ホンダ、ザウバーF1との技術提携契約を白紙撤回。「双方の目指す方向性に相違が生じた」
4 月に発表されていたホンダの来季からのザウバー F1 へのパワーユニット供給が白紙撤回になってしまいました。ザウバーは昨年チーム株主となったロングボウ・ファイナンスが先月チーム代表のモニシャ・カルテンボーンを更迭して以来きな臭い雰囲気になっていましたが、株主の意向としては戦闘力の上がってこないホンダ製 PU よりも他社製(仮にそれが一年落ちのフェラーリだったとしても)のほうがマシという判断なのでしょう。カルテンボーンとしてはホンダの 2 チーム目の供給先となって育成ドライバーも受け入れることで金銭的なメリットを受けたかったのでしょうが、それは却下されたということになります。
F1 速報などの国内誌では「ザウバーの技術陣がホンダのファクトリーを視察に来ている状況を考えると、これから契約が覆されることは考えにくい」という論調で報じられていましたが、過去にも琢磨や可夢偉のシート喪失時、あるいはスーパーアグリの撤退時等にも同様に日本側関係者の証言などの限られた状況証拠に基づく楽観論中心で海外報道とのギャップが大きかったので、そういう報じられ方をしている今回もヤバそうだなあ…と個人的には思っていました。なのでやっぱりこうなっちゃったか、という思いの方が強いわけですが、いずれにしても残念です。
結果的にホンダは来年もマクラーレンへの 1 チーム供給体制が続くことになります。が、当のマクラーレンもメルセデスへのスイッチを画策していることは公然の秘密となっており、予断は許さぬ状況。国内誌ではこれも「ホンダがマクラーレンの活動資金の大半を提供していることや、歴史上カスタマーエンジンでチャンピオンを獲得したチームはほぼないため、マクラーレンの離脱はあり得ない」としていますが、そういう論調自体がヤバい証拠。最終的に供給先チームがなくなることで撤退に追い込まれるケースも十分あり得ると思っています。
第二期ホンダ F1 でも FIA 等のヨーロッパ至上主義者からは敬意のない扱いを受けていたホンダですが、現在の状況はそのとき以上に厳しいと言わざるを得ません。所詮この世界は結果が全て、レースでアピールしていくしかありません。遅くとも秋口までにはフォースインディアやウィリアムズとマトモに戦える状態になっている必要があると思います。状況は苦しいですが、なんとかがんばってほしい。
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