久しぶりに日本橋方面に出る予定があったので、ランチは以前から気になっていたこちらのお店へ。
コレド室町の真裏という好立地にひっそりと営んでいる老舗の洋食レストランです。再開発ですっかり近代的になってしまった日本橋において、昔ながらの佇まいを残している貴重なお店。
店先にはガラスケースの中に食品サンプルが。洋食店の定番メニューが並んでいて、どれもそそられる。ただ、後述するとおり実際の料理はこの食品サンプルとは比較にならないくらいおいしそう。
ランチメニューには鮭のバター焼、ポークカツレツ、ポタージュスープ、有頭エビフライなど魅力的な単語が並んでいて心躍ります。これは早速入ってみるしかありません。
店内も外観に負けず劣らず昔ながらの洋食レストラン感。ほんのりと上品さが漂っているあたりはさすが日本橋の老舗といったところ。演出されたレトロ感なんかとは全然違う、長年培われてきた歴史を感じます。
時間はまだ 11 時半にもなっていないというのにテーブルがほぼ埋まろうとしていて、日本橋界隈の人々に愛されていることが分かります。
注文を済ませると、自分の母親よりも明らかに年上の店員さんが「スポーツ新聞、お読みになりますか?」。予想しない単語を向けられて一瞬理解ができなかったけど、他の一人客のおじさんが軒並みスポーツ新聞を読んでいるのはそういうことか(笑。
料理に先立ってナイフとフォークが出てくるわけですが、その下には三角に折られた紙ナプキンが敷かれていました。
そうそう、こういう店に来たら、こうでなくちゃ。
ランチメニュー以外のレギュラーメニューもたくさんあって迷いに迷った挙げ句、頼んだのはランチの最上段にあった「鮭のバター焼とポークカツレツ」の盛合せ。洋食の定番メニュー、かつ焼き物と揚げ物を 900 円で両方味わえるお得感を選びました。
鮭のバター焼、ナイフを使わなくてもフォークだけでほろほろ崩れるほどの柔らかさ。それにタルタルソースの優しい酸味がうれしい。
初めて来たはずなのに昔からずっと知っているような、ほっとする味。
ポークカツレツにも自家製と思われるデミグラスソースがたっぷり。その後ろに控えているのがこれまた洋食レストランらしいナポリタン。新橋あたりでガッツリ食べるナポリタンもいいけど、こういう店でちょっとついてくるナポリタンもまた、ありがたい。
カツレツなのに「ふわっふわ」と表現したくなるほど、肉まで柔らかい。デミグラスソースは丁寧な中にも素朴さが感じられる味で、カツレツを優しく包んでいます。ああ確かにこれはトンカツではなく「ポークカツレツ」なんだなあ。
店構えや店員さんたちの雰囲気からも滲み出ている優しく、ゆったりとした空気が料理の中に閉じ込められているかのようなランチでした。お腹が満たされた以上に心が癒やされた気がします。
他のランチメニューも気になるし、ビーフシチューなんかもすごくおいしそう。夜はコースもやっているというし、もう一度と言わず二度三度繰り返して来たいお店でした。
店員のみなさん、身体に気をつけてこれからもお店を続けていってくれると嬉しいです。
ごちそうさまでした。
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