イギリス決勝:ベッテルが大接戦を制して4勝目。ハミルトン悔しい2位
一週間前のオーストリア GP に続き、このイギリス GP も痺れるレースとなりました。
まずは予選、0.1 秒の中にハミルトン、ヴェッテル、ライコネンの三人がひしめく接戦。そこに僅差でボッタスが続き、決勝はメルセデスとフェラーリの四人のうち誰が勝ってもおかしくない状況に。
で、決勝はハミルトンがスタートに失敗し、オーバーテイクを仕掛けたライコネンがハミルトンに接触!ハミルトンはそのまま最後尾まで落ち、追い上げるレースとなります。ライコネンはこの接触に伴い 10 秒ペナルティを喫し、タイヤ交換のついでに義務を消化します。一方のトップ争いはヴェッテルをボッタスが追う展開。ハミルトンはほんの 10 周で最後尾から 6 番手にまで復帰し、いかに現在の F1 が三強とそれ以外の構図であるか、が改めて浮き彫りとなりました。
ヴェッテルがボッタスをじわじわ引き離す展開となり、レースも膠着状況に陥ったかと思われた 32 周目、エリクソンの単独クラッシュに伴う SC 導入で流れが変わります。ピットインしたフェラーリ勢に対しメルセデス勢はステイアウトを選択、ボッタスがトップに立ちます。このままのギャップを守ればボッタスが今季初優勝かと思われた 39 周目、グロジャンとサインツ Jr. の接触により再度 SC が出動。最終的には残り 11 周をほぼギャップのない状態でメルセデスとフェラーリの 4 台が争うスプリントレースとなりました。
最終的にはより新しいタイヤを履いたヴェッテルがボッタスをパス、抜かれたボッタスは一気にペースが落ちてハミルトンとライコネンにも抜かれて 4 位に。ヴェッテルが優勝し、ハミルトンは最後尾から 2 位表彰台を獲得するという大健闘でした。
今回はどちらが勝ってもおかしくないレースでしたが、オーストリアで再度チャンピオンシップ首位に立ったヴェッテルが僅かにリードを広げたという点でも、ハミルトンが最後尾からチャンピオンシップ上のダメージを最小限に留めたという点でも、どちらも「最低限のやるべきことはやった」レースだと言えます。個人的には、そろそろボッタスに今季初優勝をあげたかった気もしますが、レースが面白かったらとにかく良し(笑。
トロロッソ・ホンダは、FP3 でハートレー車にサスペンショントラブルが発生、モノコックを大破するほどの大クラッシュを起こします。予選には出走できず、スペアモノコックから組み上げたマシンで決勝を戦おうとするも、決勝スタート前に発生したトラブル(PU のコネクタ接続に問題があった模様)でスタートすらできず。直近のトロロッソは特に新型 PU を投入したカナダ以降ノートラブル・ノークラッシュで走り切れた週末がなく、データ収集~開発上の大きな障害になっていることが推測されますが、今回もまた一台分のデータしか採れないレースに。マシントラブルは特にハートレーにばかり起きていて、さすがにかわいそうになってきました。
ガスリー車はガスリー車で、チームがまだまだ空力アップデートのセットアップを煮詰め切れていないようで、なかなかタイムが伸びません。いや伸びてはいるんでしょうがライバルの進歩を上回るものではなく、予選は 14 番手が精一杯。決勝でも中団チームのほとんどが同等のタイムで走る中抜いていくことができずにいましたが、最後のスプリント状態になったときに果敢なアタックでペレスをオーバーテイク!10 位入賞をもぎ取ったかに見えましたが、このときの接触がペナルティ対象となって最終結果は 13 位に。あれはレーシングインシデントに見えたけど、いずれにしてもトロロッソの二人にはなかなか運が向いてきませんね…。
一方で、ウィリアムズと最下位争いをするのがやっとなはずのマシンで 8 位に食い込んで見せたアロンソは前戦に続きさすがとしか言いようがありません。
ともあれ、ガスリーはセットアップが決め切れていないマシンで 2 戦続けて入賞目前までいった、というのはポジティブに捉えて良いはず。次は久しぶりに二週間のインターバルを置いてドイツ GP、それまでにトロロッソのマシンへの理解が深まることに期待しましょう。
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