先週末にオープンしたばかりの新宿の VR 施設に早速行ってきました。
昨年お台場に期間限定でテスト運営していた「VR ZONE Project i can」の正式稼動版という位置づけ。西武新宿の駅前にどどんと建っていました。
お台場 VR ZONE から一年、アトラクション数も倍に増え、技術的にも進歩した VR ゲームがどんな体験になっているか、ずっと楽しみにしていました。
オープン直後だからさぞかし混んでいることだろう…と思ったら、いきなり当日券販売中とか(;´Д`)ヾ。大丈夫なのか…。
まあ安く利用できる施設じゃないし、そこまで大々的に告知しているわけではないとはいえ(それでも最近は TVCM なんかも見かけますね)、ちょっと心配になります。
ダイバーシティの一角に入居していただけのお台場時代と違い、今回は専用施設なので中はかなり広々としています。飲食コーナーもあったりして、その気になれば丸一日遊べてしまいそうな勢い。
現時点では 12 の VR アトラクションがあり、それ以外にプロジェクションマッピング等を利用したアトラクションが 2 種、そして来月稼動予定の『攻殻機動隊』の VR アトラクションが 1 種。お台場時代からほぼ倍増した計算になります。
ただし料金システムはお台場時代と変わり、まずは ¥4,400 の「1day4 チケットセット」を購入すると入場権と 4 種類のアトラクションが遊べるチケットが入手できます。アトラクションは色分けする形で 4 つのカテゴリに分かれており、チケットごとに該当する色のカテゴリからアトラクションを 1 つ選んで楽しめる仕組み。例えばガンダムとエヴァは同じブルーチケットなのでどちらかしか選択できませんが、場内で個別チケットを追加購入することで両方遊べるというルールになっています。できるだけ特定のアトラクションに集中しないよう工夫されているということですが、最低でも ¥4,400 かかるというのはちょっとハードル高いかも。
入場についてもお台場時代は時間制限が設けられていましたが、新宿では入場する時間帯だけが区切られていて終了時間は自由になっています。遊んだだけお金はかかるけど焦る必要がないので、ゆったり遊べるのはありがたいところ。
これがそのチケットですが、色分けされているのかと思ったら同じデザインのチケットに「BLUE」「GREEN」とか印字されてるだけ(´д`)。
私はオンライン予約して QR コードつきのチケットを印刷して持って行きましたが、スマホアプリでチケットを買っておけば各アトラクションの利用もスマホで済ませられてしまうので、そっちにしておけば良かったかな。
というわけで早速それぞれのアトラクションを試してみました。
まずは『マリオカート アーケードグランプリ VR』。これ実はかなり楽しみにしていました。バンナムの施設なのに任天堂の IP を使った、それも人気のゲームが VR に移植されてくるとは!
最大 4 人までの対戦式で、様々なステージを複合したコースを 1 周するだけではありますが、あのマリオカートの世界を自分で走れるというのは燃えます。
操作はアクセルとブレーキとステアリングだけ。
なのですが、このマリオカート VR が普通のレースゲームと違うのは、コース上に浮かんでいるバナナ/ハンマー/甲羅というアイテムを「自分の手で掴んで、投げる」ことができるという点にあります。
筐体そのものはよくゲームセンターにあるレースゲームのものと大差ない(ディスプレイはないけど)ように見えますが、ステアリングの奥側に置いてあるものがキモ。これは HTC の Vive トラッカーで、手袋のように手の甲にはめることで VR 空間内で自分の両手を認識することができます。それでアイテムを掴んで、投げる!これが楽しい。もしこの動作が単なるボタン操作だったらここまで盛り上がらなかったでしょうというくらい、このアイテムを投げる行為がマリオカートらしさを形作っていると言えます。
他にも座席は揺れるし、前方から風は吹いてくるし、想像していた以上に楽しかったです。一日乗っていたいくらい。VR じゃないけど Switch のマリオカート買いたくなりました。
続いて『エヴァンゲリオン VR The 魂の座』。これが一番楽しみでした。自分自身がエヴァのパイロットとなって使徒と戦うやつ!しかも、最大三人で零号機・初号機・2 号機の三機で連携して戦えるという。ガンダムよりも先にエヴァで搭乗型 VR ゲームが出てくるとは。
筐体は『アーガイルシフト』のものとほぼ同様ですが、エントリープラグ同様に脚を伸ばして乗せられるようになっているのが、細かいけど気分的にはすごく重要。
操作は前後左右の移動、視線(顔の向き)で照準を合わせ、目標をセンターに入れてスイッチ。これだけのシンプル操作です。戦闘中にエヴァが行動不能に陥った場合は「動け、動け、動いてよ!今動かなきゃ、何にもならないんだ!!」と叫びながらレバーを前後にガチャガチャやると再起動(笑)。このとき大きな声で叫ぶほど再起動が早まるという説明を受けましたが、真偽のほどは不明です(ぉ
気持ちを昂ぶらせてエヴァに乗り込むわけです。
いきなりエントリープラグに LCL の注水が始まり、同時にシートの前方から冷たい風が送られてきて「LCL が満たされていく感」が体感的にも分かって、つい息を止めそうになります。で、劇中と同じシンクロ・シークエンスを経てエヴァ起動!そしてカタパルトに乗ってエヴァ射出!
