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お台場 VR ZONE でバーチャルリアリティ体験

お台場で期間限定運営しているアミューズメント施設「VR ZONE Project i Can」で、VR ゲームを体験してきました。

VR ZONE Project i Can

VR ZONE Project i Can

今年の CES あたりから、IT 系のニュースでは VR 関連の記事を目にしない日はない、というくらいに VR が盛り上がってきています。気がつけば PlayStation VR の発売まであと半年を切っていたりもして、まさに「VR 元年」という感覚。そんな中でバンダイナムコが試験的に運営するこのアミューズメント施設はどんな具合なのか、身をもって体験してきました。

場所はダイバーシティ東京の 3F。ガンダム以外の目的でこのビルに来たのも初めてですが(笑)、3F といえば基本的にアパレル販売のフロアなわけで、その片隅にいきなりこの VR 施設というのも唐突な印象を受けます。まあヘッドセットとゲーミング PC と椅子があればアトラクションが一つ設置できてしまうのが VR の特長の一つでもあるので、この限られたスペースでも展開できるんだろうなあ。

VR ZONE Project i Can

この施設は完全予約制&入れ替え制。オープン当初のガンダムフロント東京と同様ですね。アトラクションごとの体験人数が限られるので、スムーズな運営にはこうするしかないでしょう。
入場料はかかりませんが、アトラクションごとの支払いはバンダイナムコ独自の電子マネー「バナコイン」を利用します。そのカード発行料が ¥300、個別の体験料は ¥700~1,000 と、いいお値段します。ひととおり体験しようと思ったら ¥5,000 ほどかかる計算。まあ現時点ではまだ希少な施設だから値段はいいとしても、せめて汎用の電子マネーを使わせてくれませんかね。

VR ZONE Project i Can

アトラクションで使用する VR ヘッドセットは HTC Vive。現在入手可能な汎用 VR ヘッドセットの中では最も高性能なものなので当然といったところですが、独自開発したものを持ってくるわけでもなく、ロゴも隠さずに Vive をそのまま使っているとは少し意外でした。

Vive の表示パネルは 1,080×1,200 の OLED をそれぞれ両眼に配置し、超広角レンズで視野を広く覆ったもの。画素間の格子はそれなりに見えてしまうので、これをなくして真のリアリティを出そうと思ったら両眼合わせて 4K または 8K ないと厳しいんだろうな、とは思いますが、これに描画する PC の性能も考えると現時点ではこれが精一杯でしょう。とはいえ、VR ヘッドセットの表示性能以上にヘッドトラッキングによって「顔の向きや傾きに視界がついてくる」感覚や、ヘッドホンのサラウンド感も相まって、これでも十分に没入感を得ることができます。


VR ZONE Project i Can

体験できるアトラクションは 6 種類。VR の出始めの時期にしてはけっこうバリエーション広く揃えている印象ですが、方式はほとんどが椅子に座った状態で体験するタイプ。ヘッドセットが有線式なので可動範囲に限界があることや安全性を考えるとそうせざるを得ないのでしょうが、「ルームスケール VR」を標榜する Vive を使うなら、もう少し歩き回れるような VR 体験もしたいところです。

VR ZONE Project i Can

では、個別のアトラクションを体験していきます。

まずはレースゲーム型アトラクションの『リアルドライブ』。これは施設内で唯一ヘッドセットを使用しないアトラクションで、半球状のスクリーンに超広角プロジェクタで映像を表示する方式になっています。これは VR というよりも超ワイドスクリーンを搭載したアーケードレースゲームといった趣ですが、クルマの挙動に合わせてシートが振動する体験も含めて VR、という感じ。
初回の体験では鈴鹿サーキット東コース(メインストレートから S 字までの区間)で 2 周×2 ヒートのレースに参加できます。より没入感のあるグランツーリスモ、という感覚ですね。私は鈴鹿はグランツーリスモで走り込んでいるので、ノーマルシビックで 2 ヒートとも 2 位入賞。優勝したライバルカーとは 10 秒近い差がついてしまったので、アレに勝つにはクレジットを貯めてチューニングしないといけないんだろうなあ。

このゲームはレース結果やマシンチューニングをバナコインカードに記録することができるようになっているので、ここでのデモだけでなく、近日中に全国のゲームセンターに導入されるんだろうと思います。

VR ZONE Project i Can

続いて『トレインマスター』。VR 版『電車で GO!』とでもいうようなアトラクションで、VR ヘッドセットをつけると自分自身が完全に山手線の運転席の中にいる感覚。東京駅から新橋駅までの区間を走行できます。外からの写真だけ見ると、運転席以外にはそれっぽい造作も何もないのでとてもシュールな絵に見えますが(笑、ヘッドセットから見える映像はリアルに山手線。しかも、後ろを振り向くとちゃんと電車にお客さんまで乗ってるんですよ(笑
私は鉄分がないので『電車で GO!』も一度もプレイしたことはありませんが、このリアリティの中での運転体験はなかなか楽しかった。ちなみにこれもシートから振動を感じられるようになっていて、VR って単に視覚だけでなく五感全体で感じるものなんだなあ、というのを実感します。

