決勝もアロンソが独りテールエンド付近の争いをずっと繰り広げた結果、残り 2 周というところで PU 起因と思われるトラブルでリタイア(記録上は完走扱い)。前戦までは PU 関連のトラブルが起きていなかっただけに、ここにきて多発しているのが不可解ですが、マクラーレンのシャシー以上にホンダの PU のパワー/信頼性不足は深刻な状況のようです。レース中にもアロンソがチームラジオで「こんなにパワーのないマシンで走ったのは初めてだ!」と悲鳴を上げていましたが、それだけひどい状況だということでしょう。ハッキリ言って二年前の今ごろよりもさらに厳しいように見えます。
PU がこれだけ壊れていると、年間 4 基の PU 使用制限を超えてしまうことは確実で(バンドーンに関しては次で既に 4 基目)、去年までのように「ペナルティ覚悟で捨てるレースを決め、新品の PU に入れ替えていく」という作戦を採らざるを得ません。何事もなければスペインかモナコあたりでアップデート版の PU を投入するスケジュールだったのでしょうが、次のロシアで 2 台のマシンに搭載される新 PU は新スペックのものなのか、旧型なのか。もう当面の間表彰台は期待しないので、毎レース新品 PU に交換して最後尾スタートになってでも、入賞圏内にまで上がってこれる PU を一日も早く用意してほしいところです。

なんというかもう、祈ることしかできません。今年は優勝争いが面白いことが、せめてもの救いだと思います。

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