トロロッソF1、名称変更を申請……2020年シーズンから”アルファタウリ”に?
F1 2019 年シーズンも終盤戦が近づき、来季以降の話題が増えてきています。
まずはトロロッソ。来シーズンから「アルファタウリ」とするチーム名変更を申請したとのこと。レッドブルグループが所有するアパレルブランド
の名前とのことで「タウリ」は牡牛座を表します。レッドブルのドライバー育成チームという位置づけは変わらないものの、2006 年にミナルディを買収して以来続いてきた「スクーデリア・トロロッソ」という名称が消えてしまうことには一抹の寂しさを感じます。
しかしこういうタイミングでわざわざ名前を変えるということは、レッドブルはこのチームをまだまだ活用する意思の表れとみてよいのでしょう。2008 年からトロロッソ売却の噂は出ては消えを繰り返してきましたが、少なくともホンダとのジョイントが始まったこの二年に限って言えばマシン開発とドライバー育成の両面においてトロロッソの存在価値が大きかったのは事実で、今回のチーム名変更はそこにさらにマーケティング的な役割を増す意味合いがありそうです。
チーム名変更ということでカラーリングがどうなるかも気になるところ。アルファタウリのブランドカラーはモノクロのようですが、白黒のマシンってサーキットにはあまり映えないからなあ。現在のトロロッソの鮮やかな青赤は個人的には気に入っているので、なんならそのままでもいいんですよ。
マクラーレン、2021年にPUをスイッチ。マクラーレン・メルセデスが復活へ
一方マクラーレンは 2020 年限りでルノーとの契約を終了し、2021 年からはメルセデス製 PU を採用することを発表しました。2014 年の契約終了以来 7 年ぶりに「マクラーレン・メルセデス」の名が復活することになります。
マクラーレンはホンダとのジョイント解消後、この二年はルノー製 PU を搭載してきました。昨年はともかく今年はマシン開発も順調に進み、ルノーワークスを押しのけて三強に次ぐ四番手チームとしてのポジションを確固たるものとしています。しかしルノー製 PU の信頼性不足に泣くことも多かったのがこの二年。
しかし今回の PU 変更は純粋に戦闘力向上を狙ったものというよりはルノー側の事情によるものではないでしょうか。ルノー F1 は五年計画でチャンピオン獲得を目指していたのがほぼ絶望的な状況、かつルノー本社の経営体制変更(ゴーン会長の退任)と業績悪化でいつ F1 から撤退しても不思議ではありません。マクラーレンのこの動きの裏には、少なくとも 2020 年限りでルノーが F1 から撤退することが事実上確定した…というような状況がある可能性があります。少なくともルノー PU の戦闘力と信頼性不足に加えて 2021 年以降の体制の不透明さに起因するモノであることは確かでしょう。
仮にそうなるとルノーチームのその後がどうなるのか。2021 年の新規参戦を狙っている中国系の「パンテーラ」なるチームに設備や人員を譲渡する、というのはあり得る線でしょう。そのときに PU を供給するのはメルセデスはこれ以上供給先を増やすのは難しいだろうし、フェラーリかホンダということになるのか。
一方でマクラーレンに PU を供給することになったメルセデスも、先日ダイムラー・グループとして今後内燃機関(ガソリンエンジン)の新規開発を凍結して EV に注力していくという発表を行ったばかり。F1 の PU で使われている ICE もガソリンエンジンであり、今後何らかの形でこの決定の影響を受ける可能性は否定できません。いずれ来るだろうと思われていた自動車メーカー系チームの F1 撤退や F1 自体を EV 化するという状況は、予想より早くやって来ることになるのかもしれません。
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