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F1 イギリス GP 2024

7度のF1王者ハミルトン、母国優勝! 2年半ぶりの劇的Vに涙を禁じ得ず。RB角田裕毅は10位入賞|イギリスGP決勝

ヨーロッパ三連戦の最後となるイギリス GP はトップチームの戦力拮抗に加えてドライからウェットへとめまぐるしく変わるコースコンディションに演出され、予測のできない混戦となりました。展開の面白さという意味では今季ここまでのベストレースだったと言い切れます。

■メルセデス

次々と変わる状況を最後に制したのはハミルトンでした。いや、PP からトップを走る僚友ラッセルを序盤にオーバーテイクしてこのレースにおけるチーム内の主導権を握ったことが最終的に勝ちをたぐり寄せた、という方が正確でしょう。このレースでは展開や選択次第でハミルトン以外にもラッセル、フェルスタッペン、ノリス、ピアストリくらいまでは勝つ可能性を持っていたと言えますが、結果的に最後まで正しい選択を採り続けたのがハミルトンだったと言えます。それくらいタイヤ交換のタイミングもタイヤ選択も正解だったし、難しいコンディション下で選んだ戦略を最後までミスなくやり切ったところが 7 度のワールドチャンピオンならではの強さでした。ラッセルには運がなかったし、フェルスタッペンにはレース序盤のクルマの速さがなく、マクラーレンの二台はそれぞれタイヤ/ピット戦略の選択ミスがあった。
これでハミルトンは 2021 年以来三年ぶりのグランプリ優勝。この三年間、チームとしての二度の優勝はラッセルがもたらしており、ハミルトンの離脱が決まってからはチームとしてもラッセルを優先しているように見えました。この状況での優勝にはハミルトンも感極まっていたようでした。移籍先となるフェラーリは対照的にここ 4 レース全く良いところがなく、ハミルトン的には移籍をちょっと後悔していたりするんでしょうかね。

■マクラーレン

クルマ的にはマクラーレンにも十分に優勝のチャンスがあったレースでした。ドライではメルセデス優勢、チョイ濡れではマクラーレンの方が速くて天候の変化次第で優位が動く面白いレースでした。しかしノリスは 1 回目の、ピアストリは 2 回目のタイヤ交換のタイミングを読み違えてポジションを喪失。ノリスに至っては 2 回目のピットストップ時に微妙にオーバーランしてタイムロスし、さらにそこでソフトタイヤを選んだことが裏目に出てフェルスタッペンに順位を奪われる始末。マクラーレン的にはタイヤ交換のタイミングとタイヤ選択をドライバーに委ねたことが敗因ではないでしょうか。こういうとき、レッドブルやメルセデスはピット側が最善の戦略を選んでドライバーにはそれを遂行させるだけというシンプルなやり方で勝つけど、マクラーレン(特にノリス)はこういう局面でドライバーがステイアウトを選んで失敗しがち。過去十年以上にわたってトップ争いができていないチーム力の弱さがここ数戦出ているように見えます。マクラーレンがもし今年後半戦から来年にかけてチャンピオン争いに名乗りを上げにいくなら、レースストラテジーにメスを入れる必要があります。

■レッドブル

フェルスタッペンはスタートタイヤとクルマの相性が悪かったようでレース前半はメルセデスとマクラーレンに全くついて行けていませんでした。このままでは 5~6 位が精一杯だったところ、コースコンディションの変化とタイヤ交換で息を吹き返し、最終盤ではハミルトンを追い立ててあと 5 周くらいあれば逆転の目もあったかもしれません。でも今回はとにかくハミルトンが完璧だったし、レッドブルとしても 2 位表彰台は望外だったはず。これだけ苦戦していながらこの 4 レースでチャンピオン争いでのライバルであるノリスやルクレールとのポイント差を逆に広げているわけで、ダメージリミテーション以上の仕事はできています。
とはいえこのままではジリ貧なわけでマシンの改善は急務なはずですが、頼みのニューウェイはもういない(レースには帯同しているけど開発には関与していない)からなあ…。

あと、ペレスいた?

■RB

アップデートの失敗を引きずり、さらにこの三連戦は苦手な高速サーキットが続いたことでシルバーストンでも苦戦することは明らかでした。実際、イギリスではハースやアルピーヌだけでなくウィリアムズよりも遅く、今回も入賞は絶望的だろう…と思っていたらなんと角田が 10 位入賞。トップチームから三台(ラッセル、ルクレール、ペレス)が沈んだことでポイントが転がり込んできた格好ですが、それでもあの難しいコンディション下で遅いクルマであの位置につけていたことは立派。ヒュルケンベルグが 6 位入賞したことでドライバーズランクはヒュルケンに抜かれて 12 位に下がったし、コンストラクターズでもポイント差を大きく詰められ、厳しい状況には変わりません。それでも苦しい中での入賞はチームの士気を高めるし、こういうときに結果を出すのがエースドライバー。
少なくとも次のハンガリーは VCARB01 の弱点が出にくいサーキットだし、シーズン後半に向けて弾みのつけられるレースになることを期待しています。

あと、大逆転で夏休み明けから角田が親チーム昇格…というサプライズがあったりしないですかね?それも密かに期待しています。

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