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CP+ 2018 (1) 新型ミラーレスとカラーマネジメントディスプレイと

パシフィコ横浜で開催中の CP+ 2018 に行ってきました。

CP+2018 カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+(シーピープラス)」

いつもなら開催初日に行っているんですが、今年はどうしても仕事の都合がつかず土曜日の参戦になりました。賑わってはいたものの、例年なら土曜日はもっと混んでいる印象があったので、やっぱり来場者数は伸び悩んでいるんでしょうか。まあ新製品はキヤノンはエントリー機しか出さなかったし(まあいつものことですが)、ニコンは本当に何も出さなかったので、今年は話題的には寂しいイベントではありますが。
あらかた情報も出揃ってきているので、私は個人的に注目したところを中心にかいつまんでレポートします。

今年の CP+ 最大の注目は α7 III と言っても過言ではないでしょう。タッチ&トライコーナーはかなりの盛況でした。

先に α9・α7R III が発売されているため極端に目新しいスペックはありませんが、オールマイティモデルである無印に上位機種のスペックを惜しげもなく突っ込んできた意欲作です。
中の人曰く「下位機種向けにわざわざスペックダウンした部品を起こすくらいなら、上位機種のものをそのまま使った方が量産効果が出て低コストになるし、ユーザーメリットもある」とのこと。確かに上位機種とはかなり共通部分が多く、無理矢理ヒエラルキーを作らずに最新のデバイスを積極的に投入していて、ある意味 Apple の iPhone のラインアップに近い考え方と言えるかもしれません。もしかすると、厳格なヒエラルキーが存在し出し惜しみも多いキヤノンを出し抜くための戦略という側面もありそう。なんだかんだ言ってメカが主役の一眼レフと半導体/ソフトウェアが主役のミラーレスのものづくりの手法の違いと言っても良いでしょう。
いずれにしても、我々は今まさにレンズ交換式カメラの主戦場が一眼レフからミラーレスへと移り変わる瞬間に立ち会っているという感覚があります。

背面のインターフェースは α7R III 譲りで、マルチセレクター搭載、タッチパネル液晶、動画撮影ボタンの位置変更、AF-ON ボタンの独立、あたりが II 型からの変更点。個人的には特にマルチセレクター搭載が嬉しいです。従来のコントロールホイールの上下左右での AF ポイント選択では、同ボタンにアサインされている DISP/ISO/DRIVE と重複していて、いちいちホイールの中央ボタンで切り替える必要があったのが面倒くさすぎました。が、これでようやく EOS(一桁)と同様にダイレクトに AF ポイントが移動させられるようになります。タッチパネルの採用も本当に嬉しい。この二点だけのために II 型から買い換えても良いと思えるほどです。

AF はすごいですね。693 点の像面位相差センサ+425 点コントラスト AF という α9 と α7R III のいいとこ取りで、かなり食いつき良く動体を捉えてくれる印象。去年ちょっとだけ試用した α9 でもそのポテンシャルに驚きましたが、それがいきなり半額以下の α7 III に入ってきた感覚です。ブラックアウトフリーじゃないし秒間 20 コマでは撮れませんが、フルサイズセンサ&メカシャッターで秒間 10 コマ撮れれば十分以上だと言えます。そろそろスポーツ撮影専用に EOS 7D シリーズを持っている理由もなくなってきつつあるんじゃないだろうか?と思えてきますね。

20 万円オーバーのカメラをポンと買える余裕はさすがにありませんが、これなら α7 II と EOS 5D3 を処分して α7 III にまとめてしまっても良いのでは…と皮算用をし始めている自分がいます。


今年の CP+ の話題は完全にミラーレスですが、もう一つの話題の中心がこの EOS Kiss M。外観が M5 から大きく変わらないため目新しさこそありませんが、同時発表された Kiss X90 と比べるとこれからの Kiss のメインは明らかに Kiss M という雰囲気があります。

M5 に比べるとボタンやダイヤル類は最低限に抑えられており、デザインは変えなくてもターゲットユーザーが明確に違うことが判ります。
同じ EOS でも機能ごとに割り振られたボタンがある一桁を使っている身としては、シャッタースピードひとつ変更するのにもちょっと戸惑いましたが、基本的にはプログラムオートで撮るカメラという印象。

もともと定評の高いデュアルピクセル CMOS AF を搭載しているだけあって、動体への AF 追従はなかなかのもの。展示されていた鉄道模型もしっかり追いかけてくれました。連写も AF 追従で 7.4コマ/秒 あるし、ガチで野鳥やスポーツを撮るのでなければこれで十分なんだと思います。

メニュー画面はかなりエントリーユーザー向け。最近はミラーレスでも上級者向けの機種ばかり出ていたので、久しぶりにこういう画面を見た気がします。

5 分の制限時間があったのでざっとしか触れませんでしたが、Kiss の名を冠するだけあってソツなくまとまったカメラだと感じました。これからレンズ交換式カメラを買いたいという人がいたら、将来的にレンズ沼にハマるポテンシャルがありそうな人でなければ(ぉ)安心して薦められる機種だと思います。

キヤノンブースでもう一箇所行列ができていたのが、早くも「変態ストロボ」の異名を取りつつある「470EX-AI」。
動画を撮りたかったんですが自分で操作しながら撮影するのが難しかったので、こちらのエントリーでどうぞ(ぉ

CP+2018 (1) レンズ沼へようこそ! : [クマデジ]

自動バウンス機能は最適なバウンス角をスピードライト側が自動判断する「AI.B フルオート」とユーザーが指定した角度を記憶し、カメラを傾けても自動的にその角度に合わせる「AI.B セミオート」の二種類。スピードライトのヘッド部が自動でうにょうにょ動く様子はかわいくもあるけど、ちょっと気持ち悪くもあります(笑。
フルオートは二回プリ発光するので撮影のリズムが崩れるし、セミオートは便利だけどある程度慣れていれば自分で調整したほうが早くもあるので中上級者にはあまり必要ない機能だと思いますが、フラッシュがこういう進化を遂げるとは思っていなかったので面白いですね。

BenQ ブースでは我らがサイカ先生がご登壇。今回の CP+ では全日程どこかしらのブースやステージで喋っているそうで、もはや完全に重鎮の風格があります(体重のことは言っていません
トークショーのテーマは「写真ユーザーのためのディスプレイ選び」。サイカ先生がムービーではなく写真をメインテーマに話すというのも珍しい。

多数の立ち見が出るほど大盛況のトークショーでした(椅子はなかったけど先生から「立ち見が出たって書いて」と言われた)。
いつもの大手メーカー関連の講演と違い、グレーゾーンを突っ走るようなノリノリの講演でした(笑。
明日はメインステージのほうに登壇されるようなので、現地に行く方は是非。

私も 10 年近く使っている PC ディスプレイをそろそろ買い換えたいと思っているところだったので、ちょうど良いテーマでの講演でした。買い換えるとしたら 24~27inch でオーバー FHD(WQHD~4K)で Adobe RGB カバー率 95% 以上、できればハードウェアキャリブレーション対応といったスペックのものが欲しいんですが、最近の EIZO 製品でその辺のスペックになるともう手が出ないので、BenQ あたりが妥当かなあ…とは思っていたんですよね。講演の中で紹介されていた機種だと SW271(27inch 4K/UHD)がベストだけど、SW2700PT(27inch WQHD)のコストパフォーマンスも捨てがたい。ちょっと検討してみようかなあ。

BenQ / SW2700PT

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