地上に出たところでいきなり現れる最強の第 10 使徒(新劇場版設定)。劇中での圧倒的な強さを知っているだけに、それが目の前に現れるとそれだけで逃げたくなります。
武器はアサルトライフル、ガトリングガン、N2ミサイルの三種類。弾切れになった場合は周辺に射出されている武器ラックから換装を行って攻撃を続けます。
私が搭乗したのはエヴァ 2 号機。無謀と知りつつ第 10 使徒と戦うならやっぱりこれでしょ(笑
しかし組んだのがエヴァをよく知らないという外国人観光客の方で、連携がうまくいかず…私は一度大破してガチャガチャやって再起動(笑)したけど倒しきれず、活動限界を迎えて終了…。「使徒に負けるとどうなるか」が気になる人はぜひ自分の目で確かめてみてください。
スタッフの方に尋ねてみたところ、「初見でクリアできる人は十組に一組くらい。一度負けて、友達同士で作戦を練って再チャレンジする人も多い」とのこと。これはエヴァファンな人を連れてリベンジしに来たいところです。
次は『釣り VR GIJIESTA』。ちょっと地味かなとは思ったけど、グリーンチケットの他の二つはお台場で体験済みだったので、新しいやつを試してみようと。
その名の通り「VR 空間内で釣りをするだけ」というシンプルなゲームですが、やってみたら意外と奥深かった。
使うのは、釣り竿型とタモ網型の VR コントローラ。写真ではタモのほうには何もついていませんが、実際には竿・タモ両方に Vive トラッカーがついていて、VR 空間内でもちゃんと見えるようになっています。竿コントローラのほうはリールだけでなく指先で釣り糸を押さえるためのスイッチまでついてて、芸が細かい。あと竿の先端におもりがついていて「投げ」の感覚が実際に近いのも面白い。
釣りをする池の映像はなかなか美麗で、釣らずに風景を眺めていたくなるほど。釣り自体は特に変わったことはありませんが、ルアーを投げるのもうまくやらないと斜めに飛んでいったりするのも本当の釣りと同様で、案外難しい。魚がかかったらリールを巻いて引き寄せ、左手をタモに持ち替えて掬う…という一連の動作がなかなか忙しい。釣りとしては何も特別なことはないんだけど、何故だか妙にハマるゲーム。そいうえば FF11 で本編を進めずにひたすら釣りだけしてたときのことを思い出しました(笑。
全然期待してなかったけど、これ、イイかも。
四つめは『ハネチャリ』。翼のついた自転車に乗って、空を駆け回るタイプの VR。私が行ったときはこれとエヴァ、マリオカートの三つが特に人気だったようで、行列ができていました。がせっかく入場者数を区切ったりアプリでチケット管理したりしているんだから、行列で無駄な時間を過ごさせずに効率よく回すシステムにしてくれればいいのに、とは思いました。そっちのほうがお客さんもたくさんお金を使って行ってくれると思うんだけどなあ。
筐体はスポーツジムにあるエアロバイクを使って VR ゲームをやる、という感じ。ペダルを漕いだら羽根がパタパタして上昇し、あとはハンドルの前後で滑空やブレーキ操作を行うという感じ。
いきなり崖の上からスタートして、かなり怖がらせる演出が入っているので最初はドキドキしましたが、運転のしかたがある程度分かってくると高所恐怖症な私でもあまり怖くなく、むしろ気持ちいい!という感覚で滑空を楽しめました。これもあまり期待していなかったけど面白かった。
もう一つ楽しみにしていた『ドラゴンボール VR 秘伝かめはめ波』。ど真ん中世代としてはこれも是非やりたかったんですが、エヴァ・ガンダムと同じチケットだったから後回しにして個別チケットを買ってこよう…と思っていたら、遊んでいる間にチケットが売り切れ(;´Д`)ヾ。やりたかった…。
しかし見ていると、いい大人がドラゴンボール世界の武闘家になりきって、気を溜めてかめはめ波を撃っている光景はちょっと滑稽ですが(笑)、かつて毎周楽しみにしていたあの世界の中で自分がかめはめ波を撃てるというのはある種の夢の実現なわけで。自分も体験できていたら、真剣にやってただろうなあ。
物販コーナーではちゃっかり仙豆も売ってたりして、芸が細かい。
これも時間切れで遊べませんでしたが『恐竜サバイバル体験 絶望ジャングル』。面白いのかどうか分かんないなあ…と思っていましたが、プレイしている人の様子を見ていた限りではみんな真剣で、これもかなり面白そうでした。
今回はお台場で体験済みのアトラクションはスルーしましたが、大半が新宿で復活。『ガンダム VR ダイバ強襲』は 1/12 スケールのザクが展示されているなど、ブースが豪華になっていました。
ただ全般的にお台場にもあったアトラクションは人の入りが少なかったように思います。オープン直後だからお台場を体験済みの人の割合が高かったのかもしれませんが、今回新たに登場したアトラクションは Vive トラッカーを使うなどより没入感の高い体験や人気 IP 系のアトラクションが多いのも、新規タイトルに人気が集中している理由かもしれません。
まだ準備中の『攻殻機動隊 ARISE Stealth Hounds』。現時点ではどんなアトラクションか窺い知ることはできませんが、どうやらジョイポリスの ZERO LATENCY VR に似たフリーローム型(自由に歩き回れる)のゲームになるようです。その前に私は攻殻機動隊をちゃんと観たことがないので、SVOD ででも予習しておきますかね…。
会場内には正式オープン前のプレスデーに来たと思われるエヴァ声優陣のサイン色紙が。『The 魂の座』では実際にミサトやリツコの指示に従って戦ったので、その声の主が現場に来ていたというのはちょっと嬉しい。次回来る機会があれば必ず使徒を殲滅したいところです。
まだまだオープンしたてということでオペレーションがこなれていない感もありますが、お台場時代に比べてはるかにパワーアップしていました。期待していた以上に楽しかった。
今度は攻殻機動隊 VR がオープンしてから、今回体験できなかったものも含めて改めて楽しみに来ようと思います。
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