「その麻婆一筋、脇目もふらない心意気。痺れるじゃないか」
ドラマ『孤独のグルメ Season7』に登場した三河島の麻婆豆腐専門店「眞実一路」が 7 月末に移転しました。再開発に伴う移転ということで新しい店舗は御茶ノ水が最寄り。私は麻婆豆腐は大好物の一つだからリピートしたかったけど三河島って微妙に行きづらかったんですよね。
移転先は神田明神のすぐ裏手。一番近い駅は御茶ノ水だけど、秋葉原からでも歩ける距離です。
三河島の路地裏にひっそりと佇む麻婆豆腐の大国が、こんなところに引っ越してきたとは。
以前の店舗よりも広々と新しい店内。お昼前なら並ばずに入れるけど正午を過ぎるとちょっと待つ、というくらい早速人気が出ているようです。
中華らしい赤にいろいろと蘊蓄が書き込まれた黒板は三河島時代のイメージをしっかり踏襲。
麻に辣。香り、熱、そして色味。
黒板の文字に、店の意気込みが滲み出ている。
反対側の壁にも黒板。こっちには麻婆豆腐の食べ方について店主が熱く解説している。
そうそう、この店の麻婆、スープが特徴的なんだった。豆腐と同じレベルでスープも主役、全部飲み干す勢いの麻婆豆腐。久しぶりだけに楽しみ。
三河島時代に訪店したときはディナータイムで、麻婆以外の中華料理もいろいろ楽しんだけど今回はランチタイム。お昼時は基本的に五種類の麻婆豆腐のランチセットから選ぶシステムらしい。
赤い五味一体を筆頭に、黒、白、緑、くんせい…麻婆豆腐で特撮ヒーロー戦隊が組めそう。辛さと痺れで悪者を撃退する麻婆戦隊、ちょっと見てみたい気もする。
というわけで、久しぶりに来たからには王道から攻めよう。五味一体麻婆豆腐の三辛、ライスは 200g で。
この赤い麻婆、長らく食べたかったんだよなあ。ランチタイムは効率重視なのかグツグツ控えめ、それでもうまそう。
見るからに辛そうな赤麻婆、確かに辛いんだけどそれだけじゃない。追いかけてくる花椒の痺れと、その奥に広がるうまみ。これが後を引くんですよ。
俺の舌は痺れと辛さで悲鳴を上げ続けているのに、レンゲを動かす手が止まらん。
うおォ!この器の中はまるで溶鉱炉だ。汗が一気に噴き出してくる。
それによって体温が下がり、その後に訪れる涼しさ。これが最近よく言う「チル」という感覚なのかもしれない。たぶん違う。
赤麻婆定食、おいしかったけど他の麻婆もいろいろ食べたい。ということで日を改めてまた来てみました。
今回は昼だけど飲んじゃうもんね。ということで麻婆豆腐専用ハイボール。上から花椒を振りかけてあるハイボールで、これにより麻婆豆腐との繋がりが良くなってる。
そして赤の次は当然緑でしょ。ということで、緑の麻婆豆腐ランチ。
グリーンカレーってのならタイ料理のスタンダードだけど、グリーン麻婆豆腐は他の店では見たことない。この緑は野菜ペースト由来ということで、ややマイルド寄りの味。
緑は優しい。赤の前では緑が優しく感じられる。
…かと思ったら、緑色の中に紛れている青唐辛子が時折鋭いパンチを繰り出してくる。これはこれで侮れん、でも野菜が醸し出すうまみと青唐やラー油の刺激が面白くてついつい食べちゃうやつ。
前回赤麻婆ランチを試してみて、これなら麻婆二杯行けそうだと思ったので今回は黒麻婆単品にハイボールおかわりを追加。
以前食べたときはこの黒麻婆豆腐もかなりヒットだったんだよなあ。
黒麻婆は赤い五味一体麻婆をベースにたまり醤油と黒胡椒を足したもの、らしい。
五味一体麻婆をさらに強化したうまみとコク。それを黒胡椒のスパイス感が引き締める。赤に似てるけどしっかり別物と言える味。コク重視派的にはこの味、大好きです。
久々の眞実一路、変わらずおいしくて満足しました。麻婆豆腐のおいしい店はたくさんあるけれど、やはりここはそこらのお店から頭一つ抜けてると思う。
三河島よりはアクセスしやすいところに来てくれたおかげで今後はもう少し頻度高く通えそうです。近年飲食店の選択肢が増えた秋葉原界隈の中でも、ここはかなり強い引力を放っていると言えます。
また食べに来ようと思います。ランチも良いけどやっぱりディナータイムに来たいなあ。
ごちそうさまでした。















コメント