VR ZONE Project i Can

『スキーロデオ』。比較的全身で動くタイプのアトラクションで、ヘッドセットをつけた状態でスキーをします。自分の手足を見るとちゃんとスキーウェアを着て見えるのが、芸が細かい(笑
コースはスキー場ではなく険しい雪山。滑走中は別に進路のガイドが表示されるわけでもないので、自分でコースを探りながら滑っていきます。自分の足をセットしたコントローラでスキーのエッジを立ててスピードと向きの制御を行うわけですが、慣性があるため向きを変えたいタイミングよりも早めに切り返していかなくてはならないのが難しい。しかも、ガイドがないので容赦なく岸壁に衝突したり、崖に落ちたりします(汗。死んだら少し前の地点から再スタート。
これ、すごくスピードが出るし、斜面も急なのでかなり怖いですね。滑走中は前方からリアルに風が吹いてくるので、触覚でも速さと寒さを味わえます(笑。そして崖から落ちると視覚でしか落ちていないのに、身体はしっかり落ちてる感覚を味わうという…これは面白い。

時間制限があるので私はゴールまであと少しのところでたどり着けませんでしたが、スタッフの方によるとちゃんとゴールできるのは一日に 1~2 名しかいない、とのこと。

VR ZONE Project i Can

『脱出病棟 Ω』。見るからにバイオハザード的なやつです。これは実際に歩き回るタイプなのかな、と思ったら、「電動車椅子に乗って呪われた廃病院から脱出」だって。逆にこわい(汗

これは複数人で体験するアトラクションなので、一人で行った私は他のお客さんと相席(笑)で体験しました。スタートは一緒にするんですが、すぐに強制的にコースを分けられて、ゴール直前まで合流させてもらえないという。武器らしい武器もなく、とにかくトラップに引っかからないよう、車椅子を前後に操作するだけ(左右操作はコース選択時以外は強制)。この施設内では唯一、HTC Vive のスティックコントローラを使用しますが、別に武器というわけではなく周囲を照らす懐中電灯として使用。コントローラを向けた場所が照らされます。

怖がらせ方は古典的なお化け屋敷方式ながら、車椅子という自由度の低さ、車椅子の振動やヘッドホンまで含めた没入感の高さ、それとグロい描写でまさに夢に出てきそうな怖さ。私は結局ゴール直前で殺されてしまいましたが(汗)、最後は完全に身体が硬直していました。この体験は一回で十分だわ(泣

VR ZONE Project i Can

『高所恐怖 SHOW』。地上 200m のビルの上から突き出た板の上を歩くという、高所恐怖症的にはあり得ないアトラクション(ぉ。暗幕がかかっていて中で何が行われているか見えないのが、余計に怖い(汗
どうやら実際に VR 内と同じ幅の板の上を歩くことで、足の感覚的にもリアリティが感じられる…というもののようです。この施設内では、これだけが VR ヘッドセットをつけたまま歩けるアトラクションということになります。VR 体験の幅広さを味わう意味では、これは体験しておくべきアトラクションと言えるでしょう。

しかし私はお金を払ってここまで来たからには体験しておきたかったんですが、待ち時間が長めでタイミングが合わなかったのでパスしてしまいました。べっ別に怖じ気づいたわけじゃないですよ(棒

VR ZONE Project i Can

最後は『アーガイルシフト』。美少女オペレーターと一緒に巨大ロボットに乗り込んで敵と戦う、というオトコノコの夢を具現化したかのようなアトラクション!
それも、ロボットの操作は左右二つの操縦桿を使うというベタさが逆にいい(笑。

ロボットの操作は非常にシンプルで、飛行中の上昇下降と左右ロール、マシンガンの発射までを操縦桿で行います。戦闘シーンのターゲット選択は視線(というより視点)入力。あと「パイロットの視界を基地攻撃用ミサイル視点に移して操作」というシーンがあるのですが、そのミサイル操作は頭の傾きをもって左右ロールになるのが斬新。しかしゲーム要素は薄めでどんどん場面が進行していき、最も気分が高揚した瞬間に「つづく」というズルい演出。お金払うから続き遊ばせてよ!←
これは VR がどいこうというより、VR ヘッドセットのトラッキングによる視線入力のデモとして面白いな、と思いました。視線カーソルを僚機に合わせると、それぞれの機体やパイロット情報が画面上に表示されるのが凝ってるなあ、と。近年のガンダム作品のコクピット映像をリアルに体験しているような感覚。

あと一緒にロボットに乗り込むオペレーターの「アイネ」、CG のキャラクターだと解っていても、コミュニケーションを取るときの距離感がやたら近くてドキドキしますね(汗。美少女キャラがメインじゃないコンテンツでこの感覚なんだとしたら、PSVR の『サマーレッスン』とかどんなことになってしまうんや…。

VR ZONE Project i Can

というわけで、1.5 時間という制限の中でしたが、堪能してきました。予約制なのでゆったりした感じではありましたが、各アトラクションには多少の待ち時間もあるため、1.5 時間だと全てのアトラクションを一回ずつ体験してちょうどいい、くらいの感覚。
まだそれほど認知されていない施設なので、お客さんは一般客だけでなく、けっこうな割合でゲーム業界とかコンテンツ業界の人が視察しに来ているっぽい雰囲気でした(笑。

今年後半から来年にかけてこういうアミューズメント施設が増えてくるんじゃないかと思いますが、一足先に最新の VR を体験できるという意味では、行っておく価値はあるんじゃないでしょうか。

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