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F1 ハンガリー GP 2017

F1ハンガリーGP決勝:ベッテルが今季4勝目、マクラーレン・ホンダはダブル入賞

2017 F1 前半戦のラスト、ハンガリー GP。ここをどう折り返せるかが後半戦を占う上で重要なレースになるだけに、各チームの戦い方が注目されるレースでした。

それまでの予想とは裏腹に、予選から優位に立ったのはフェラーリ。メルセデスとは僅差の戦いながらもフロントロウを独占し、ここのところ危うかったスタートも無事決めることに成功しました。ターン 1 でライコネンがヴェッテルに並びかけた結果メルセデスが割り込むスペースを塞いだ格好にはなりましたが、フェラーリ的には結果オーライ。一方メルセデスはハミルトンがスタートで順位を落とし、序盤はフェラーリの二台が逃げを打ちます。
しかしピットストップ以降は全体的にメルセデス有利。タイヤ交換後にヴェッテルはサスペンションかタイヤの問題でコーナリング時に縁石が使えず、2 位ライコネンよりも遅いペースでしか周回できなくなってしまいます。逆にメルセデスはタイヤ交換後のペースで勝り、特に速さのあったハミルトンがチームオーダーによりポジションを譲られて約 15 周にわたりフェラーリに攻撃を仕掛けます。対するフェラーリはチームオーダーを出さず、ライコネンに防御役を任せる戦略。ライコネンとしてはたまったものではなかったでしょうが、そこはトラックポジションが物を言うハンガロリンクだけあって、ちょっとくらいペースが良くても簡単には抜けない。結局ヴェッテル-ライコネンのフェラーリ 1-2 でレースは幕を閉じました。メルセデスは「抜けなかったらポジションを返す」という約束通り最終コーナーでボッタスにポジションを戻し(直後にフェルスタッペンが迫ってきている危ない状況ではあった)、ボッタス-ハミルトンの順でフィニッシュ。

カナダ GP 以降ここまでのレースは完全にメルセデスに分があり、このままの勢いで後半戦はワンサイドゲームになるのではないかとも想像していましたが、今回ばかりは嬉しい誤算でした。路面温度の高さがフェラーリに味方した可能性もありますが、果たして今回のフェラーリの強さが単発なのか、それとも体質改善によるものなのか。それによって後半戦の状況は変わってくることでしょう。
またフェラーリがあくまでヴェッテル優先の戦略なのに対して、メルセデスとハミルトンがボッタスを尊重しているという違いも興味深い。メルセデスやハミルトンとしてはロズベルグの二の舞は避けたいでしょうし、ボッタスとの関係を保つことで今後もアシストを期待できるということでしょうが、このハンガリーでヴェッテルが手にしたのは 18pt ではなく 25pt、対するハミルトンは 15pt ではなく 12pt。これが最後に効いてくるのをよく知っているフェラーリだからこそヴェッテルの勝ちにこだわったに違いありません。チームの総合力としては依然としてハミルトン有利、しかしヴェッテルが 14pt 差で首位に立って夏休みに入ったこの状況。メルセデスが勝ってサマーブレイク、だったらきっと後半戦はつまらなかっただけに、これは改めて面白くなってきました。


今回残念だったのはレッドブルですよ。チームメイト同士の接触で 1 周目にリカルドがリタイア、それに対する 10 秒ストップペナルティを受けたフェルスタッペンも 5 位フィニッシュがやっと。あれがなければフェルスタッペンは 4 位だった可能性もあるだけに、二人が失ったポイントは非常に大きいものがあります。まああの接触は故意ではなくフェルスタッペンのミスによるものですが、今季のフェルスタッペンはスタート直後に他車と絡むアクシデントが多すぎます。アグレッシブさは素晴らしいと思うし、近い将来のチャンピオン候補であることも間違いないのですが、真のチャンピオンとなるためにはそのあたりの巧さを身につける必要があります。

そしてマクラーレン・ホンダ。今季初ダブル入賞おめでとう!!しかもアロンソは三強に次ぐ 6 位、これは誇って良い結果だと思います。バンドーンも 7~8 位は狙えていたのにピットイン時の自身のブレーキミスで 10 位というのはちょっと残念ですが、それでも今季初入賞。これでコンストラクターズランキングはようやくザウバーを抜いて 9 位に浮上。本来はこんなポジションで喜んでいいものではありませんが、来季のホンダ PU 供給の話を反故にしたザウバーを見返すことができました。
まあハンガリーはエンジン依存度の低いサーキットだけに最初から狙えていた結果ではありますし、後半戦の高速サーキット連戦ではまたどうなるか分かりませんが、少なくともポジティブな感触を持って夏休みには入れることをまずは喜びたいと思います。

次は 4 週間空いてベルギー・スパ。これまたパワーユニット性能が試されるサーキットですが、マクラーレン・ホンダはここからどれだけ伸ばしていくことができるか。厳しいことには違いありませんが、今回のようなレースがまた見られることに期待しています。

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